Daidougei-Ajia-Geppou  ・発行・浅草雑芸団                       通巻276号 毎月1回発行    2014年11月1日発行

http://www.k4.dion.ne.jp/~daiajia                                 郵便振替=00100−3−749814  名義「上島敏昭」

■大道芸案内

主な大道芸スポット(土・日・祝日など、通年大道芸が見られるポイント)

■大阪・天保山海遊館広場    ■お台場・デックス東京ビーチ■クインズスクエア横浜at! www.studioeggs.com   ■名古屋・大須ふれあい広場

■ヨコハマ大道芸(山下公園、グランモール公園、ジャックモール)http://daidogei.jp/event 

■東京都ヘブンアーティストwww.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/   ■大阪パフォーマーライセンス http://www.osaka-performer.com/   

■江ノ島大道芸http://www.fujisawa-kanko.jp/alacarte.html   ■南町田グランベリーモールhttp://www.grandberrymall.com

■しずおか大道芸の街http://shimarukai.org/

★今月の大道芸公演

△亀戸大道芸    ○亀戸駅前歩行者天国

  11月2(日)

△大道芸ワールドカップin 静岡   http://www.daidogei.com/     ○静岡市・駿府公園ほか

  1031(金)〜11月3(月・祝)※1030日に前夜祭

  日本最大の大道芸大会。浅草雑芸団のフェイスペインター★ミホウが初出演。

△にぎわい爆発!あつぎ国際大道芸2014   ○本厚木駅前広場、厚木公園、ほか

  11月8(土)9(日)

△新宿花園神社・みせもの      ○新宿・花園神社

  11月9(日)・10(月)/21(金)・22(土)※9日、21日は前夜祭

△「大道芸を審査するとはどういうことか?」    ○古書かふぇ「くしゃまんべ」(北区豊島1-7-6

  11月14(金)1900より(1800入場開始)

  出演・上島敏昭(ヘブンアーティストの現在までの経過と現状報告。今後どうあるべきかを考える) ゲスト・西田敬一

  1000(ワンドリンク別)

  予約・問合せ・ http://ryodan.com/kmb/j_index.html  

△見世物学会総会 見世物と土方巽   ○慶應義塾大学 北館ホール

  11月15(土)1330より「第一部・越境する芸能 見世物」 

1550より「第二部・見世物と舞踏・演劇」

入場無料(資料代として¥1000

問合せ・電話0286256888(文星芸術大学CGアニメーション研究室・細田

△第7回姫路大道芸フェスティバル  http://denpakudo.jp/street-performance/  

○大手前公園・大手前通り、キャッスルガーデンほか

  ●11月15(土) 10001800

△沼津街中大道芸フェスタ  http://www.project428.net/#!untitled/c7z4  

  11月21(土)・22(日)

 

若林正の

食って極楽!

  理想の朝飯

       新潟市「旧庄屋佐藤家」

 

  10月の新潟市岩室温泉・巻多加良まつりの巡業では市内福井「旧庄屋佐藤家」に宿泊した。ここはほとんど廃屋同然となっていた古民家を修復し、保存会組織で、地域活動や講演会などを行っている。

 その一つに「朝食を食べる会」というのがあり、もう十数年つづいているという。毎日曜の朝、まず近くの畑で作業して、野菜などを収穫し、それを使用して朝食を作って食べるという会で、我々が宿泊した朝もその当日で、御裾分けをいただいた。お礼は¥300。一汁一菜の簡単な食事ということだったが、お釜で炊いた絶品ご飯に、鶏つくね入り具だくさんの味噌汁、地元野菜のお漬け物、それにジャガイモの炒めものという内容。

 以前、この民家の囲炉裏で日本一のおにぎり「けんさ焼き」をいただいて感激したが今回はお米が新米じゃなくて申し訳ない、とのことだが、いやいやそのんまいこと!野菜も味噌も風味が濃くて、いくらでもいけます。デザートに、自家製ヨーグルトに手作りイチジクジャムまで出していただき、正に完全無敵パーフェクトな朝飯であった。

又ここの囲炉裏端で「けんさ焼き」が食べたい度=∞ワカ

 

大道芸・見たり・聞いたり・演じたり  

☆その276

唐辛子売り−伊勢丹と名古屋大須            上島敏昭 

 

●新宿伊勢丹の内藤とうがらし

  2009年に始まった「内藤とうがらしプロジェクト」が、しだいに活動がひろがり、今年は新宿の老舗デパート「伊勢丹」に101日から7日の一週間、出店するまでに成長した。わたしもこの間、デパートに通って「七味とうがらし売り」として働いた。

