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「汽車のえほん」と「きかんしゃトーマス」
きかんしゃトーマス(Thomas and Friends)は、ウィルバート・オードリー牧師が文章を執筆した絵本シリーズ「汽車のえほん」をベースに1984年から2009年までイギリスで制作されたミニチュア・ワークを取り入れた幼児向けの人形劇テレビ番組です。2002年ごろまでは、「Thomas the Tank Engine and Friends」を正式なタイトルとしていました。日本語版は、はじめから「きかんしゃトーマス」のタイトルです。2010年から同題のCGアニメーションのテレビシリーズが始まっていますが、ここではその話題は扱いません。
はじめに申し上げたいのは、「きかんしゃトーマス」も「がんばれタッグス」もアニメーション作品ではない、と云う事です。最近、日本の公式サイトでもモデル・アニメーションと呼んでいますが、間違いです。アニメーションは、本来はコマ撮りを使ってすこしづつ違う画像を撮影したものを連続して再生し動きを作り出す技法です。セル画を使うのがセルアニメですね。モデル・アニメーション(あるいはストップモーション・アニメーション)作品は絵のかわりにミニュチュアなどをすこしづつコマ撮りして作るものです。トーマスやタッグスの場合、一部に効果としてアニメーションを使用していますが、基本的には動画撮影をしていますので、絶対にアニメーションの範疇には属さない事になります。繰り返しますが、コマ撮による動きの創出を行っていないので、モデル・アニメーションもしくはストップモーション・アニメーション作品に分類するのは間違いです。同じイギリスで作られた人形劇「サンダーバード」と同様の、ミニチュアワークを含む人形劇に分類するのが正しいようです。製作期間が長くなり制作費も掛かるため、近年新たに製作されるテレビシリーズはありませんでしたが、これまで継続してきた「きかんしゃトーマス」も終了してしまいました。
テレビシリーズと原作えほんの関係史
テレビシリーズ化まで
 本作以前に1953年BBCで鉄道模型を使用した映像化が試みられましたが、余りに不出来な内容で『The Sad Story Of Henry』1話を放送しただけで打切られました。その後も1973年には今ほど有名じゃなかった若きアンドルー・ロイド・ウェバーが中心になってミュージカル仕立てのセルアニメでテレビシリーズ化する企画が立てられましたが、イギリスで制作しても資本と主な市場はアメリカという計画に原作者オードリー牧師が反対して、立案2年後に計画は中止されました。
 1980年頃に原作の版権を持っていた出版社から、たった5万ポンドでトーマスのテレビ放映権が売却されました。買ったのは、この権利購入のために設立されたイギリスのTV番組制作会社ブリット・オールクロフト社(後にガレイン・トーマス社と社名変更)でした。(原作の全ての権利を完全に手中にするには1998年4月28日までかかりました。)実はそれ以前に、TV番組制作者のブリット・オールクロフト女史は、鉄道に関するドキュメンタリー番組の制作を通じて自分が幼い頃慣れ親しんだ「汽車のえほん」の作者のオードリー牧師と知り合いました。それをきっかけで「汽車のえほん」の映像化を思いつきオードリー牧師を説得して映像化の了承を得て自分の会社を興して準備していました。オードリー牧師とブリット・オールクロフト女史との関係は、はじめは良好だったようで、オードリー牧師は原作の続きに(当時26巻まで出版し休筆中)ちょうど息子のクリストファーさんが彼の息子(牧師の孫)の為に新ストーリーを暖めていたのを続刊に当てる事に決め。執筆・出版するように促し、映像化で多数必要になる原作を用意し始めました。
まだ試行錯誤していたテレビ第1シーズンの頃
