アメリカのバーダーたちは使い古されたバードハウスをインテリアとして使用しています。子供たちにとって風雨にさらされた、手づくりの稚拙なバードハウスは成長の生活の記録であり、日本の子供たちの『柱の傷』です。
帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライトは、風化する大谷石を見たとき、この建築材こそ、自分の設計したホテルに新しい命を与えてくれると喜んだと言われています。バードハウスも風雪と、野鳥たちが生活することにより新しい命が産み出されます。
山中湖の山荘に、バードハウスを取材に来た『BE‐PAL』の記者は私の山荘をバードハウス・ハウスと命名してくれました。ダイニングルームは勿論のこと、寝室、書斎、浴室そして廊下まで、私の山荘はバードハウスで飾られていました。
産卵のシーズンになると、ヤマガラが室内に入ってきて、バードハウスを探すのに驚かされたり、冬季になると天
然記念物のヤマネが室内のバードハウスを出入りしていました。当時私は外資系企業の社長として多忙な生活を送っていました。「洞結節不全症候群による心臓機能障害」により、ペースメーカーを装填する一級の身体障害者である私にとって、バードハウスは癒しそのものでした。
私の自宅は東京郊外、中央線国立駅から徒歩15分ほどの場所にあります。50年ほど前、この辺は桑畑だったそうですが、今でも毎日のように新しい家が建てられ、昔の武蔵野の面影はありません。然し、鎮守の森の「村社」だった神社には野生化したワカケホンセイインコの大群が棲むなど、多少自然が残っています。
ダイニングルームには、ヴェンチューリさんから贈られたバードハウス型の鳩時計、グァスメイ、シーゲルさんから頂いたバードハウスが、ミースのバルセロナ・チェアと一緒に楽しい雰囲気をかもし出します。
ダイニングルームの正面にはフローレンス・ノールのデザインしたキャビネットがありますが、これが我が家の床の間といえる空間で、季節に応じて置物を変えます。この写真は、ブルーバード保護の、ネブラスカ州政府系非営利組織NABSのエノさんから贈られたブルーバードのバードハウスです。
椅子も腰掛けるだけでなく置き台として使用します。ヴェンチューリさんのデザインした椅子も不思議にバードハウスとマッチします。書斎の本箱にもバードハウスを飾ります。
温室の棚も、バードハウスを飾ることにより一段と楽しい雰囲気となります。使い古されたバードハウスも、置く場所を変えることによって新鮮な喜びを与えてくれます。