静謐の森 - ドゥーム / ストーナー / スラッジ・コアのアルバム・レビュー

静謐の森 - ドゥーム / ストーナー / スラッジ・コアのアルバム・レビュー
Forest Of Tranquilness

Doom / Stoner / Sludge-Core Rock Site

ディスコグラフィ

Cathedral

「In Memorium」  1994年 (1999年) ミニ・アルバム (1990年録音のデモ作品)
「Forest Of Equilibrium」  1991年 1st アルバム
「Soul Sacrifice」  1992年 ミニ・アルバム
「The Ethereal Mirror」  1993年 2nd アルバム
「Cosmic Requiem」  1994年 ミニ・アルバム
「Statik Majik」  1994年 (1999年) ミニ・アルバム
「Cosmic Funeral」  1995年 非公式ライヴ・アルバム
「The Carnival Bizarre」  1995年 3rd アルバム
「Hopkins ( The Witchfinder General )」  1995年 ミニ・アルバム
「Supernatural Birth Machine」  1996年 4th アルバム
「Black Birth Machine」  1997年 非公式ライヴ・アルバム
「Our God Has Landed: Live In Tokyo」  1998年 ライヴ・ビデオ
「Caravan Beyond Redemption」  1998年 5th アルバム
「Voodoo Caravan」  1999年 非公式ライヴ・アルバム
「Endtyme」  2001年 6th アルバム
「Gargoylian」  2001年 シングル
「Our God Has Landed」  2001年 ミュージック・ビデオ+ライヴDVD
「The VIIth Coming」  2002年 7th アルバム
「The Serpent's Gold」  2004年 ベスト+レア音源集
「The Garden Of Unearthly Delights」  2005年 8th アルバム
「The Guessing Game」  2010年 9th アルバム

Cathedral
In Memorium

Cathedral: In Memorium Cathedral: In Memoriam ・ ミニ・アルバム
・ Doom / Metal
・ 1994年 イギリス
・ Rise Above Records / RISE 8 MCD
・ 評価 09/10 ■■■■■■■■■□

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Adam Lehan ギター
Mark "Griff" Griffiths ベース  - Year Zero
Ben Mochrie ドラム
Cathedral プロデュース

01. Mourning Of A New Day  08' 00"
02. All Your Sins  05' 54"
03. Ebony Tears  08' 20"
04. March !  07' 02"
05. Commiserating The Celebrations ( Live ) *  09' 55"
06. Ebony Tears ( Live ) *  11' 13"
07. Neophytes For The Serpent Eve ( Live ) *  07' 53"
08. All Your Sins ( Live ) *  04' 56"
09. Mourning Of A New Day ( Live ) *  09' 01"

Total Running Time  72' 19"

1990年に録音されたデモ作品。現代ドゥームの旗手としてステータスを獲得した以後、1994年にリリースされた。1999年再発時にはアートワークを変更し、トラック5〜9の 「Commiserating The Celebration」、「Ebony Tears」、「Neophytes For The Serpent Eve」、「All Your Sins」、「Mourning Of A New Day」 といった最初期5曲のライヴ音源 (1991年のオランダ公演) がボーナスとしてつけくわえられている。第3曲 「Ebony Tears」 以外はアルバムおよびミニ・アルバムでも未収録で、本作でしか聴けない。全編にわたり、邪悪でカビくさい湿気につつまれたアンダーグラウンド臭をまき散らしながら牛歩進行する。リー・ドリアンの歌唱はデス声にちかい咆哮。ちなみにアルバム・タイトル 「In Memorium」 は、再発時に 「In Memoriam」 と一字ちがいとなっている。これはたんに、初発盤のスペルがまちがっていたのらしい。ご愛敬…。

Cathedral
Forest Of Equilibrium

Cathedral: Forest Of Equilibrium ・ 1st アルバム
・ Doom / Metal
・ 1991年 イギリス
・ Toy's Factory Records / TFCK-88570
・ 評価 10+/10 ■■■■■■■■■■ 必聴盤

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Adam Lehan ギター
Mark "Griff" Griffiths ベース  - Year Zero
Mike Smail ドラム  - Dream Death - Penance - Internal Void - Pentagram
Cathedral プロデュース

01. Picture Of Beauty & Innocence ( Intro ) / Comiserating The Celebration  11' 14"
02. Ebony Tears  07' 45"
03. Serpent Eve  07' 38"
04. Soul Sacrifice  02' 55"
05. A Funeral Request  09' 15"
06. Equilibrium  06' 07"
07. Reaching Happiness Touching Pain  09' 07"

Total Running Time  54' 04"

アンダーグラウンド界に衝撃をもたらしたファースト・アルバム。あきらかに聴き手を限定するサウンドながら、独特の邪気を発し、徹底した遅重ドゥームを展開する本作をバンドの最高傑作とみなすファンは多い。デモ音源を録音したドラマーのベン・モックリー Ben Mochrie が脱退し、Penance のマイク・スマイルに、アルバム録音のみというかたちで助力を頼むことになった。アルバム全体の導入をなす第1曲で、あやしげでもの悲しいフルート・ソロをフィーチュア。まだ人の踏みいれたことのない深い森、あるいは中世的な異世界へリスナーを誘いこむ好イントロだ。印象ぶかい佳作多し。第4曲 「Soul Sacrifice」 と第5曲 「A Funeral Request」 はのちに再録され、バンド飛躍のきっかけをなした曲。第7曲 「Reaching Happiness Touching Pain」 の哀切な響きは現代ドゥームの白眉。デイヴ・パチェット Dave Patchett によるジャケット絵も秀逸。