 テレビシリーズ化にあたり映像化の方法をブリット・オールクロフト女史は検討しました。CGで動画処理や彩色できる今と違いアニメーションは大変に予算が必要と考えられていた時代なのでアニメーションによる映像化は諦めました。同様に模型を使うモデル・アニメーションも製作期間の長期化や制作費用から困難なのがわかっていました。そこで普通の映画の様に動画撮影するスタイルによる映像化を選びました。動画撮影なので同じように模型を使うモデル・アニメーションに比べれ早撮りでき予算も減らせると考えたのです。実際の撮影は、CMなどでミニチュア特撮を請け負っていたクリアウォーター社が担当し、クリアウォーター社の共同経営者の一人で「きかんしゃトーマス」の監督に就くことになるデヴィッド・ミットン氏らが実際に模型を使用した映像化の方法を考案しました。具体的には、メルクリン社製の1番ゲージの鉄道模型を原型を留めないまでに各キャラクターの形に改造した上、目の動きと発煙装置を無線操作するギミックを内蔵して機関車キャラクターのミニチュアモデルを作成します、これを遠隔操作で動かしながら、シーンに応じて何種類かの顔のマスクを交換して、普通の映画の様に動画撮影して映像化します。デヴィッド・ミットン氏は、有名なサンダーバードなどの特撮監督でイギリス特撮の第一人者デレク・メディングス氏の下で永年働いていた実績があり、ミニュチュアの動画撮影のノウハウを持ち、数々の撮影アイディアを繰り出し、当初から作品の完成度を高いものにする事に貢献しました。
 84年に最初の1シーズン全26話が制作されました。脚本はほぼ原作絵本をそのまま使用し、1話あたりは約4分30秒で製作されましたが、5巻の1話は象の映像化を嫌って飛ばしました。7巻の4話も映像化しやすく改変されています。まだ人間や動物の演出処理法を確立できていなかったようです。日本語版などではナレーター以外にキャラクター毎に声優を配していますが、オリジナルのイギリス版やアメリカ版では、元々原作絵本を朗読するような形の脚本をナレーターの独り語りで番組進行します。その重要なナレーターには、ブリット・オールクロフト女史が番組の話題づくりにと元ビートルズのメンバーだったリンゴ・スター氏に交渉して承諾されました。放映が始まると番組は大人気となり、教育者や評論家の評判も良く数々の賞を受けました。
テレビ第1シーズン:原作えほん 対照表
日本放送回 日本語タイトル 英語タイトル 脚本 原作巻・話 えほんタイトル
トーマスとゴードン Thomas & Gordon ウィルバート・オードリー 2・1 なまいきなトーマス
エドワードのおてがら Edward & Gordon ウィルバート・オードリー 1・1
1・2
エドワードのたのしい一日
いばりんぼうのゴードン
でてこいヘンリー The Sad Story Of Henry ウィルバート・オードリー 1・3 なさけないヘンリー
ヘンリーだいかつやく Edward, Gordon & Henry ウィルバート・オードリー 1・4 なかよしになった三だい
トーマスのしっぱい Thomas' Train ウィルバート・オードリー 2・2 あわてもののトーマス
トーマスのさいなん Thomas & The Trucks ウィルバート・オードリー 2・3 トーマスと貨車
ジェームスのだっせん Thomas & The Breakdown Train ウィルバート・オードリー 2・4 トーマスときゅうえん列車
ジェームスのあやまち James & The Coaches ウィルバート・オードリー 3・1
3・2
ジェームズとシルクハット
ジェームズとブーツのかわひも
やっかいなかしゃたち Troublesome Trucks ウィルバート・オードリー 3・3 ジェームズとわからずやの貨車
10 ジェームスのうれしいひ James & The Express ウィルバート・オードリー 3・4 急行をひいたジェームズ
11 とりのこされたしゃしょう Thomas & The Guard ウィルバート・オードリー 4・1 おいてきぼりにされたしゃしょう
12 トーマスとさかなつり Thomas Goes Fishing ウィルバート・オードリー 4・2 トーマスのさかなつり
13 トラクターのテレンス Thomas, Terence & The Snow ウィルバート・オードリー 4・3 トーマスとテランスとゆき