 内藤とうがらしというのは、明治の初めごろまで東京の新宿界隈でさかんに栽培されていた唐辛子で、江戸時代から当地の名産品として名高かった。同プロジェクトはこれを復活しようという試みで、いわゆる地域おこしである。地域おこしというと、汽車も通らない漁村・農村を想像するが、大都市も同様で、都市空洞化などともいわれ、その対策に頭を痛めている点では、農漁村とちっとも変わらない。

東京・新宿の場合、かつての名産品、唐辛子に白羽の矢が立った。最初は、各家でプランター栽培しようという、都市緑化のようなところから始まった。もっとも鑑賞して楽しむだけではなく、野菜でもあるので、これを活かす方法を模作して、料理を考えたり料理教室を開いたりもした。さらに地域の食堂や店舗などは唐辛子料理を提供するようになり、ついにこれを使用した新しいソーセージやドレッシングなどの新たな加工品も開発されてきた。

そして昨年、都内の一般農家も栽培に乗り出し、正式に「江戸東京伝統野菜」の仲間入りをはたした。伊勢丹での催しはそのお披露目のようなものになる。本当は、新宿御苑でも大々的にお披露目の予定だったが、デング熱騒動で休園したのは残念だった。

 

●名古屋・大須の七味唐辛子売り

 ところで、江戸時代、この内藤とうがらしが有名だったのは、七味唐辛子の材量に使われていたからで、その売り口上のなかに「つぎに入れますのは、江戸内藤新宿、八房の焼き唐辛子」と名前が出ている。そして唐辛子が栽培されなくなっても、その言葉だけは生きていた。2009年に浅草雑芸団が木馬亭で「物売り口上の魂」公演を行ったとき、この七味唐辛子口上を披露したところ、新宿在住のお客さん「内藤とうがらしプロジェクト」の存在を教えてくれて、それが縁となって仲間に入れていただいた。

 さらにこの年、名古屋の「大須大道町人まつり」から七味唐辛子売りをやってほしいと依頼を受けた。名古屋の大道町人まつりは、1978年から毎年行われている大道芸大会で、最初のころは坂野比呂志先生も出演していたし、人間ポンプの安田里美さんも長く出演していた。

 

 最近の大道芸大会は、ほとんどがジャグリングやパントマイムなどの洋風芸だが、この大道芸大会は洋風芸が一般化する以前に始まっているので、日本の口上芸なども出演する。七味唐辛子売りは、飴細工、家相見とならぶ日本の伝統芸として毎年出演して、大須の名物となっていた。

 ところがこの年、開催直前になって毎年出演していた唐辛子売りの某氏が亡くなった。そのピンチヒッターを探しているとき、安田興行の安田春子さんが私のことを思い出し、電話をくれたのがきっかけで出演が決まった。 

木馬亭では七味唐辛子口上は披露したものの、ほんとうに「売る」となると、簡単にはいかない。七味唐辛子の材量(唐辛子や黒ゴマ、みかんの粉など)は、なんとか買い揃えたものの、テントや飾り幕などの外装、内装、あるいは照明などについては何もわからない。結局、安田春子さんと見世物学会の坂入尚文さんに相談して、ともかく「七味唐辛子売り」らしくみえるようには設えを作って出演した。いろいろな反省点はあったものの、最終日には「来年もおねがいします」と言っていただいて、胸をなでおろした。

 その翌年も出演させてもらったが、その際、前年の反省のもとにいくつかの改善を行った。最大の改善点は、唐辛子を日本産の内藤とうがらしと同種の八房種に変更したこと。いろいろな手を尽くして、福岡県産の八房唐辛子を手に入れ、これを粉末にして焼き上げて材料にした。自分で焼いた唐辛子を入れた七味を作ってみて、わたしがそれまで調合していたものとのあまりの違いにびっくりした。もっとも材料費は格段に高くなった。

 その翌年、山梨県身延町の農家Sさんが八房唐辛子を作ってくれることになり、これを安値で貰い受け、自分で乾燥作業からおこなうことで、だいぶ経費を削減できた。

 そのころから内藤とうがらしプロジェクトの催しに出ることが多くなった。手持ちの八房種がなくなると、プロジェクトから分けてもらったり、都内産のゴマを使わせてもらったりもした。今年は、山梨の八房の収穫が遅れて大慌てだったが、逆に東京での収穫量が増えたので、それをまわしてもらい、急場を切り抜けた。

 大須大道町人まつりでの「七味唐辛子売り」も6年目となって、顔なじみのお客さんも増えてきた。いずれにしても、私の七味は、本当の「八房の焼き唐辛子」を使用しているのが特徴で、それをわかって買ってもらえたらうれしい。口上というのはそのための方法で、けして面白いだけのもではないように思う。