Cathedral
Soul Sacrifice

Cathedral: Soul Sacrifice ・ ミニ・アルバム
・ Doom / Metal
・ 1992年 イギリス
・ Earache Records / CK 53149
・ 評価 10/10 ■■■■■■■■■■

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Adam Lehan ギター
Mark "Griff" Griffiths ベース  - Year Zero
Mark Ramsay Wharton ドラム
Cathedral プロデュース

01. Soul Sacrifice  04' 35"
02. Autumn Twilight  05' 50"
03. Frozen Rapture  06' 12"
04. Golden Blood ( Flooding )  08' 09"

Total Running Time  24' 46"

圧殺遅重ドゥーム路線から一転してアグレッシヴで、叙情性にみちたドゥーム・メタルに舵を切った。出世作となるセカンド・アルバム 「The Ethereal Mirror」 (1993年) を予感させるミニ・アルバムとなっている。サウンド・プロダクションは大幅に変化。とくに新メンバーのマーク・ラムゼイ・ワートンのたたくドラムは重量感があり、よりカッチリとしたヘヴィ・メタル感が出た。ツイン・ギターらしさも生かされている。リー・ドリアンの歌にも変化がみられ、押しつぶしていた低いデス声から、音域をあげて野太い咆哮、シャウト、吐きすてヴォーカルを聴かせるようになった。第1曲 「Soul Sacrifice」 のリメイクぶりがバンドの変化のすべてを物語っている。曲の出来もよく、このヴァージョンはアルバム未収録なので、バンドのかくれた名曲のひとつに数えあげられている。第2曲 「Autumn Twilight」 も初期の重要なレパートリーのひとつとなった。
参考 Cathedral 「Statik Magik」

Cathedral
The Ethereal Mirror

Cathedral: The Ethereal Mirror ・ 2nd アルバム
・ Doom / Metal
・ 1993年 イギリス
・ Toy's Factory Records / TFCK-88620
・ 評価 10+/10 ■■■■■■■■■■ 必聴盤

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター / ベース
Adam Lehan ギター
Mark Ramsay Wharton ドラム
Dave Bianco プロデュース

01. Violet Vortex ( Intro )  01' 55"
02. Ride  04' 47"
03. Enter The Worms  06' 05"
04. Midnight Mountain  04' 55"
05. Fountain Of Innocence  07' 13"
06. Grim Luxuria  04' 47"
07. Jaded Entity  07' 53"
08. Ashes You Leave  06' 22"
09. Phantasmagoria  08' 44"
10. Imprisoned In Flesh  01' 45"
11. Sky Lifter *  03' 27"
12. A Funeral Request 1993 *  07' 32"

Total Running Time  65' 28"
* Bonus Track

セカンド・アルバム、バンド最高傑作の1枚。核メンバーでベースのマーク・"グリフ"・グリフィス Mark "Griff" Griffiths が脱退、ギターのゲイリー・ジェニングスがベースを兼任した。これがぎゃくに功を奏し、鉄弦をふるわせながら躍動するベース・ラインが随所にあらわれる。音圧はパワーアップし、「Forest Of Equilibrium」 (1991年) の湿気をおびた圧死ドゥーム・サウンドを一蹴。メジャー感が出た。しかし独特な邪気や呪術性はうしなっておらず、地下世界から眼だけをのぞかせて地上を見わたしている感じだ。第2・4曲は名曲。後半の第7・8・9曲は頻繁なテンポ変化、多彩なリフ展開、複雑だが堅牢な構成美がすばらしいプログレッシヴなナンバー。部分どうしのつながりがスムーズ、かつ劇的であり、いまだに以後の作品群はこの構成レヴェルを越えられないでいる。アコースティックな第10曲も胸にせまる。まったく隙がない。

Cathedral
Cosmic Requiem

Cathedral: Cosmic Requiem ・ ミニ・アルバム
・ Doom / Metal
・ 1994年 イギリス
・ Earache Records / CK-64326
・ 評価 09/10 ■■■■■■■■■□

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター / ベース
Adam Lehan ギター
Mark Ramsay Wharton ドラム
Garry Jennings / Lee Dorrian / Paul Johnson プロデュース

01. Cosmic Funeral  07' 01"
02. Hypnos 164  05' 43"
03. A Funeral Request ( Rebirth )  07' 33"
04. The Voyage Of The Homeless Sapien  22' 41"

Total Running Time  43' 00"

力作がならんだ充実のミニ・アルバム。Cathedral にはミニ・アルバムにのみ収録された名曲が多い。第1曲は旋律美をそなえた印象的なリフをもつ名曲。第2曲はスピード感あふれるメタル・ナンバー。圧巻は、22分超のドゥーム幻想曲 「The Voyage Of The Homeless Sapien」 (第4曲) だ。全8部構成。複数のリフ、複数の曲調を並列的にならべただけであり、一曲としての展開やまとまりに欠けるきらいはないではない。しかし第1部の幻惑性にとんだ牧歌や、第4部のドゥーム・リフなど聴きどころは多く、なにより現代ドゥームの可能性を追求しようという心意気を買いたい。第3曲は、アルバム第2作 「The Ethereal Mirror」 (1993年) の日本盤ボーナス曲として収録。残り3曲はミニ・アルバム 「Statik Magik」 (1994年 / 1999年) にも完全収録されているので、デイヴ・パチェット Dave Patchett の絵にそれほど興味がないなら購入する必要なし。
参考 Cathedral 「Statik Magik」