14 トーマスとバーティーのきょうそう Thomas & Bertie ウィルバート・オードリー 4・4 トーマスとバーティー
15 おおきなきかんしゃとてんしゃだい Tenders & Turntables ウィルバート・オードリー 5・2 ターンテーブルと炭水車
16 きかんこのもめごと Trouble In The Shed ウィルバート・オードリー 5・3 やっかいな三だいの機関車
17 パーシーにげだす Percy Runs Away ウィルバート・オードリー 5・4 いちもくさんのパーシー
18 ヘンリーのせきたん Coal ウィルバート・オードリー 6・1 ヘンリーと石炭
19 フライング・キッパー The Flying Kipper ウィルバート・オードリー 6・2 フライング・キッパーごう
20 きてきとクシャミ Whistles & Sneezes ウィルバート・オードリー 6・3
6・4
ゴードンのきてき
ヘンリーのくしゃみ
21 トビーとハットきょう Toby & The Stout Gentleman ウィルバート・オードリー 7・1 トービーとでっぷりしたしんし
22 トーマスとけいさつかん Thomas In Trouble ウィルバート・オードリー 7・2 トーマスのもめごと
23 きたないきかんしゃ Dirty Objects ウィルバート・オードリー 7・3 トービーとジェームズ
24 トーマスのクリスマス・パーティー Thomas' Christmas Party ウィルバート・オードリー 7・4
別巻
キンドリー夫人のクリスマス
Thomas' Christmas Party
25 ゴードンみぞにはまる Off The Rails ウィルバート・オードリー 8・1 ほりにはまったゴードン
26 あなにおちたトーマス Down The Mine ウィルバート・オードリー 8・3 ちんぼつしたトーマス
完成形に到達したテレビ第2シーズンの頃
 続けて86年に第2シーズンが制作されました、早くも原作が不足し、息子のクリストファーさんの執筆したテレビ化用原作を使いました。当時は出版されたエピソードのみ映像化できる契約だったので、最終回を含む5本のエピソードが出版されたばかりのクリストファーさんの書き下ろし新作から製作されました。ここまでの分はオードリー牧師とクリストファーさんの原作絵本を脚本代わりに忠実に映像化が行われましたが、撮影に手間がかかりそうなエピソードは、予算の都合もあって不採用にし、映像化しやすそうなエピソードを選んで撮影しました。
 ブリット・オールクロフト女史は、当初の番組の話題づくりには役立ってくれた、リンゴ・スター氏のナレーションを 番組が成功したのでこの第2シーズンの収録をもって降板してもらいました。
 また、実質的に「きかんしゃトーマス」の製作を手がけていたクリアウォーター社のもう一人の共同経営者であったロバート・カルドナ氏が、89年から90年にかけてのトーマスシリーズの製作休止期間に、「きかんしゃトーマス」の監督でもあるデヴィッド・ミットン氏と共に、トーマスシリーズの制作ノウハウを転用して「がんばれタッグス」を制作しました。作品は好評でしたが、クリアウォーター社は1シーズン13話を制作したしただけで謎の解散をしてしまいました。ブリット・オールクロフト女史は、デヴィッド・ミットン氏ら制作スタッフをブリット・オールクロフト社で引き受け、「きかんしゃトーマス」は直接自社製作の体制に変更され「がんばれタッグス」で使用した船のミニチュアや港のセットなどは、ブリット・オールクロフト社で「きかんしゃトーマス」の第3シーズン以降で使用しました。しかしロバート・カルドナ氏は、トーマスを離れカナダへ渡り子ども向けのテレビ制作の仕事に就きました。
テレビ第2シーズン:原作えほん 対照表
日本放送回 日本語タイトル 英語タイトル 脚本 原作巻・話 えほんタイトル
27 トーマスとパーシーとせきたん Thomas, Percy and the Coal クリストファー・オードリー 30 1 Thomas,Percy,and the Coal
28 せんろのうし Cows ウィルバート・オードリー 9・1 め牛だ!
