タイル貼り下地処理
(凝結遅延剤工法)施工
塗布前 塗布後 脱型 洗い出し
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外壁タイル剥離防止(リターダ)工法
タイル剥離を未然に防ぐ画期的工法
外壁タイル剥落防止工法
詳細内容


リターダ工法とは
タイル外壁の接着力を高め、剥離・剥落を防止することが目的

リターダ工法の概要


 リターダ工法とは、型枠にコンクリート表面凝結遅延剤(リターダ)を塗布し,打設養生後脱型し、躯体表面を洗い出し、目荒しを施すことによって,コンクリート躯体と下地モルタル層との接着力を高め、剥離・剥落を防止することを目的とした工法です。
 すなわち、パネコート型枠の普及により一層平滑面になったコンクリート躯体に目荒らしを施し、下地モルタル等の接着力を高め、タイル外壁の剥離防止を図ろうとするものです。


リターダ工法の考え方

 剥離防止法のうちコンクリート躯体に目荒らしを施すものとしては、超高圧水により、コンクリート躯体表面を粗面にし、接着力を高めるもの、型枠にいわゆるプチプチシートを貼り付け、型枠の脱型後の凸凹により接着力を高めるもの、などがあります。

    目荒らし状況       プチプチシート
  ウォータージェット工法による目荒らし状況     MCR工法のいわゆるプチプチシート


リターダー工法はフレッシュコンクリートの水和反応を抑制させる表面凝結遅延剤を型枠に塗布し、型枠の脱型後、躯体表面の洗い出しで最も適した粗面を作り、下地モルタル等の接着力を高めようとする試みです。

リターダ工法と他工法との比較 超高圧水工法 MCR工法 リターダ工法
@ 狭い足場での目荒らし ×
A 1u当りの単価 800円〜 1000円〜 最安値
B 工作工具の規模 2トン車を横づけ 工具のみ 工具のみ
C 目荒らしの深さの調整 × × 1mm単位で
6mmまで可能
D 1日当たり可能な目荒らしu 150u程度 員数次第で
増減可能
員数次第で
増減可能
E 作業員の熟練度 熟練作業員に限る 指導を受けた
型枠大工
指導を受けた
型枠大工
F 作業員の危険度 危険性あり
G 高強度コンクリートへの対応 ×
H 産業廃棄物対応 シートの産廃が発生
I 変則的現場(傾斜地等)への対応 2トン車ゆえ困難
J 妻壁等上下作業への対応


リターダ工法使用のコンクリート凝結遅延剤について
最大の特徴は、水溶性の変化における作業環境の最適化

リターダ工法使用のコンクリート凝結遅延剤について


 リターダ工法は、型枠に塗布された凝結遅延剤(リターダ)の働きにより、コンクリート打設後の躯体表面に目荒らしを施し、下地モルタル等の剥離を防止するものですが、すべての凝結遅延剤がこの工法に適しているわけではありません。たとえば、水溶性の凝結遅延剤では、雨水や水打ちに対応できないし、目荒らしの程度が深すぎては躯体として不向き・・・等々、様々な条件がこの工法には要求されます。したがってどのような凝結遅延剤を採用すればよいのかが、最も重要な点です。

 本工法で採用している凝結遅延剤の最大の特徴は、その水に対する対応である。国産の遅延剤のほとんどは水溶性であり、作業中に予想される雨やコンクリートの打設前の水打ちにも十分な対応ができません。それに対して、リターダ工法の凝結遅延剤は、原液では水に対して不溶性ですが、一旦コンクリートのアルカリ水に触れると反応して水溶性に変化する性質をもっています。したがって、凝結遅延剤を用いた目荒らしという工程において、最適な作業環境を創出できます。

 今1つの特徴は、その目荒らしの緻密さにあります。リターダ工法の凝結遅延剤による目荒らしは、チッピングの深さを1mmづつ5段階にグレード分けされており、コンクリート躯体の強度によって対応することが可能です(ちなみに、ウォータージェット工法では対応が困難な、超高強度コンクリートにも十分対応できる)。

 一般に凝結遅延剤を利用した粗面つくりの作業環境の諸条件を列挙すると、次のようになります。

凝結遅延剤を利用した粗面つくりの作業環境の諸条件
@ 型枠に塗布する時の凝結遅延剤は、水に対して不溶性または難溶性でなければならない。
理由】 作業中の雨に強く、コンクリート打設前の型枠洗浄にも耐えるものでなければならないため。

