静謐の森 - ドゥーム / ストーナー / スラッジ・コアのアルバム・レビュー

静謐の森 - ドゥーム / ストーナー / スラッジ・コアのアルバム・レビュー
Forest Of Tranquilness

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ディスコグラフィ

Firebird

「Firebird」  1999年 1st アルバム
「Deluxe」  2001年 2nd アルバム
「No.3」  2003年 3rd アルバム
「Hot Wings」  2006年 4th アルバム
「Grand Union」  2009年 5th アルバム

Firebird
Firebird

Firebird: Firebird ・ 1st アルバム
・ Hard Rock / '70 Style
・ 1999年 イギリス
・ Toy's Factory / TFCK-87203
・ 評価 08/10 ■■■■■■■■□□

Bill Steer ヴォーカル / ギター / ハーモニカ  - Napalm Death - Carcass
Leo Smee ベース  - Cathedral
Ludwig Witt ドラム  - Spiritual Beggars

01. Meentime  02' 39"
02. Torn Down  03' 39"
03. Stranger To Himself  05' 29"
04. Bollard  04' 32"
05. One Trick Pony  03' 31"
06. Raise A Smile  03' 34"
07. Hardened Sole  05' 24"
08. Fat Cat Groan  03' 48"
09. Caught In The Quagmire  04' 35"
10. Through The Fields  06' 47"
11. Robin's Riff *  04' 45"
12. World Of Tears  05' 54"

Total Running Time  54' 39"
* Bonus Track

グラインド・コアの名門バンド Carcass の中心人物だったビル・スティアがバンド解散後、長いブランクをへて、音楽界への復帰をはたしたデビュー・アルバム。過去の先鋭的な音楽性からは遠く隔たった、70年代ロックへの憧憬を色濃く反映した作品となった。ドラムのヨハネス・W.は、2000年以降すっかり人気者となった Spiritual Beggars のドラマー、ルドヴィック・ヴィットのこと。ベースは Cathedral のレオ・スミー。これ以上はのぞめないほど強力なリズム・セクションだ。音はきわめて生なましく、音圧を増すためのオルガンをくわえた以外は、多重録音も極力減らした裸のサウンドづくりになっている。ギター・センスのすばらしさは疑いの余地がない。ただしビルの鼻にかかったような歌声には、ヘヴィ・ロックと相反する甘ったるいところがある。この声質が気にならないのであれば、ロック好き (とくにギタリスト) は聴くべき。

Firebird
Deluxe

Firebird: Deluxe ・ 2nd アルバム
・ Hard Rock / '70 Style
・ 2001年 イギリス
・ Victor Entertainment / VICP-61364
・ 評価 08/10 ■■■■■■■■□□

Bill Steer ヴォーカル / ギター / ハーモニカ  - Napalm Death - Carcass
Leo Smee ベース  - Cathedral
Ludwig Witt ドラム  - Spiritual Beggars
Berno Paulsson / Firebird プロデュース

01. Dirt Trap  03' 15"
02. Forsaken  03' 37"
03. Hammer & Tongs  03' 50"
04. Steamroller  05' 08"
05. Miles From Nowhere  05' 18"
06. Zoltana  03' 45"
07. Lonely & Sober  03' 47"
08. Simmer Takes All  04' 10"
09. Sad Man's Quarter  04' 10"
10. Slow Blues  03' 20"
11. Working Man *  05' 44"

Total Running Time  46' 06"
* Bonus Track

アルバム第2作。メンバーは前作 「Firebird」 (1999年) と同様、レトロでありながら現代性をうしなわない卓越したミュージシャン、もと Carcass のビル・スティア、Cathedral のレオ・スミー、Spiritual Beggars のルドヴィック・ヴィットの3人組だ。70年代型ハード・ロック路線に変更はないが、もう一歩、ビルの内面に踏みこんだような複雑さをもつ。プロデュースは Spiritual Beggars との充実した仕事ぶりが記憶にのこるベルノ・ポールソンだ。さらに音圧が増し、迫力あるサウンドを作りだすことに成功。トリオであることを意識した、演奏のリアルさと臨場感にあふれている。そのためオルガンの使用頻度は減った。一度聴いた耳あたりは前作のほうがよいが、繰りかえし聴きこむほどに味の出る曲がならんでおり、なにより、演奏のすばらしさは本作のほうが上。ビルの吹くハーモニカ1本で勝負をかけた第10曲 「Slow Blues」 は気合い充分。

Firebird
No.3

Firebird: No.3 ・ 3rd アルバム
・ Hard Rock / '70 Style
・ 2003年 イギリス
・ Victor Entertainment / VICP-62236
・ 評価 07/10 ■■■■■■■□□□

Bill Steer ヴォーカル / ギター / ハーモニカ  - Napalm Death - Carcass
Roger Nilsson ベース  - The Quill - Spiritual Baggars
George Atlagic ドラム  - The Quill
Berno Paulsson / Bill Steer プロデュース

01. Cross The Line  04' 28"
02. Tumbling Down  02' 29"
03. Stoned Believer  03' 08"
04. Station  05' 56"
05. Hard Hearted  03' 21"
06. End Of The Day  04' 40"
07. Long Gone  06' 16"
08. Off The Leash  06' 42"
09. Dream Ride  04' 51"
10. Friend  05' 10"
11. Mistaken Again *  03' 55"

