Daidougei-Ajia-Geppou  ・発行・浅草雑芸団                          通巻295号 毎月1回発行    2016年6月1日発行

http://www.k4.dion.ne.jp/~daiajia                                      郵便振替=00100−3−749814  名義「上島敏昭」

■大道芸案内

主な大道芸スポット(土・日・祝日など、通年大道芸が見られるポイント)

■大阪・天保山海遊館広場    ■お台場・デックス東京ビーチ■クインズスクエア横浜at! www.studioeggs.com   ■名古屋・大須ふれあい広場

■ヨコハマ大道芸(山下公園、グランモール公園、ジャックモール)http://daidogei.jp/event 

■東京都ヘブンアーティストwww.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/   ■大阪パフォーマーライセンス http://www.osaka-performer.com/   

■江ノ島大道芸http://www.fujisawa-kanko.jp/alacarte.html   ■南町田グランベリーモールhttp://www.grandberrymall.com

■しずおか大道芸の街http://shimarukai.org/

★お知らせ

 浅草雑芸団・恒例7月の浅草木馬亭公演 7月8日(金)1830開演

「言霊(ことだま)まつり 〜祝言・まじないと言葉あそびの世界」7月8日(金)、ゲストに伊勢万歳師・村田清光師とその社中をお迎えして

★今月の大道芸公演

△おかげ横丁 夏まつり大道芸  http://www.okageyokocho.co.jp/sp/event.php?no=20150429175025  ○伊勢市内宮前おかげ横丁

  6月3(金)〜5(日)

 石原耕、柳家三亀司、ももっち、筑豊大介、前田とも、豊来家板里、しげきひろし、上条充、ほか

△とおがった大道芸2016  http://www.zao-machi.com/3764   ○宮城県蔵王町遠刈田温泉

  6月4(土)1800より ふるさと文化会館ばおざいんホール

    5(日)9301500 遠刈田温泉「蔵王通り」

△六区ストリート彫像祭 http://ameblo.jp/asakusapp/   ○浅草六区通り

  6月4(土)5(日)

△第4回両国パフォーマンス学会 http://www.nidyumaru.com/meeting4 ○両国門天ホール

  6月11(土)1500開演

  聴講者は¥2000(発表者は¥1000)

△アリオ鷲宮大道芸グランプリ春大会その2 http://www.nidyumaru.com/  ○アリオ鷲宮

  6月18(土)1300より

  ぼくゆうたろう、バルーンパフォーマーMAY

△亀戸大道芸 https://www.facebook.com/kameidodaidougei  ○亀戸駅北口

  6月19(日)

△やなぎみわステージトレーラープロジェクト「日輪の翼」 www.kaat.jp   ○横浜赤レンガ倉庫イベント広場

  6月24(金)〜26(日)1830開演(1800開場)

  原作:中上健次、演出・美術:やなぎみわ、音楽監督:巻上公一

  前売り¥4000、当日¥4500、U24¥2000、シルバー¥3500、高校生以下¥1000

  チケットかながわ☎0570−015−0415

△だい・どん・でん! In summer http://www.daidonden.com/  札幌市サッポロホコテン内

  ●7月2(土)3(日)

△亀戸大道芸 https://www.facebook.com/kameidodaidougei   ○亀戸駅北口

  7月3(日)

△横浜ボートシアター「恋に狂ひて」(説経「愛護の若」より) www.yokohama-boattheatre.org   ○神奈川芸術劇場大スタジオ

  7月1(金)〜10(日)(1日・4日・7日・8日は19時、2日・9日は13時と18時、3日は14時、6日は14時と19時、10日は14時)

  脚本・演出・人形・仮面:遠藤啄郎、語り:説経節政太夫

  前売り¥4000(当日¥4500)、ペア¥7000、U24¥3000

  横浜ボートシアター☎080−6737−5208、FAX03−3761−6358

△浅草雑芸団・木馬亭公演「言霊(ことだま)まつり」   ○浅草・木馬亭

  7月8(金)1830

  出演・伊勢万歳村田清光社中、浅草雑芸団、金子ざん、竹内正則、水樹、黒澤真、三上敏視、村上智子

  予約・前売り¥2500(当日¥3000)

  問合せ・予約☎&FAX03−3388−4348(カミジマ) ※留守電話対応となることがあります。

 

若林正の

食って極楽

がんばれ、町の学食!

〜「さくら水産」

以前書いたが、五百円で飯食い放題という学生食堂のようなさくら水産のランチだが、近頃若干変化が出てきた。先日久し振りに銀座のさくら水産に昼飯を食いに入ると、あれ?セルフサービス‼

前は席までトレイに載った定食が運ばれてきたが、今は自分で飯をよそい、味噌汁をつけて、卵と海苔を取るという順序で客は流れて行く。最後におかずを受け取り、定食の出来上がり。おかげで店員の大幅削減に成功、更に食べ放題の卵、海苔、漬物の置場所が、以前はカウンターやテーブルに何ヵ所も置かれていたのが、まとめて一ヶ所だけに。お代わりするときに何回もそこに足を運ぶのが面倒だが、多少は無駄に卵食べなくなったか?