29 おいかけるバーティー Bertie's Chase ウィルバート・オードリー 9・2 おいつけバーティー
30 いのちびろいしたトレバー Saved from Scrap ウィルバート・オードリー 9・3 たすかったトレバー
31 おんぼろエドワード Old Iron ウィルバート・オードリー 9・4 ふる鉄エドワード
32 トーマスのあたらしいともだち Thomas and Trevor クリストファー・オードリー Thomas and Trevor
33 パーシーとしんごう Percy & The Signal ウィルバート・オードリー 11・1 パーシーとしんごう
34 ダックしごとをもらう Duck Takes Charge ウィルバート・オードリー 11・2 パーシーとダック
35 パーシーとハロルド Percy and Harold ウィルバート・オードリー 11・3 パーシーとハロルド
36 こわれたブレーキ The Runaway クリストファー・オードリー 30・2 The Runaway
37 うみにおちたパーシー Percy Takes The Plunge ウィルバート・オードリー 12・1 パーシーのとびこみ
38 ディーゼルがやってきた Pop Goes The Diesel ウィルバート・オードリー 13・2 ディーゼル機関車ディーゼル
39 ディーゼルのわるだくみ Dirty Work ウィルバート・オードリー 13・3 ディーゼルのたくらみ
40 とこやにいったダック A Close Shave ウィルバート・オードリー 13・4 とこやへいったダック
41 おくれるのもわるくない Better Late Than Never クリストファー・オードリー 30・3 Better Late than Never
42 ふたごのきかんしゃ Breakvan ウィルバート・オードリー 15・1
15・3
ふたごの機関車
いじわるやのブレーキ車
43 みんなのだいひょう The Deputation ウィルバート・オードリー 15・4 みんなの代ひょう
44 トーマスあさごはんにおじゃま Thomas Comes to Breakfast ウィルバート・オードリー 16・1 トーマスの大しっぱい
45 きむずかしやのデイジー Daisy ウィルバート・オードリー 16・2 しんけいしつなデイジー
46 かしゃにのりあげたパーシー Percy's Predicament ウィルバート・オードリー 16・4 貨車にのりあげたパーシー
47 ふたごのビルとベン The Diseasel ウィルバート・オードリー 21・1 ビルとベン
48 しせんにはいったゴードン Wrong Road ウィルバート・オードリー 21・3 いのちびろいしたゴードン
49 がんばりやのエドワード Edward's Exploit ウィルバート・オードリー 21・4 エドワードのはなれわざ
50 ゆうれいきかんしゃ Ghost Train ウィルバート・オードリー 26・1 ゆうれい列車
51 けむしになったパーシー Woolly Bear ウィルバート・オードリー 26・2 け虫
52 きかんしゃたちのクリスマス・キャロル Thomas and the Missing Christmas Tree クリストファー・オードリー 別巻 Thomas and the Missing Christmas Tree
※幼児雑誌に初出か?、1988年のトーマス年刊に収録。
不足した原作をテレビオリジナルストーリーで補填し始めた第3シーズンの頃
 今後も続編を制作するとなると、クリストファーさんの新作を含めても原作が大量に不足するのは明らかでした。しかもクリストファーさんの新作は必ずしもテレビシリーズ側の望むストーリー展開をしていませんでした。そこで91年制作の第3シーズンでは、原作をベースに派生させたストーリーをテレビシリーズオリジナルエピソードとして、ブリット・オールクロフト女史とデヴィッド・ミットン氏が執筆しました。それらは幼児向け雑誌やファンブックに先行掲載して、出版されたエピソードのみ映像化できる契約条件を満たした上で放送されました。これらオリジナルストーリーの出来には、オードリー牧師とクリストファーさんは、矛盾点が多いこと、エピソードそのものが不自然な事など不満を述べられたようですが、視聴者には好評でした。演出上のエポックとして「あかはなのジェームス」の回で初めてセルアニメを使って蜂の表現が行われましたが、エピソードとしては人気が高いものの、表現上は違和感の残る作品、表現方法の選択ミスといわざるを得ないものになりました。