( リターダ工法の凝結遅延剤の原液は水に対して不溶性である )

A フレッシュコンクリートと接触した凝結遅延剤は、水溶性でなければならない。
理由】 フレッシュコンクリートに浸潤しなければ、水和反応を抑制できないため。 

( リターダ工法の凝結遅延剤は、フレッシュコンクリートに接すると、水溶性になる )

B 脱型後の型枠の残留物(汚れ)は、水洗いで容易に落とせる物でなければならない。
理由】 型枠は、繰り返し転用することを前提としているため。
 
( リターダ工法の型枠の残留物は水溶性のため、型枠の汚れは容易に水洗いできる。したがって、丁寧な型枠の洗浄を指導すれば、転用による弊害<薬剤の塗布濃淡による粗面不良>は防ぐことができる )
C 凝結遅延剤による目荒しの深さは、0.5mm〜1mm位がよい。
理由】 躯体表面への墨出し等の作業に影響を与えず、かつ剥離防止として十分な目荒らしの深さでなければならないから。 

( リターダ工法の目荒らしの深さはコンクリート躯体の0.5mm〜1mm、もし調整の必要があれば、その深さは1mm単位ごとグレードアップが可能 )

D 凝結遅延剤の型枠への接着性は、強固でなければならない。
理由】 作業中に凝結遅延剤が型枠から剥離することがあってはならないため。 
( リターダ工法の凝結遅延剤は、型枠への接着力が強固である )
E 凝結遅延剤は、離型剤を必要としないものがよい。
理由】 一工程削減されるとともに、コストダウンにつながるため。 
( リターダ工法の凝結遅延剤は、離型剤を必要としない )
F 凝結遅延剤は、環境汚染を起こさないものがよい。
( リターダ工法の凝結遅延剤のPHは7(中性)で、毒性も見られないので、環境汚染をおこさない )
G 工程の途中で廃材の発生がないものがよい。
( リターダ工法には、MCR工法のような廃材となるものは使用しないので、発生はない )
H 洗い出し後、脆弱部分が残らないこと。
理由】 モルタルの剥離の原因となるため。 
( リターダ工法による、目荒しの深さは0.5mm〜1mm程度で、そのうえ高圧水による洗い出しを念入りに行なうので、まず脆弱部分は残らない )
I 洗い出し時に水が使用できないときでも、粗面が形成できること。
理由】 洗い出し時、下階の職方と上下作業になったときでも、粗面形成をすみやかに行う必要があるから。 
( 硬いブラシやジェットたがねで、容易に粗面が形成できる。後ほど水洗いを行えばよい )
J 万一凝結遅延剤のコンクリート躯体への残留成分があっても、躯体の強度に影響を及ぼさないこと。
 A: リターダ工法の凝結遅延剤の効果は、フレッシュコンクリート表面のわずか0.5〜1mmにしか及ばず、他の部分の凝結作用にはなんら影響を与えない。
 B: リターダ工法の凝結遅延剤は、水和反応を抑制させるのみで、経時とともに同反応は進行し、硬化する。したがって、コンクリート躯体の強度に影響を及ばさない。
 C: なお、リターダ工法の凝結遅延剤は、橋梁やダム等のコンクリート打ち継ぎ目の処理剤として、20年以上の実績があることからも、躯体に対する影響がないことが証明される。


 以上のように、リターダ工法の凝結遅延剤は、上記の条件をすべてクリヤーした理想的な凝結遅延剤なのです。


作業上の指摘事項および薬剤について
薬剤の主成分と物性

凝結遅延剤の作業上の指摘事項


A・ 凝結遅延剤の塗布は、型枠大工が施工する。
特別な工程を組まず、離型剤の代りに指導を受けた型枠大工が、凝結遅延剤を塗布する。

B・ 型枠の脱型後、速やかに現場常置の高圧水(ハイウォッシャー・5〜10Mpa程度)で躯体を洗い出さなければならないが、その作業は、指導をうけた解体工か雑工が施工する。