Cathedral
Statik Majik

Cathedral: Statik Majik Cathedral: Statik Majik ・ ミニ・アルバム
・ Doom / Metal
・ 1994年 イギリス
・ Toy's Factory Records / TFCK-88682
・ 評価 10/10 ■■■■■■■■■■

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター / ベース
Adam Lehan ギター
Mark "Griff" Griffith ベース
Mark Ramsay Wharton ドラム

01. Midnight Mountain  04' 55"
02. Hypnos 164  05' 43"
03. Cosmic Funeral  07' 00"
04. The Voyage Of The Homeless Sapien  22' 42"
05. Autumn Twilight  05' 49"
06. Frozen Rapture  06' 07"
07. Golden Blood ( Flooding )  08' 11"
08. Grim Luxuria ( Live )  04' 50"
09. Sweet Leaf ( Live )  05' 41"

Total Running Time  75' 02"

既発のミニ・アルバム2作を1枚にまとめ、さらにライヴ音源をくわえた特別編集のミニ・アルバム。前半は名曲 「Midnight Mountain」 をリード・トラックにおいて、ミニ・アルバム 「Cosmic Requiem」 (1994年) から、アルバム第2作の日本盤ボーナス曲 「A Funeral Request」 をのぞく3曲を収録。後半はミニ・アルバム 「Soul Sacrifice」 (1992年) から、タイトル曲 「Soul Sacrifice」 をのぞく3曲がおさめられている。2曲のライヴ音源は、1993年8月3日にクラブ 「チッタ」 でおこなわれた日本公演からえらばれている。録音状態はよい。1999年に日本特別編集版として再発。若干のジャケット変更と、ライヴ音源がカットされたかわりに、名曲 「Soul Sacrifice」 が追加収録された。これはうれしい。曲順もふるい作品のほうからならべられており、22分超の第4曲が最後に配列されるなど、旧作の難点をおぎなっている。
参考 Cathedral 「Soul Sacrifice」
参考 Cathedral 「Cosmic Requiem」

Cathedral
Cosmic Funeral

Cathedral: Cosmic Funeral ・ 非公式ライヴ・アルバム
・ Doom / Metal
・ 1995年 イギリス
・ Kiss The Stone / KTS 390
・ 評価 07/10 ■■■■■■■□□□

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター

01. Enter The Worms  05' 47"
02. Autumn Twilight  05' 46"
03. Cosmic Funeral  05' 47"
04. Midnight Mountain  05' 26"
05. A Funeral Request  10' 01"
06. Ride  06' 12"

Total Running Time  39' 01"

イタリアの Kiss The Stone からリリースされた非公式ライヴ・アルバム。1994年5月24日のライヴから、計6曲が収録されている。場所はおそらくイタリアだろう。MCのなかに、ポール・チェイン Paul Chain の名前も聞かれる。ジャケットにはアルバム第2作 「The Ethereal Mirror」 (1993年) 当時のメンバー4名の写真がつかわれているが、ギターのアダム・レハン Adam Lehan と、ドラムのマーク・ラムゼイ・ワートン Mark Ramsay Wharton はすでに1994年2月の時点でバンドをぬけているはずなので、別のメンバーが演奏していると思われる。クレジットがないので誰であるかは不明。開始直後の録音状態は悪い。演奏が進むにしたがって安定する。途中でリー・ドリアンが調性を見うしない、とんでもない調子はずれになっているところはご愛敬…。第3曲あたりから流れがよくなり、名曲 「A Funeral Request」 (第5曲) の遅重ぶりは納得の出来だ。

Cathedral
Carnival Bizarre

Cathedral: Carnival Bizarre ・ 3rd アルバム
・ Doom / Metal
・ 1995年 イギリス
・ Toy's Factory Records / TFCK-88758
・ 評価 10/10 ■■■■■■■■■■

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Leo Smee ベース  - Firebird
Brian Dixon ドラム
Kit Woolven プロデュース

01. Vampire Sun  04' 06"
02. Hopkins ( Witchfinder General )  05' 18"
03. Utopian Blaster  05' 41"
04. Night Of The Seagulls  07' 00"
05. Carnival Bizarre  08' 35"
06. Inertia's Cave  06' 39"
07. Fangaractic Supergoria  05' 54"
08. Blue Light  03' 27"
09. Palace Of Fallen Majesty  07' 43"
10. Electric Grave  08' 26"
11. Karmacopia *  05' 06"

Total Running Time  67' 59"
* Bonus Track

明と暗、陽と陰のバランスが絶妙の第3作アルバム。デビュー以来つねに不安定だったリズム隊に、有能な固定メンバー2名が加入したことは大きい。さらなる音楽性の拡充化をはかると同時に、リー・ドリアン=詞 / ゲイリー・ジェニングス=曲という黄金体制が確立された。新メンバーは、ベーシストにファンク・グルーヴの鬼レオ・スミー、ドラマーは意外にもLAメタル好きのブライアン・ディクソンだ。ドゥーム式単音リフは減り、より普遍的なグルーヴ感とメタル・サウンドを指向するようになった。第2曲 「Hopkins ( Witchfinder General )」 は新体制になって以後、はじめてつくりあげたスタンダード曲。第3曲 「Utopian Blaster」 では本家サバスのトニー・アイオミ Tony Iommi をゲストに迎え、中間部のギター・ソロを提供してもらっている。エキセントリックで、思いがけないリフ展開をみせる第7曲 「Fangaractic Supergoria」 もみごとだ。第10曲もかくれた佳作。