 第3シーズンから、ナレーターの交代を機に、アメリカ人の子どもにはイギリス人の語りが聞き取りにくかったために、米国版音声を別に制作する事になりました。ついでに第1・2シーズンも再放送時に新たにアメリカで新音声を製作して放送されるようになりました。その後に発売された第1・2シーズンの米国版のVHS・DVDも、基本的には再放送時の音声を収録しています。また、イギリス版のナレーションは、ハット卿のことを原作と同じように「ファット・コントローラー(ふとっちょのきょくちょう)」とよんでますが、アメリカの厳しい幼児向けの放送コードでは、「Fat(デブ)」が問題になる為の処置という事もあります。現在アメリカ版音声では、ファット・コントローラーが全てトップハム・ハット卿に言い換えられています。日本語版脚本では、最初からトップハム・ハット卿と呼んでいます。
テレビ第3シーズン:原作えほん 対照表
日本放送回 日本語タイトル 英語タイトル 脚本 原作巻・話 えほんタイトル
53 パーシーのマフラー A Scarf For Percy ウィルバート・オードリー 6・4 パーシーのマフラー
54 パーシーとこうずい Percy's Promise ウィルバート・オードリー 11・4 パーシとこう水
55 ほめられなかったジェームス Time For Trouble ウィルバート・オードリー 12・3 じゅうれん
56 ゴードンとゆうめいなきかんしゃ Gordon & The Famous Visitor ウィルバート・オードリー 13・1 こぶなし機関車
57 ドナルドのアヒル Donald's Duck ウィルバート・オードリー 24・1 ドナルドのあひる
58 トーマスとバーティーのてだすけ Thomas Gets Bumped ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
59 トーマスとパーシーとりゅう Thomas, Percy & The Dragon ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
60 ディーゼルがかえってきた Diesel Does It Again ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
61 ヘンリーのもり Henry's Forest ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
62 どろんこゴードン The Trouble With Mud ウィルバート・オードリー 8・2 かれ葉
63 イタズラはだめだよジェームス No Joke For James ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
64 おくれたゆうびんしゃ Thomas, Percy & The Post Train ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
65 しんじられるきかんしゃ Trust Thomas ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
66 いしきりばのメイビス Mavis ウィルバート・オードリー 26・3 ディーゼル機関車メイビス
67 トビーのつなわたり Toby's Tightrope ウィルバート・オードリー 26・4 トービーのつなわたり
68 トレバーとすてきなパーティー Edward, Trevor & The Really Useful Party ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
69 あかはなのジェームス Buzz,Buzz ウィルバート・オードリー 21・2 みつばちとジェームズ
70 うみをはしりたかったダック All at Sea ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
71 ビルとベンのけんか One Good Turn ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
72 たんすいしゃがほしい Tender Engines ウィルバート・オードリー 23・1 ヘンリーと炭水車
73 オリバーのだっしゅつ Escape ウィルバート・オードリー 23・3
23・4
大だっそう
小西部鉄道
74 ちょっとちがうよオリバー Oliver Owns up ウィルバート・オードリー 24・2 オリバーの大しっぱい
