
「No One Rides For Free」 1994年 1st アルバム
「Daredevil」 1995年 2nd アルバム
「In Search Of...」 1996年 3rd アルバム
「The Action Is Go」 1997年 4th アルバム
「Eatin' Dust」 1999年 過去作品集
「King Of The Road」 2000年 5th アルバム
「California Crossing」 2002年 6th アルバム
「Go For It ... Live !」 2003年 ライヴ・アルバム
「Something Beyond」 2004年 シングル
「Start The Machine」 2004年 7th アルバム
「We Must Obey」 2007年 8th アルバム
「Signs Of Infinite Power」 2009年 9th アルバム
・ 1st アルバム
・ Stoner / Desert
・ 1994年 アメリカ
・ Cube Farm Records / CUB 1
・ 評価 08/10 ■■■■■■■■□□
Scott Hill ヴォーカル / ギター
Eddie Glass ギター - Nebula
Mark Abshire ベース - Nebula
Ruben Romano ドラム - Nebula
Brant Bjork / Fu Manchu プロデュース
01. Time To Fly 03' 04"
02. Ojo Rojo 03' 50"
03. Show And Shine 02' 54"
04. Mega-Bumpers 03' 51"
05. Free And Easy ( Summer Girls ) 02' 03"
06. Superbird 04' 06"
07. Shine It On 02' 30"
08. Snakebellies 04' 49"
Total Running Time 27' 09"
Kyuss 同様、ストーナー / デザート・ロックの代表格であり、90年代に解散した Kyuss とは異なり、現在も盛んなバンド活動をつづけている Fu Manchu の初アルバム。プロデュースは、のちに Fu Manchu のドラマーとなるブラント・ビョークだ。はまりきったグルーヴとアンサンブルが、文句なく気持ちよいブギー・ロック。のちの直線的な爆走ロックンロール路線よりも、横ノリのリフを中心においた曲がならぶ。また第2曲 「Ojo Rojo」 にみられるような、フランジャーを使ったスペース・ロックふうのサイケな音色も試みている。スコット・ヒルの脱力系ヴォーカル・スタイルは当初から健在。インスト・パートや長いギター・ソロも多く、各楽器間の微妙なズレやモタリにはジャム・セッションのようなスリルにみちた臨場感が満載だ。とりわけ 「Snakebellies」 (第8曲) のインスト・パートにおける爆裂ぶりは耳を惹く。
・ 2nd アルバム
・ Stoner / Desert
・ 1995年 アメリカ
・ Cube Farm Records / CUB 2
・ 評価 07/10 ■■■■■■■□□□
Scott Hill ヴォーカル / ギター
Eddie Glass ギター - Nebula
Brad Davis ベース
Ruben Romano ドラム - Nebula
Tom Rothrock / Rob Schnapf / Fu Manchu プロデュース
01. Trapeze Freak 04' 18"
02. Tilt 02' 59"
03. Gathering Speed 04' 23"
04. Coyote Duster 02' 51"
05. Travel Agent 04' 12"
06. Sleestak 03' 43"
07. Space Farm 05' 31"
08. Lug 03' 29"
09. Egor 03' 36"
10. Wurkin' 03' 38"
11. Push Button Magic 04' 56"
Total Running Time 43' 38"
フル・アルバム第2作め。ベースのマーク・アブシャー Mark Abshire が、ブラッド・デイヴィスに交代した。デイヴィスは以後、スコット・ヒルについで Fu Manchu のもっとも古参のメンバーとなる。爆走ロックンロール・スタイルはすでにデビュー当初から確立されており、本作ではバンドの特性の段階的な深化がうかがえる。前作 「No One Rides For Free」 (1994年) よりもギターの左右の振りわけが明確で、位相もほかのパートにくらべて前面に出てきている。なによりもまずギターのブギー・リフによって、曲の属性を決定づけようとする意図があきらかだ。スコット・ヒルの脱力系ヴォーカルはあいかわらずハマっている。エフェクタと効果音を使ったスペーシーな雰囲気づくりも目立つ。惜しいのは、デビュー・アルバムにくらべて印象に残る良リフがすくないことだ。これはこれで、充分に水準以上ではあるのだが…。
・ 3rd アルバム
・ Stoner / Desert
・ 1996年 アメリカ
・ Mammoth Records / MR0134-2
・ 評価 10/10 ■■■■■■■■■■
Scott Hill ヴォーカル / ギター
Eddie Glass ギター - Nebula
Brad Davis ベース
Ruben Romano ドラム - Nebula
Fu Manchu / Brian Jenkins プロデュース
01. Regal Begal 02' 26"
02. Missing Link 03' 22"
03. Asphalt Risin' 03' 12"