Cathedral
Hopkins ( The Witchfinder General )

Cathedral: Hopkins ( The Witchfinder General ) ・ ミニ・アルバム
・ Doom / Metal
・ 1995年 イギリス
・ Toy's Factory Records / TFCK-88776
・ 評価 08/10 ■■■■■■■■□□

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Leo Smee ベース  - Firebird
Brian Dixon ドラム
Cathedral プロデュース

01. Spoken Intro / Hopkins ( The Witchfinder General )  05' 37"
02. Fire  03' 30"
03. Copper Sunset  03' 05"
04. Purple Wonderland  04' 45"
05. The Devils Summit  09' 25"
06. You Know *  04' 46"

Total Running Time  31' 12"
* Bonus Track

6曲入りのミニ・アルバム。じつに自由でのびのびとした作風、さらにマニアックな選曲が玄人をうならせる異色作品。メンバーが固定し、あたらしく手に入れたバンドの音を各プレイヤーが遊びながら試しているような余裕と楽しさがある。ファンにはうれしい1枚だ。第1曲はアルバム収録ヴァージョンと同テイクだが、イントロをなすセリフの引用がながくなっている。第2曲 「Fire」 は、アーサー・ブラウン Arthur Brown のカヴァー。第3曲 「Copper Sunset」 は1970年代に活躍したフランスのプログレ・バンド Sandrose の 「To Take Him Away」 の後半部分をアレンジしたインストゥルメンタル。第4曲 「Purple Wonderland」 は冒頭のシンセ・ベースや、シンセサイザーによるオブリガートにおどろく。第5曲 「The Devils Summit」 は2本のサクソフォーンに、ポール・ジョンストン Paul Johnston によるハモンド・オルガンがくわわった、ファンキーなジャム・セッション。

Cathedral
Supernatural Birth Machine

Cathedral: Supernatural Birth MachineCathedral: Supernatural Birth Machine ・ 4th アルバム
・ Doom / Metal
・ 1996年 イギリス
・ Toy's Factory Records / TFCK-88796
・ 評価 07/10 ■■■■■■■□□□

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Leo Smee ベース  - Firebird
Brian Dixon ドラム
Kit Woolven プロデュース

01. Cybertron 71 / Eternal Countdown ( Intro )  01' 18"
02. Urko's Conquest  04' 02"
03. Stained Glass Horizon  05' 29"
04. Cyclops Revolution  07' 07"
05. Birth Machine 2000  08' 59"
06. Nightmare Castle  06' 31"
07. Fireball Demon  04' 12"
08. Phaser Quest  03' 42"
09. Suicide Asteroid  04' 13"
10. Dragon Ryder 13  05' 52"
11. Magnetic Hole  06' 30"
12. Tuckers Ruck *  04' 58"

Total Running Time  62' 57"
* Bonus Track

アルバム第4作。これまで以上に圧死ドゥーム・サウンドから距離をおき、シンプル、かつストレートなハード・ロック / ヘヴィ・メタルを提示する。リフの装いが、ストーナー・ロックに接近したことも興味ぶかい。しかしミックスに24時間しかかけられなかった苦しい台所事情もあり、いまひとつ練りこみに欠ける印象はぬぐえない。アレンジもシンプルといえば聞こえはよいが、同じようなアイデアが幾度もつづく印象で器楽パートの充実が感じられない点に不満がのこる。リー・ドリアンの吐きすてヴォーカルはあらっぽく、表面的だ。ただ曲はキャッチーでわかりやすく、取っつきやすさ、聴きやすさはある。第3曲 「Stained Glass Horizon」 は、本作中もっとも成功したナンバーだろう。第7曲 「Fireball Demon」、第9曲 「Suicide Asteroid」 も Cathedral らしいグルーヴとキャッチーなリフがそろいぶみしている。英国盤のジャケットは、あやしげなアイドルふうで極悪。

Cathedral
Black Birth Machine

Cathedral: Black Birth Machine ・ 非公式ライヴ・アルバム
・ Doom / Metal
・ 1997年 イギリス
・ ----- / CA-41497-1/2
・ 評価 07/10 ■■■■■■■□□□

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Leo Smee ベース  - Firebird
Brian Dixon ドラム

[ Disc 1: Cathedral ]
01. Urko's Conquest  04' 53"
02. Utopian Blaster  06' 20"
03. Stained Glass Horizon  05' 50"
04. Soul Sacrifice  04' 36"
05. Night Of The Seagulls  06' 58"
06. Birth Machine 2000  08' 10"
07. Fire Ball Demon  04' 26"
08. Midnight Mountain  05' 43"
09. Carnival Bizarre  10' 38"
10. Equilibrium  05' 45"
11. Vampire Sun  04' 15"

Total Running Time  67' 36"

[ Disc 2: Cathedral / Arch Enemy ]
01. Hopkins ( The Witchfinder General )  08' 51"
02. Lord Of This World  06' 27"
03. Ride  07' 36"
04. Intro  01' 07"
05. Dark Insanity  03' 57"
06. Transmigration Macabre  04' 16"
07. Idola Tress  05' 14"
08. Cosmic Retribution  04' 17"
09. Eureka  04' 48"
10. Torn Aport / Demoniality  05' 28"
11. Losing Faith  03' 52"
12. Field Of Desolation  08' 26"
13. Bury Me An Angel  03' 54"
14. Aces High ( Iron Maiden )  04' 42"