更に前はあったふりかけもなくなってる。よく見るとお茶も水に変わってる。なるほど、コストカットだ。おかずについては、変わらず焼き魚や刺身の魚系とフライや炒め物の肉系の二種類から選ぶ。これはボリュームは以前と変わらず。

考えてみれば五百円で飯に汁、卵に海苔と漬物食い放題はなかなか大変だろう。多少は大目に見るとしよう

○まだまだお世話になる度=6ワカ

 

大道芸・見たり・聞いたり・演じたり

☆その295

川端康成コレクション展

上島敏昭

 

 先月号で「横井弘三展」(練馬区立美術館)について書いたところ、軽演劇研究の原健太郎さんからお便りをいただき、東京ステーションギャラリーで開催されている「川端康成コレクション 伝統とモダニズム」(619日まで)について知らせてくださった。原さんも一文寄せておられるパンフレットのコピーも同封されており、そこには、「熊娘」をはじめとするいくつかの見世物小屋のチラシも掲載されていた! これは行かきゃなりません。

川端康成と見世物・・・なんで? 川端=「雪国」「伊豆の踊り子」と思いきや、昭和初年に書いた「浅草紅団」は、これらとは全く異質な小説だ。初めて読んだ時はびっくりした。実験的で先鋭的、別のいい方をすれば暴力的で粗雑で、語りの主体もよくわからない。主人公は浅草の不良少年少女で紅団という劇団を組織しているらしい。当時の浅草風俗をそのまま描いた新聞小説で、大評判になったという。水族館劇場のレビュー一座「カジノフォーリー」は、この小説に描かれたことで人気となり、後に喜劇王と呼ばれることになる榎本健一(エノケン)が世に出るきっかけともなった。要するに、昭和初年の浅草の芸能世界を知るために、川端康成ははずせないのである。

川上澄生〈カジノフォーリー〉

初めて知ったことだが、川端は大変な美術蒐集家で、今回、所蔵の国宝が3点展示されていた。東山魁夷は当たり前として、ルノアール、ピカソ、ロダンの彫刻もある。ただし今展示の芯は、初恋の女性からの10通ほどの手紙で、このノーベル賞作家を研究する好材料満載のぜいたくな展示である。

さて、問題の浅草の見世物関係だが、パンフレットにあった「熊娘」をはじめ、「腹に口のある男」、「地獄極楽」、それに江川大盛館などで演じられていた演芸のチラシが十数枚、そしてもちろんカジノフォーリーのパンフも十枚以上並んでいた。益田隆・梅園龍子舞踊公演のチラシもあった。益田隆さんとはお目にかかったことがある。そう考えると、そんなに古い時代のことでもないのだ。

しかし、こんなチラシをよく保存しておいたものだ。こういう類の紙類は用が済んだらたいがいは捨ててしまう。私など、大道芸大会に行ってパンフレットを買ったり、もらったりしても、家に帰ると適当に始末している。性格によるのかもしれないが、川端にとって浅草はやはり特別な場所だったのだろう。

家にもどって、改めて「浅草紅団」を読み直した。なんと、「熊娘」の見世物も「腹に口のある男」も登場していた。

小説には金林花というレビューの美少女を、新宿まで見に行ったらその隣の小屋に「熊娘」が出ていたとある。

このチラシには「新宿追分布袋屋前」とあるから、事実がそのまま小説に書かれている。また「腹に口のある男」は、チラシには「木馬館階上に於いて」とあり、「天下にタッタ独りしかない/顔の口ではしゃべるだけ腹の口で稼いでいる」との惹句がある。小説でもこの通りの引用をしているし、少女万歳が余興に出演しているというのもチラシのままである。

貴重なのは、見物は舞台のかぶりつきに3列だけベンチがあり、その後ろは板の間だったという、見世物小屋時代の、木馬館客席の描写だ。こんなこと記録に残っていない。さらに、その板の間には「蝉、甲虫、蝶、蜂なぞ、ほこりだらけの標本のガラス箱」が並んでいたとある。いまの木馬館は大正から昭和初年には「昆虫館」のあった場所にある。隣がカジノフォーリーのある「水族館」だ。その昆虫館が「木馬館」に変わったのが昭和4〜5年。このチラシを見ると既に「木馬館」とあるものの、まだ「昆虫館」の名残も残っていたらしい。うここまでテキトーだと、笑わってしまう。

ところで、浅草と見世物についての資料を見ながら思い浮かんだのは、江戸川乱歩である。エロ、グロ、そして猟奇。それは「雪国」の世界の対極にある。しかし「浅草紅団」を読み直すと、案外、この小説は乱歩の世界にも通ずる。少なくとも、そのころ両者は近いところにいた。たぶん二人とも同時期に浅草の路地を徘徊していた。もし二人が路地で顔を合わせていたら・・・と想像するのもおもしろい。