04. Neptune's Convoy 05' 06"
05. Redline 02' 15"
06. Cyclone Launch 03' 25"
07. Strato-Streak 04' 03"
08. Solid Hex 02' 37"
09. The Falcon Has Landed 04' 21"
10. Seahag 03' 13"
11. The Bargain 02' 37"
12. Supershooter 03' 42"
Total Running Time 40' 21"
アルバム第3作。Mammoth Records に移籍し、念願のメジャー・デビューをはたした。バンド初期をささえたメンバーがそろい踏みして充実した曲を書き、充実した演奏を聴かせる。本作の出来のよさは、バンドの代表作 「The Action Is Go」 (1997年) や 「King Of The Road」 (2000年) と比較してすこしも遜色ない。まず耳を惹くのが、中低音を大胆に強調したサウンド・プロダクションだ。それ以後に発表された傑作群をふくめて、バンド史上もっともローファイな音づくりを実践している。リフづくりの巧みさはいうまでもなく、体が自然に動いてしまうグルーヴとヘヴィネスを全編でたたみかけてくる。第6曲 「Cyclone Launch」 のギターの押しつけがましさは唯一無二。ラスト・ナンバー 「Supershooter」 (第12曲) のゴリゴリしたリフとスペーシーな効果音の組みあわせは、バンド初期の集大成をしめす。
・ 4th アルバム
・ Stoner / Desert
・ 1997年 アメリカ
・ Polydoor / POCP-7270
・ 評価 10+/10 ■■■■■■■■■■ 必聴盤
Scott Hill ヴォーカル / ギター
Bob Balch ギター
Brad Davis ベース
Brant Bjork ドラム - Kyuss - Brant Bjork - Mondo Generator - Brant Bjork & The Operators
- Brant Bjork And The Bros - Ten East
![]()
J. Yuenger プロデュース
01. Evil Eye 03' 31"
02. Urthane 03' 37"
03. The Action Is Go 03' 06"
04. Burning Road 05' 48"
05. Guardrail 02' 57"
06. Anodizer 04' 26"
07. Trackside Hoax 04' 55"
08. Unknown World 02' 49"
09. Laserbl'ast 03' 47"
10. Hogwash 03' 42"
11. Grendel, Snowman 04' 10"
12. Strolling Astronomer 03' 43"
13. Saturn III 07' 56"
14. Nothing Done 01' 14"
15. Swami's Last Command * 03' 18"
16. Module Overload * 04' 18"
Total Running Time 63' 19"
* Bonus Track
バンドの代表作となったアルバム第4作。ガレージ然とした荒削りな音像をタイトにして、各段にメジャー感が増した。おおきなメンバー交代を経験している。リード・ギターのエディ・グラス Eddie Glass がボブ・バルクに、ドラムのルーベン・ロマーノ Ruben Romano が、Kyuss 脱退後のブラント・ビョークにそれぞれ交代。バンドを脱退したふたりは、サイケデリック・ロックンロール・バンド Nebula で活躍中だ。ギタリストの交代が信じられないくらい、これまでの Fu Manchu 様式を守りとおしている。ブラントのドラムが光る。ブラントの鳴らすシンバルやハイハットは曲にアクセントをくわえたり、ラウドにするだけでなく、その残響が重なりあってドロドロした渦やうねりを生じさせるのだ。アルバム後半の 「Hogwash」 (第10曲) や 「Grendel, Snowman」 (第11曲) では、本作最良リフが楽しめる。70年代に活躍した伝説のスケート・ボーダー、トニー・アルヴァ Tony Alva の勇姿をあしらったジャケットも秀逸。
・ 過去作品集
・ Stoner / Desert
・ 1999年 アメリカ
・ Man's Ruin Records / MR 157CD
・ 評価 09/10 ■■■■■■■■■□
Scott Hill ヴォーカル / ギター
Bob Balch ギター
Brad Davis ベース
Brant Bjork ドラム - Kyuss - Brant Bjork - Mondo Generator - Brant Bjork & The Operators
- Brant Bjork And The Bros - Ten East
![]()
Fu Manchu プロデュース
01. Godzilla 04' 39"
02. Module Overload 04' 16"
03. Living Legend 05' 08"
04. Eatin' Dust 03' 10"
05. Shift Kicker 03' 02"
06. Orbiter 03' 18"
07. Mongoose 06' 16"
08. Pigeon Toe 04' 46"
Total Running Time 34' 38"