Total Running Time  72' 57"

非公式のライヴ・アルバム、CD2枚組。1997年4月14日、大阪でおこなわれたライヴがおそらくは全曲収録されており、Cathedral は全14曲 (ディスク1全曲とディスク2の第3曲まで) を披露、ともに来日した Spiritual Beggars のマイケル・アモット Michael Amott ひいきるメロディック・デス・メタル・バンド Arch Enemy は全11曲を演奏している。録音状態は可もなく不可もなく。過去の代表曲のあいだにアルバム第4作 「Supernatural Birth Machine」 (1996年) からの最新曲 (ディスク1の第1・3・6・7曲) をはさみながら進行する。Cathedral のライヴ音源を聴いて思うのは、テンポが速く派手な曲よりも、強烈なねばり腰でノタクタ進むテンポの遅いドゥーム・ナンバーのほうが演奏がよい。たいする Arch Enemy は、Cathedral をすっかり食ってしまったという評も一部では聞かれるとおり、ひじょうにタイトな演奏力を見せつけて会場を賞賛の渦に巻きこんでいる。

Cathedral
Our God Has Landed: Live In Tokyo

Cathedral: Our God Has Landed: Live In Tokyo ・ ライヴ・ビデオ
・ Doom / Metal
・ 1998年 イギリス
・ Toy's Factory Records / TFVR-68538
・ 評価 07/10 ■■■■■■■□□□

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Leo Smee ベース  - Firebird
Brian Dixon ドラム

01. Utopian Blaster
02. Stained Glass Horizon
03. Grim Luxuria
04. Soul Sacrifice
05. Midnight Mountain
06. Equilibrium
07. Hopkins ( The Witchfinder General )
08. Ride

Total Running Time  47' 40"

1997年4月13日、「On Air East」 でおこなわれた東京公演2日めの模様を収録したライヴ・ビデオ。全8曲をおさめている。当時の最新作だったアルバム第4作 「Supernatural Birth Machine」 (1996年) 発表後のツアーで、当日は第4作からの曲が多数とりあげられたはずだが、本作では 「Stained Glass Horizon」 (第2曲) をのぞいてステージ映えのする、過去の代表的ナンバーにまとをしぼって収録している。音は、ドラムのハイハットがパシャパシャと多少にぎやかすぎる以外は、それなりに鳴る。はじめこそ、スタイリッシュなレオ・スミーの立ち姿と粘っこいベース音に気が向くが、やはり眼をギョロギョロと見ひらき、舌なめずりをし、腰に手をあててステージを徘徊するリー・ドリアンのマジカルで、一方ではコミカルにも思えるパフォーマンスに眼をうばわれるだろう。第5曲 「Midnight Mountain」 では独特のクネクネ・ツイストも披露している。
参考 Cathedral 「Black Birth Machine」

Cathedral
Caravan Beyond Redemption

Cathedral: Caravan Beyond Redemption Cathedral: Caravan Beyond Redemption ・ 5th アルバム
・ Doom / Metal
・ 1998年 イギリス
・ Toy's Factory Records / TFCK-87164
・ 評価 10/10 ■■■■■■■■■■

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Leo Smee ベース  - Firebird
Brian Dixon ドラム
Andy Sneap プロデュース

01. Voodoo Fire  06' 11"
02. The Unnatural World  04' 06"
03. Satanikus Robotikus  05' 01"
04. Freedom  05' 06"
05. Captain Clegg  06' 06"
06. Earth Messiah  05' 18"
07. The Caravan  03' 01"
08. Revolution  07' 08"
09. Kaleidoscope Of Desire  04' 46"
10. Heavy Load  06' 08"
11. The Omega Man  06' 02"
12. Dust Of Paradise  07' 25"
13. Black Sunday *  07' 09"

Total Running Time  73' 29"
* Bonus Track

ダウナー感覚、ファンク・グルーヴ、プログレッシヴな曲展開、魔術的な雰囲気、SF好みなどをバランスよく盛りこんだ、集大成的なアルバム第5作。完成度が高い。サウンドは英国らしい湿り気をおびながらも、同時にしっかりした音圧と抜けのよさもねらっており、アンダーグラウンド界とは一線を画している。カーニバルを思わせるチープなSEが導入曲となり、アルバムのコンセプトでもある 「あがないをもとめる隊商」 が出会うさまざまな場面が、多彩な曲調のなかに繰りひろげられる。第2曲 「The Unnatural World」 は重グルーヴを感じさせるキャッチーな佳作。第4曲 「Freedom」 はジミ・ヘンドリックス Jimi Hendrix を彷彿とさせるファンク・グルーヴが見事だし、うねりにうねる第6曲もグッドだ。さらにアルバム最後の2曲の存在が、作品全体に深みをあたえている。とくに第12曲では、初期の遅重ドゥームに回帰。次作アルバムの予告ともなった。

Cathedral
Voodoo Caravan

Cathedral: Voodoo Caravan ・ 非公式ライヴ・アルバム
・ Doom / Metal
・ 1999年 イギリス
・ ----- / UFD-013
・ 評価 07/10 ■■■■■■■□□□

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Leo Smee ベース  - Firebird
Brian Dixon ドラム