75 にかいだてバスのバルジー Bulgy ウィルバート・オードリー 24・4 ぶくぶくバルジー
76 やったねビルとベン Heroes ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
77 くだものれっしゃ Percy, James & the Fruitful Day ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
78 ぼうけんいっぱいのクリスマス Thomas & Percy's Christmas Adventure ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン
空欄は対応する原作が存在しません。
※14巻の1話「 あっ貨車が!」のストーリーを流用し、トーマスを主人公に改変した。
再び原作中心の制作に戻った第4シーズン。
 少しのブランクの後、95年の第4シーズンでは、オードリー牧師の原作の中で技術的・予算的に採用しなかった「高山鉄道・象・牛・女王陛下」のエピソードを遡って映像化しました。クリストファーさんの新作も少し採用して映像化。原作の無いテレビシリーズオリジナルの作品も一話製作されました。技術面では、小さな高山鉄道のミニチュアの製作は、今までの標準軌のミニチュアよりも一回り以上小さく、ミニチュアの技術が向上したことが伺えます。演出上では、動物がらみのエピソードで以前「あかはなのジェームス」で使ったセルアニメの表現を失敗と位置づけたようで、動かない人形を使って、カットと編集だけのあっさりとした演出で済ませるようになりました。このシーズンでオードリー牧師の原作は、当時の技術では映像化が極めて困難と思われる物(ラック式登山鉄道・15インチゲージ鉄道)を除き使い切ってしまいました。内容面で直接に原作絵本と関連するのは、この第4シーズンまでですが、原作絵本の処遇について関連があるので、もう1シーズン続けます。
テレビ第4シーズン:原作えほん 対照表
日本放送回 日本語タイトル 英語タイトル 脚本 原作巻・話 えほんタイトル
79 トンネルのなかのかいぶつ Henry & The Elephant ウィルバート・オードリー 5・1 ヘンリーとサーカスのぞう
80 じょおうへいかがやってくる Paint Pots & Queens ウィルバート・オードリー 8・4 ペンキとお召し列車
81 トーマスととくべつなてがみ Thomas & The Special Letter ウィルバート・オードリー 12・4 ふとっちょのきょくちょうの機関車たち
82 デイジーとおうしのめだま Bullseyes ウィルバート・オードリー 16・3 牛の目だまはもうたくさん
83 トードのめいあん Toad Stands By ウィルバート・オードリー 24・3 トードのてだすけ
84 さかなにはきをつけろ Fish クリストファー・オードリー 27・3 Fish
85 ちょっとしたみもの Special Attraction クリストファー・オードリー 32・3 Bulstrode
86 ゆうびんやとバン Mind That Bike クリストファー・オードリー 27・2 Mind that Bike
87 ガミガミじいさん Granpuff ウィルバート・オードリーとブリット・オールクロフトとデビット・ミットン 25・1 おじいちゃんポッポ
88 ねむりひめをさがせ Sleeping Beauty ウィルバート・オードリーとブリット・オールクロフトとデビット・ミットン 25・4 ねむれる森の機関車
89 ブルドッグ Bulldog ウィルバート・オードリーとブリット・オールクロフトとデビット・ミットン 25・2 デュークとフォールコン
90 かちめなし You Can't Win ウィルバート・オードリー 25・3 デュークとスチュアート
91 がんばりやのスカーロイ Four Little Engines ウィルバート・オードリー 10・1
10・4
スカーロイのたのしかった日々
スカーロイのかつやく
92 わがままなきかんしゃ A Bad Day For Sir Handel ウィルバート・オードリー 10・2 機関車サー・ハンドル
93 からかわれたピーター・サム Peter Sam & The Refreshment Lady ウィルバート・オードリー 10・3 ピーター・サムとばいてんのおばさん
94 サー・ハンデルのけびょう Trucks ウィルバート・オードリー 14・1 あっ貨車が!