Total Running Time  50' 58"
* Bonus Track

アルバム第3作。ベースがレオ・スミー Leo Smee から The Quill のロジャー・ニルソンに、ドラムがルドヴィック・ヴィット Ludwig Witt から、これも The Quill のジョージ・アトラジックに交代している。メンバー・チェンジの原因は、Cathedral や Spiritual Beggars で多忙なふたりとビル・スティアとの予定があわなかったことにあるらしい。いっさいの装飾を排し、一発録りのライヴ演奏をそのままパックしたようなアンサンブルに満ちている。ベースやドラムのエフェクターが極力抑えられているため、底から突きあげられるようなハードさはない。曲がもとめているかぎりのセッティングとプレイしかしない。このシンプルさに、ビルがめざしている音楽の究極的な理想が反映している。自然で素直なロック。表面的な重さをもとめると肩すかしを食らう激シブな1枚。第3曲 「Stoned Believer」 は歯切れのよい、すこしかわったリフをもつキャッチーな良曲。

Firebird
Hot Wings

Firebird: Hot Wings ・ 4th アルバム
・ Hard Rock / '70 Style
・ 2006年 イギリス
・ Victor Entertainment / VICP-63413
・ 評価 08/10 ■■■■■■■■□□

Bill Steer ヴォーカル / ギター / ハーモニカ  - Napalm Death - Carcass
Al Steer ベース
Ludwig Witt ドラム  - Spiritual Beggars
Bill Steer / Gareth Parton プロデュース

01. Carousel  03' 51"
02. Good Times  02' 56"
03. Misty Morning  02' 49"
04. Play The Fool  03' 12"
05. Horse Drawn Man  04' 38"
06. Overnight  02' 59"
07. Bow Bells  03' 56"
08. Flying Blind  04' 42"
09. I Wish You Well  04' 29"
10. Needle In The Groove  05' 01"
11. Last Days Of August *  03' 14"

Total Running Time  41' 52"
* Bonus Track

2006年にリリースされたアルバム第4作。 ヴォーカル / ギターのビル・スティアがつむぎだす自然体のハード・ロックが堪能できる好作品だ。The Quill 組のリズム隊、ベースのロジャー・ニルソン Roger Nilsson と、ドラムのジョージ・アトラジック George Atlagic が脱退。かわりにビルの弟、アル・スティアがベースを弾いており、ドラマーにはふたたびルドヴィック・ヴィットがもどってきた。画一化されない、血のかよった楽器演奏がとにかくよい。ギターのカッティングのキレのよさ、ブルース味、ドラムのフロア・タムの重量感がえらくカッコよく聴こえる。曲はさらに一歩ブルースに近づき、前作 (2003年) の内向性がふっきれてあかるさとわかりやすさが出てきた。ビルの歌はうまくなり、高音はきびしいが表現の幅は増している。すでに弟アルはバンドを離れ、新ベーシストに Hangnail のハリー・アームストロング Harry Armstrong が加入したらしい。これも楽しみ。

Firebird
Grand Union

Firebird: Grand Union ・ 5th アルバム
・ Hard Rock / '70 Style
・ 2009年 イギリス
・ Rise Above Records / RISECD122
・ 評価 09/10 ■■■■■■■■■□

Bill Steer ヴォーカル / ギター / ハーモニカ  - Napalm Death - Carcass
Smok Smoczkiewicz ベース
Ludwig Witt ドラム  - Spiritual Beggars
Berno Paulsson / Firebird プロデュース

01. Blue Flame  03' 27"
02. Jack The Lad  02' 05"
03. Lonely Road  04' 22"
04. Fool For You  02' 10"
05. Silent Stranger  03' 01"
06. Release Me  03' 55"
07. Wild Honey  03' 02"
08. Gold Label  03' 13"
09. Worried Mind  02' 15"
10. See The Light  04' 54"
11. Four Day Creep  03' 14"
12. Caledonia  05' 41"

Total Running Time  41' 21"

3年ぶりにリリースされたアルバム第5作。ビル・スティアのソロ・プロジェクト色が強かったバンド結成当初から考えると、ほとんど恒例行事のようなメンバー交代にもめげることなく、 バンドとしてフル・アルバムをコンスタントに発表しつづけてきたビルの情熱にまず驚く。 本作は過去最高のメンバー、曲、音づくり、アンサンブルが強く印象づけらる快作だ。前作 (2006年) で助っ人的に参加していたアル・スティア Al Steer に代わって、スモーク・スモーキーヴィッツがベースを弾いている。音はずぶとく心地よい。 全体にテクニックを駆使しているにもかかわらず自然に思えるのは、技術が音楽に奉仕しているからだ。ビルは根っからの音楽家なのだろう。終曲 「Caledonia」 の、内容の弱さが惜しまれる。 第4曲はジェームズ・テイラー、第9曲はダスター・ベネット、第11曲はイーダ・コックス作、Humble Pie 版のカヴァー。古びない、ブルースの魅力を堪能したい。

・ 未聴作品
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・ 公式 Web
http://www.firebirdhome.co.uk/

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