[ Disc 1: Cathedral ]
01. Voodoo Fire  06' 08"
02. Stained Glass Horizon  05' 40"
03. Midnight Mountain  05' 11"
04. The Unnatural World  03' 44"
05. Satanikus Robotikus  04' 56"
06. Night Of The Seagulls [ Dust Of Paradise ]  05' 58"
07. Earth Messiah  04' 24"
08. Utopian Blaster  06' 24"
09. Equilibrium  06' 54"
10. Captain Clegg  05' 51"
11. Revolution  07' 32"
12. Hopkins ( The Witchfinder General )  05' 46"

Total Running Time  68' 36"

[ Disc 2: Cathedral / Orange Goblin ]
01. Encore: Jam ( Violet Vortex ) / Ride  08' 51"
02. Solarisphere *  07' 09"
03. Quincy The Pigboy *  03' 59"
04. Blue Snow *  04' 23"
05. Aquatic Fanatic *  08' 27"
06. Shine *  05' 55"
07. Magic Carpet *  03' 03"
08. The Man Who Invented Time *  03' 58"
09. Black Shapes Of Doom *  04' 14"

Total Running Time  50' 02"
* Bonus Track

CD2枚組の非公式ライヴ・アルバム。1999年11月9日におこなわれた大阪公演の全12曲とアンコール2曲、ボーナス・トラックとして前座だった Orange Goblin のライヴ音源8曲を収録している。当時の最新アルバムだった第5作 「Caravan Beyond Redemption」 (1998年) のナンバー (ディスク1 / トラック1・4〜7・11) を軸に、テンポが速く、ライヴ映えのする定番セットリストとなっている。記載の曲名に誤りがあり、ディスク1の第6曲は 「Night Of The Seagulls」 ではなく 「Dust Of Paradise」 だ。アンコール (ディスク2 / 第1曲) では 「Violet Vortex」 から 「Ride」 になだれこむ。オーディエンス録音のため音質に期待はもてない。音響のバランスの悪さやつっこみがちなドラム奏など、キズも多く聴きこめる作品ではないが、熱心なファンなら、割にあわないとは思わないはず。Orange Goblin の演奏には勢いがあり、バンドの性格がよくあらわれている。

Cathedral
Endtyme

Cathedral: Endtyme ・ 6th アルバム
・ Doom / Metal
・ 2001年 イギリス
・ Toy's Factory Records / TFCK-87241
・ 評価 10+/10 ■■■■■■■■■■ 必聴盤

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Leo Smee ベース  - Firebird
Brian Dixon ドラム
Billy Anderson プロデュース

01. Cathedral Flames  02' 00"
02. Melancholy Emperor  05' 32"
03. Requiem For The Sun  06' 55"
04. Whorse To Oblivion  06' 32"
05. Alchemist Of Sorrows  07' 16"
06. Ultra Earth  09' 23"
07. Astral Queen  06' 39"
08. Sea Serpent  05' 48"
09. Templar's Arise ! ( The Return )  13' 40"
10. Gargoylian *  07' 47"

Total Running Time  71' 34"
* Bonus Track

ドゥーム的原点回帰をはたした大傑作アルバム、通算6作め。第3作 「Carnival Bizarre」 (1995年) 以降の固定メンバーで遅重ドゥーム作品を録音することは、はじめてのことだ。プロデュースにはビリー・アンダーソンを迎えて、盤石の布陣。第1曲のインストが、アルバムの属性をすべて物語っている。遅く、暗く、湿った重サウンド。しかしアップ・テンポの第2曲を聴くと、ドゥーム回帰が、たんなるアルバム第1作の焼きなおしではないことがわかる。圧死感覚、陰鬱さ、汚くゆがんだ音像、サバスへの憧憬をふまえつつ、これまで育ててきたグルーヴとアグレッションも加味されているのだ。第4曲のリフはいかにも Cathedral の独壇場だし、つづく第5曲も陰陽のコントラストと多彩なリフ・ワークがすばらしい。第6・8曲の超スローぶりに感涙。アルバム最後は、13分を超える大作 「Templar's Arise ! ( The Return )」。ふかい叙情性をたたえた名曲。

Cathedral
Gargoylian

Cathedral: Gargoylian ・ シングル
・ Doom / Metal
・ 2001年 イギリス
・ Southern Lord Recordings / SUNN 9.5
・ 評価 07/10 ■■■■■■■□□□

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Leo Smee ベース  - Firebird
Brian Dixon ドラム
Billy Anderson プロデュース

01. Gargoylian  06' 11"
02. Earth In The Grip On A Skeletal Hand  03' 49"

Total Running Time  10' 00"

2001年にアメリカの Southern Lord Recordings から、1,000枚限定でリリースされたシングルEP。おそらくはドゥーム回帰をはたした大傑作である、アルバム第6作 「Endtyme」 (2001年) のセッション中に録音されたものだろう。第1曲 「Gargoylian」 は、日本盤 「Endtyme」 のボーナス・トラックとして収録されているものだが、テンポを落とした中間部から先、Aメロ部分の再現部分が省略されて、よりコンパクトなヴァージョンになっている。名曲 「Ride」 を彷彿とさせるアグレッシヴなシャッフル・リフが垂涎の好ナンバーだ。裏面の 「Earth In The Grip On A Skeletal Hand」 (第2曲) は遅重ドゥームにもどったバンドの姿を裏切るかのようなハード・コア・チューン。Cathedral の曲のなかでもきわめてめずらしい2ビートではじまり、後半はぎゃくに沈みこむような単音リフでゴリゴリと進行する。きわめてローファイな音像に、リー・ドリアンのゆがんだ絶叫が鳴りわたる。