95 なつかしのわがや Home At Last ウィルバート・オードリー 14・2 かえってきたスカーローイ
96 ロックンロール Rock'n' Roll ウィルバート・オードリー 14・3 ダンカンのロックンロール
97 とくせいのえんとつ Special Funnel ウィルバート・オードリー 17・1 とくせいのえんとつ
98 スチームローラー Steamroller ウィルバート・オードリー 17・2 じょうきローラー
99 ボディーをみがいて Passengers & Polish ウィルバート・オードリー 17・3 ふへいやダンカン
100 ゆうかんなきかんしゃ Gallant Old Engine ウィルバート・オードリー 17・4 ゆうかんな機関車
101 ブルーベルれっしゃ Rusty To The Rescue ブリット・オールクロフトとデビット・ミットン 第4シーズン唯一のTVオリジナルエピソード、いろいろ物議を醸した件は海外サイトの記事を参照。
102 トーマスとステップニー Thomas & Stepney ウィルバート・オードリー 18・1
18・2
ブルーベル鉄道のステップニステップニーりんじ列車をひく
103 ディーゼルとぼうし Bowled Out ウィルバート・オードリー 18・4 ゆうかんな機関車
104 しあいちゅうだん Train Stops Play ウィルバート・オードリー 18・3 ステップニーとクリケットのしあい
空欄は対応する原作が存在しません。
オードリー牧師の死去後の第5シーズン。
 97年にオードリー牧師が亡くなりました、全ての権利がブリット・オールクロフト社に渡り、98年の第5シーズンからは完全なオリジナル・ストーリーが制作出来るように契約も変更されました。原作に登場しないキャラクターが次々と創造されました。ブリット・オールクロフト社は、原作絵本の代わりにテレビシリーズから作った写真絵本を多種類にわたり出版しました。キャラクターの増加で関連玩具のバリエーションも増やしていきました。代わりにブリット・オールクロフト社は、原作絵本の流通をコントロールして品薄状態にし、積極的には子どもたちに売らない様にしました。一方で主に大人が購入する大判の全巻合本と高価な全巻BOXは普通に流通させていました。テレビシリーズを見てくれている子どもたちの混乱を避ける為にそうしたらしいです。さらに巻を追う毎に映像作品と乖離しテレビシリーズの原作には使用しづらくなったうえに、巻を追う毎に売り上げが低迷してきたクリストファーさんの新作の刊行を 40巻で打ち切りました。さらに既刊分を全て絶版にしてしまいました。これらの処置は、原作絵本が既に子どもたちに対する役目を終えていると判断していた事を示しています。テレビシリーズのキャラクターとしてのトーマスの同一性を保つために、原作のトーマスには勇退してもらおうとした訳です。
 しかし原作は原作・テレビはテレビと分けて理解できるファンには、これは受け入れがたい処置でした。こうして暫くの間、原作にしかない味わいというか、原作だけの雰囲気をテレビシリーズとは切り離して楽しむ機会が得られにくい環境になりました。特にクリストファーさんの執筆分は古書価が高騰してコレクターズアイテム化してしまいました。
テレビ第5シーズンからは、一部の例外を除きテレビオリジナルエピソードなので原作対照表は、ありません。

全40巻に含まれない3冊の番外編絵本
テレビシリーズに合わせて、原作絵本以外にも幼児向けに原作者自身が執筆した絵本が3冊刊行されました。
左・奥
Thomas' Christmas Party (Railway)
1984年刊、人形劇の24話をベースに、オードリー牧師自身がリライト。ウィルバート・オードリー作品唯一のクライブ・スポングによる挿絵。



Thomas and the Missing Christmas Tree
1986年刊の第2シーズン最終話


左・手前
Thomas and the Evil Diesel
1987年刊

製作会社が買収された第6シーズン以後。