なお、薬剤の主成分と物性は以下のとおりである。
        ・ 主成分    飽和樹脂酸炭化水素
        ・ PH       7(中性)
        ・ 硬化温度   常温
        ・ アルカリ量  なし
        ・ 塩化物量   なし
        ・ 比重      <1g/ml
        ・ 外観      灰色 ペンキ状
        ・ 匂い      揮発性の匂い
        ・ 沸騰点     100〜140℃
        ・ 点火温度   250℃


型枠工法の施工手順と注意事項

施工手順図 1・・・事前打合せ

2・・・凝結遅延剤・塗布道具の準備

3・・・凝結遅延剤の型枠への塗布

4・・・型枠の建て込み

5・・・コンクリート打設

6・・・型枠の解体 

7・・・高圧水での洗い出し

8・・・型枠洗浄

9・・・下地モルタル塗り・不陸調整

10・・・タイル張り

11・・・検査

1・・・事前打合せ

    @ 型枠工法を施工する部位の確認
    A 型枠工法を施工する面積の確認
    B 打設するコンクリートの種類の確認
    C 凝結遅延剤の種類・数量の確認
    D 凝結遅延剤の納入時期・納入場所の確認
    E 塗布方法・洗い出し方法、洗い出し時期・解体後の型枠の清掃方法等の確認
    F 前項に携わる作業分担の確認

2・・・凝結遅延剤・塗布道具の準備

    @ 凝結遅延剤は事前に、数量・所定の品番のものがあるかどうかを確認する。
    A 塗布道具の確認

3・・・凝結遅延剤の型枠への塗布

    @ 均一に。立て立て、横横に塗る。
         塗布作業
        A 使用するローラーは、細いローラーがよい。

4・・・型枠の建て込み

5・・・コンクリート打設

       棒状バイブレーターは、ダブル配筋の中央に挿入し型枠に当てないようにする。

6・・・型枠の解体
         型枠の解体
    @ 72時間以内が望まれる。
    A 遅くとも5〜6日以内に解体する。

7・・・高圧水(5〜10Mpa)での洗い出し

    @ 型枠の解体後、すみやかに施工する。
    A 水流の方向は躯体に対してできるだけ直角にし、ゆっくりと、立て立て横横に、
      万遍なく洗い出す。脆弱箇所を残さないように、丁寧に施工する。

洗い出し  粗面仕上げ  粗面仕上げ拡大
          (洗い出し)           粗面仕上げ        粗面仕上げ(拡大)

8・・・型枠洗浄

      高圧水または水道水とブラシで、丁寧に清掃する。

9・・・下地モルタル塗り・不陸補修

10・・・タイル張り

11・・・検査

        タイルの引っ張り試験 タイルの引っ張り試験



コンクリート躯体成型実験
コンクリート凝結遅延剤を塗布した型枠による

実験の実態


 凝結遅延剤を塗布した型枠を用いて成型したコンクリート躯体の表面に、高圧水(5〜10Mpa)を用いて粗面を形成させる。

目的

 コンクリート躯体に対するタイル等外壁材の剥離・剥落を防止するため、コンクリート躯体に粗面を形成し、そのことによってコンクリート躯体と下地モルタルとの接着力を高めることを目的とする。

段取り

    @ 試験体は3点(A・B・C・)成型する。(1800×900×200)
    A 様々な遅延剤で効果を試す。
    B 1面をたてに3等分する。
    C 次のような様々なパターンを作る。

凝結遅延剤の濃度を、2倍・3倍・5倍に分けるディスパライト離型剤のみ2倍5倍2倍5倍2倍5倍
LN011LN022リタメイトシンエツ201ポリエステル  ポリエステル引っ張り試験

    @ 上記のパターンの タイルの引っ張り試験をする。
    A 別の側面に遅延剤を塗らず離型剤を塗布し、高圧水をかけてから、タイルの引っ張り試験をする。

 引っ張り試験( LN 011)と(LN 022)の2箇所で、45二丁のタイルでの結果直張りをしたものを、引っ張り試験をした。
    @ 20kgf/cm2
    A 6 kgf/cm2 総合評価
1 目荒しの緻密さはLN011とLN022が最もよい。他のものは荒すぎる。
2 型枠に塗布後、剥離しにくいのは、LN011とLN022
3 水溶性でないのは上記2点とシンエツ201、リタメイト、ポリエステル
4 塗布時に剥離剤を必要としないのは、LN011とLN022
5 以上の結果から、LN011とLN022が最も優れているといえる。


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