Cathedral
Our God Has Landed

Cathedral: Our God Has Landed ・ ミュージック・ビデオ+ライヴDVD
・ Doom / Metal
・ 2001年 イギリス
・ Earache Records / MOSH 245DVD
・ 評価 08/10 ■■■■■■■■□□

[ The Promo Videos ]
01. Ebony Tears
02. Autumn Twilight
03. Ride
04. Midnight Mountain
05. A Cosmic Funeral
06. Hopkins ( Witchfinder General )
07. Stained Glass Horizon
08. Black Sunday

[ Live - The Gods Of Grind Tour ]
01. Soul Sacrifice
02. Equilibrium
03. Autumn Twilight
04. Frozen Rapture
05. A Funeral Request

Total Running Time  80' 09"

バンド創始期からアルバム第5作 「Caravan Beyond Redemption」 (1998年) までに制作されたミュージック・ビデオ8本と、ライヴ映像5本が収録されたDVD。ライヴ映像は1992年3月18日に、ロンドン 「アストリア Astoria」 でおこなわれた 「The Gods Of Grind Tour」 を収録したもの。ベースのマーク・"グリフ"・グリフィス Mark "Griff" Griffiths や、ギターのアダム・レハン Adam Lehan など、創始期の核メンバーによる生演奏が聴けるのは貴重だ。たんに陰鬱で遅いだけでなく、アグレッシヴな第1・3曲を配置して、ショーの進行にメリハリもつけている。音質も申しぶんない。ビデオは名曲 「Midnight Mountain」 (第4曲) が必見だ。メンバーらは気のりしなかったらしいが、レコード会社の意向で極彩色のディスコ調のビデオが企画された。気のりしなかったわりには、上下とも白のラメ服で踊りまくるリー・ドリアンの姿は完全に悪のりしている。笑うしかない。

Cathedral
The VIIth Coming

Cathedral: The VIIth Coming ・ 7th アルバム
・ Doom / Metal
・ 2002年 イギリス
・ Toy's Factory Records / TFCK-87295
・ 評価 08/10 ■■■■■■■■□□

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Leo Smee ベース  - Firebird
Brian Dixon ドラム
Kit Woolven / Cathedral プロデュース

01. Phoenix Rising  03' 52"
02. Resisting The Ghost  02' 38"
03. Skullflower  05' 45"
04. Aphrodite's Winter  05' 04"
05. The Empty Mirror  08' 39"
06. Nocturnal Fist  03' 20"
07. Iconoclast  05' 20"
08. Black Robed Avenger  06' 46"
09. Congregation Of Sorcerer's  04' 40"
10. Halo Of Fire  07' 24"
11. Texting *  06' 03"

Total Running Time  59' 33"
* Bonus Track

アルバム第7作。プロデュースに、アルバム第3作 「Carnival Bizarre」 (1995年) や、第4作 「Supernatural Birth Machine」 (1996年) を手がけたキット・ウールヴェンを迎え、純度の高い、ドゥーム寄りの英国ハード・ロック / ヘヴィ・メタルを聴かせる。第3曲 「Skullflower」 は Cathedral らしいリフと、キャッチーさにくわえて、中間部でのドゥーム調がくみあわされた良曲。第4曲 「Aphrodite's Winter」 はオルガンをフィーチュアし、これまでにはなかったタイプの曲だ。第9曲のまがまがしいリフもよい。しかし、全体の印象としては地味になってしまった。とくに器楽パートの練りこみに、もうひと工夫ほしかった。前作 「Endtyme」 (2001年) が遅重ドゥームの大傑作だったこともあり、周囲の期待のうちにリリースされたが、純粋なドゥーム路線とは一線を画しており、ファンのあいだでもそれほど評価されていない。かならずしも悪い内容ではないのだが…。

Cathedral
The Serpent's Gold

Cathedral: The Serpent's Gold ・ ベスト+レア音源集
・ Doom / Metal
・ 2004年 イギリス
・ Toy's Factory Records / TFCK-87373
・ 評価 09/10 ■■■■■■■■■□

[ Disc 1 - The Serpent's Treasure ]
01. Ride  04' 47"
02. Hopkins ( Witchfinder General )  05' 18"
03. Autumn Twilight  05' 50"
04. Midnight Mountain  04' 55"
05. Soul Sacrifice  04' 33"
06. Enter The Worms  06' 06"
07. Stained Glass Horizone  05' 31"
08. Vampire Sun  04' 07"
09. Cosmic Funeral  07' 00"
10. Ebony Tears  07' 42"
11. Melancholy Emperor  05' 35"
12. Equilibrium  06' 05"
13. Utopian Blaster  05' 39"
14. Voodoo Fire  05' 11"
15. Imprisoned In Fresh  01' 39"

Total Running Time  80' 00"

[ Disc 2 - The Serpent's Chest ]
01. Hide And Seek  01' 42"
02. Neophytes For Serpent Eve ( Demo )  08' 17"
03. Violet Breath  03' 00"
04. Night Of The Seagulls ( Demo )  05' 25"
05. Magic Mountain  06' 16"
06. A Funeral Request ( Live )  09' 06"
07. The Olde Oak Tree  04' 02"
08. Shizoid Puppeteer  12' 15"
09. Carnival Bizarre ( Demo )  09' 30"
10. Rabies  04' 41"
11. Blue Light ( Live )  03' 15"
12. Commiserating The Celebration ( Of Life ) ( Demo )  09' 57"