 ブリット・オールクロフト社は、トーマスのビジネスで得た利益でギネス・ワールド・レコード社を買収したり、アメリカにトーマスのテーマパーク建設の計画を発表したり(未着工)、2000年にはトーマスたちとハリウッドの役者が競演する劇場用長編を製作したりして、最盛期を迎えました。しかし大量の資金を投じた映画が興行的な成果が十分上がらず、ブリット・オールクロフト女史は社長の地位を辞任、社名をガレン(トーマス)社に改めました。ほどなくガレン(トーマス)社はヒット・エンタティンメント社に買収されました。ヒット(ンソン・ンターナショナル・レビジョン)・エンタティンメント社は、セサミストリートなどで有名なジム・ヘンソンの流れを継ぐ製作会社ですが、ヘンソンの死後グループを離脱し独自のビジネス展開をしていました。ライバル会社を買収し既にある程度人気のあるキャラクターを手に入れて、もっと売り上げが出るようにさらにキャラクターを育てる手法を得意にしていてトーマスにも目を付けていたようです。当時既にガレイン(トーマス)社以外にも何社か買収されています。ブリット・オールクロフト女史は社長の地位を追われても製作中の第6シーズン完成までは社内に留まっていたらしいのですが、程なく退社してトーマスの製作から離れていきました。第7シーズンまでは残った旧スタッフがそのまま製作を続けました。
 2005年制作、日本での放送は2006年の第8シーズンからはヒット・エンタティンメント社のコントロールで、スタッフも多数入れ替えが行われ新体制での製作になりました。第1シーズンから長年にわたり監督を勤められたデビット・ミットン氏も、トーマスの制作から離れました。音楽担当も交代されました。フィルム制作からビデオ制作に記録媒体も変わりました。まさに時代の流れの中で、トーマスのテレビシリーズも大きな変化をとげました。 
映像化作品のDVD(DVDの紹介ページもご覧ください)
海外のDVDは、日本国内用DVD再生機器では再生できません。
 また2005年は「さんだいのきかんしゃ」発表から60年を記念していろいろな行事が催され、長編第2作(ビデオ制作で劇場公開無)の発売や、日本でのミュージカル公開、原語版の原作絵本のバラ売り版やBOXセットの改訂再版がされました。驚いたことにクリストファーさんの絵本も、原語版で一部ですが改訂再版されました。新権利者のヒット・エンタティンメント社の柔軟な対応に感謝したいと思います。海外での動きと連動して日本でも15巻まででは有りますが「汽車のえほん」が、改訂再版されました。でも改訂版は本国・日本双方で不評で、特にクリストファーさんの絵本はセールス的にもいい成績では有りませんでした。再びクリストファーさんの絵本の不遇時代に入るのかと思いきや、逆に不評の原因・悪いセールス結果は、不出来な改訂であるとクリストファーさんやファンから指摘され、出版社もそれを聞き入れて2007年8月に27巻から40巻まで元通りの装丁で再版する事になりました。さらに長らくお蔵入りしていた41巻が2007年9月に出版されました。ヒット・エンタティンメント社と出版社のエグムント社の対応の変化で、晴れてクリストファーさんの絵本が、再び購入できるようになって大変に嬉しく思います。日本語版も出して欲しいといったら欲張りすぎでしょうか?
ついに番組終了。
 類まれなる才能を持ったブリット・オールクロフト女史の熱意と、デヴィッド・ミットン氏を代表に優秀なスタッフの力で、「きかんしゃトーマス」は絵本を飛び出して、テレビの世界的人気キャラクターになりました。それを受け継いだヒット・エンタティンメント社のスタッフも負けず劣らずの力で「きかんしゃトーマス」を育てて製作してきました。大変素晴らしいことです。セル・アニメ以外の子ども向け作品で、これだけ長寿作品なのは珍しい存在でしょう。しかし近年、制作費が掛かる割には儲からない筈だった幼児番組に革命が生じました。CGで安価に製作できる体制が整ってきたのです。制作費の低下でテレビ局や玩具会社などが直接幼児番組を手がけるようになったのです。ライバル会社を買収してキャラクター商品を被らない様に玩具会社などのマーチャンダイジングを多面的にコントロールして利益を確保してきたヒット社の手法が通用しない状況が到来しました。CG製作の類似番組というライバルの出現でトーマスの様な手の込んだミニュチュア・ワークによる製作技法は、制作費の高騰と量産に対応できない事から続けられなくなりました。そして2009年には残念なことですが、これまでのような形での番組制作は終了しました。撮影に使われたミニュチュアの一部は、イギリスのトーマス・ランド内に展示されています。(2010年からCG版「きかんしゃトーマス」が継続されていますが、当サイトでは掲示板以外では基本的に扱いません。)
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