Total Running Time  77' 28"

Earache Records に所属していた時期の作品 (アルバム第1〜6作と、その他ミニ・アルバム) から選曲されたベスト盤と、いまでは入手困難な曲や、未発表のデモ、ライヴ音源など12曲を収録したレア音源集をセッ トにした豪華2枚組アルバム。日本盤ブックレットも充実しており、リー・ドリアンのインタビューと、ゲイリー・ジェニングスによるレア音源集 (ディスク2) の各曲解説がついている。新旧のファン両方にアピールできる好企画・好作品だ。レア音源集の第1曲は 「Imprisoned In Fresh」 のオカリナ・バージョン。オカリナがフィーチュアされているのは、ほかに第5曲がある ( 「Midnight Mountain」 の原曲。正直おどろいた)。第3・7曲は未発表曲。入手困難なプログレ大作の第8曲 「Shizoid Puppeteer」 が収録されているのもうれしい。「Rabies」 (第10曲) は Witchfinder General のカヴァー。ファンには特別な1枚となるにちがいない。

Cathedral
The Garden Of Unearthly Delights

Cathedral: The Garden Of Unearthly Delights ・ 8th アルバム
・ Doom / Metal
・ 2005年 イギリス
・ Toy's Factory Records / TFCK-87396
・ 評価 10/10 ■■■■■■■■■■

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Leo Smee ベース  - Firebird
Brian Dixon ドラム
Kit Woolven プロデュース

01. Dearth AD  01' 01"
02. Tree Of Life & Death  04' 35"
03. North Berwick Witch Trials  05' 58"
04. Upon Azrael's Wings  05' 37"
05. Corpsecycle  05' 54"
06. Fields Of Zagara  01' 58"
07. Oro The Manslayer  07' 29"
08. Beneath A Funereal Sun  05' 20"
09. The Garden  26' 59"
10. [ Untitled ] *  05' 58"

Total Running Time  70' 52"
* Secret Track

アルバム第8作。英国ハード・ロックに焦点をあてた前作 「The VIIth Coming」 (2002年) の、ある種の不全感を一蹴する完成度の高さを誇る傑作だ。一時、バンドを離脱していたベースのレオ・スミーが復帰。多彩な曲調がならび、時にポップにすらなるスタイルは、バンド・メンバーの懐のふかさを示すものだが、とくに本作はハード・コア寄りのアプローチが随所にみられる。まがまがしいリフはドゥームに根ざしているが、その衝動性とスピード感はまさしくパンクだ。インスト間の緊張感も復活し、工夫された曲展開やリフ・ワークによって最後までダレることがない。第2・4曲の半音階によるリフの残虐性と、第3・5曲のキャッチーさは好対照をなす。第7曲 「Oro The Manslayer」 の高速器楽バトルも徹底しておりマル。第9曲 「The Garden」 は、過去最長の27分弱を要するプログレ大作。思わずライヴが見たくなる高次元のアルバムに仕上がっている。

Cathedral
The Guessing Game

Cathedral: The Guessing Game ・ 9th アルバム
・ Doom / Metal
・ 2010年 イギリス
・ Trooper / XNTE-00018-9
・ 評価 09/10 ■■■■■■■■■□

Lee Dorrian ヴォーカル  - Napalm Death - Teeth Of Lions Rule The Divine - Probot
Garry Jennings ギター
Leo Smee ベース  - Firebird
Brian Dixon ドラム
Warren Riker プロデュース

[ Disc 1 ]
01. Immaculate Misconception  02' 24"
02. Funeral Of Dreams  08' 28"
03. Painting In The Dark  06' 18"
04. Death Of An Anarchist  07' 12"
05. The Guessing Game  03' 08"
06. Edwige's Eyes  07' 08"
07. Cats, Incense, Candles & Wine  06' 01"

Total Running Time  40' 43"

[ Disc 2 ]
01. One Dimensional People  02' 30"
02. The Casket Chasers  06' 41"
03. La Noche Del Buque Maldito ( Aka Ghost Ship Of The Blind Dead )  05' 46"
04. The Running Man  08' 46"
05. Requiem For The Voiceless  09' 50"
06. Journey Into Jade  10' 36"

Total Running Time  44' 12"

アルバム第9作、 2枚組で総ランニング・タイムが80分を超える大作。バンドがこれまで影響をうけ吸収してきた、とりわけ70年代の音楽の諸要素をぞんぶんに使った上で、しかしどこをとっても Cathedral 的な音にまとめあげている。 ドゥームとかストーナーといった枠を感じさせない点が、 本作における最大の挑戦だったのだろう。フォーク、プログレ、サイケ・ロック、ジャズなどの要素をちりばめ、部分間は暗示や予備なしに突然テンポ、曲調が変化する (これが王者のふるまいというものか)。 使用楽器も増え、シンセサイザーやメロトロン、シタールなどにより温かみのある幻惑的な色彩に富むかわり、 ハードコア的な攻撃性、残虐性は鳴りをひそめた。 ドゥームの闇、メタル色を期待せず、ただ 「Cathedral」 を期待して聴くと受けいれやすい。 ひとたび踏みいれれば、その過剰なまでの豊かさに気づく。聴くたびにあたらしい発見と驚きがあるアルバムだ。

・ 未聴作品
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・ 公式 Web
http://cathedralcoven.com/

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静謐の森 - ドゥーム / ストーナー / スラッジ・コアのアルバム・レビュー
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