Man's Ruin Records から発表された10インチ 「Godzilla」 (1997年 第1〜3曲) と、「Eatin' Dust」 (1999年 第4〜7曲) をカップリングしたコンピレーション作品。CD化の際に 「Pigeon Toe」 (第8曲) がボーナスで追加。さきにリリースされた 「Godzilla」 はアルバム第3作 「In Search Of...」 (1996年) を彷彿とさせるヘヴィなローファイ・ガレージ・サウンドで、ゆったりとしたグルーヴを紡ぎだす。第1曲 「Godzilla」 は米ロック・バンド Blue Oyster Cult のカヴァー。第2曲 「Module Overload」 は、代表作 「The Action Is Go」 (1997年) の日本盤ボーナス曲として収録、ただし別テイクだ。後半の 「Eatin' Dust」 (第4曲) 以降、極端なファズとドラムにまでディストーションをかけた爆裂音におどろく。バンド史上もっとも攻撃的な音だ。「Mongoose」 (第7曲) はアルバム第6作 「California Crossing」 (2002年) に再録された。
・ 5th アルバム
・ Stoner / Desert
・ 2000年 アメリカ
・ Avex / AVCW 13004
・ 評価 10+/10 ■■■■■■■■■■ 必聴盤
Scott Hill ヴォーカル / ギター
Bob Balch ギター
Brad Davis ベース
Brant Bjork ドラム - Kyuss - Brant Bjork - Mondo Generator - Brant Bjork & The Operators
- Brant Bjork And The Bros - Ten East
![]()
Joe Barresi / Fu Manchu プロデュース
01. Hell On Wheels 04' 49"
02. Over The Edge 05' 02"
03. Boogie Van 04' 17"
04. King Of The Road 04' 03"
05. No Dice 03' 10"
06. Blue Tile Fever 05' 30"
07. Grasschopper 03' 51"
08. Weird Beard 03' 33"
09. Drive * 03' 45"
10. Hotdoggin' 04' 53"
11. Freedom Of Choice 03' 25"
12. Breathing Fire 02' 58"
Total Running Time 49' 18"
* Bonus Track
アルバム第5作め、代表作その2。洗練されたガレージふうブギー・ロックを聴かせる。これまでのどのアルバムよりも音圧が増しており、各パートが鼓膜の間近で鳴っている印象のサウンド・プロダクションによって、さらにタイトでヘヴィになった。曲間はほとんどなく、次つぎに曲をたたみこんでくる。サイケデリックな曲調はなくなり、ギター・ソロやジャム演奏のスタイルも減った。これは、ロックにストレートさをもとめた結果だろう。「Hell On Wheels」 (第1曲) は Fu Manchu のベスト・オープニング曲。スライド・ギターを導入するなど、工夫を凝らすとともに勢いもある。「King Of The Road」 (第4曲) は、バンドのあたらしいスタンダード・ナンバーといえる。曲構成にも工夫をこらすなど、作曲・アレンジにも手慣れてきた。第9曲 「Drive」 は日本盤のボーナス・トラック。これがなかなかよいしあがりになっており、買うのであればぜひ日本盤がお得だ。
・ 6th アルバム
・ Stoner / Desert
・ 2002年 アメリカ
・ Cutting Edge / CTCW 53027
・ 評価 09/10 ■■■■■■■■■□
Scott Hill ヴォーカル / ギター
Bob Balch ギター
Brad Davis ベース
Brant Bjork ドラム - Kyuss - Brant Bjork - Mondo Generator - Brant Bjork & The Operators
- Brant Bjork And The Bros - Ten East
![]()
Matt Hyde プロデュース
01. Separate Kingdom 03' 45"
02. Hang On 03' 39"
03. Mongoose 04' 11"
04. Thinkin' Out Loud 03' 27"
05. California Crossing 03' 37"
06. Wiz Kid 03' 52"
07. Squash That Fly 02' 56"
08. Ampn' 03' 36"
09. Bultaco 03' 12"
10. Downtown In Dogtown 03' 19"
11. The Wasteoid 03' 53"
12. Planet Of The Apehangers * 03' 45"
Total Running Time 43' 14"
* Bonus Track
アルバム第6作。プロデュースに Monster Magnet などを手がけたマット・ハイドを迎え、さらにメジャー感を前面に出した作品。2000年をこえ、ムーブメントだったストーナー・ロックが定着し、あたらしい刺激がもとめられるなか、古参のバンドは思いきった変身をとげている。ドゥーム界のカリスマ Cathedral は初期遅重ドゥームへの揺りかえしをおこし、Monster Magnet はポップなヘヴィ・ロック路線へ舵を切った。Fu Manchu も例外ではない。サウンド全体がクリアになり、骨太なガレージ的雰囲気は後退。サイケデリックな色彩感は皆無だ。曲は整合性を増し、わかりやすく、はっきりしたメロディーや歌えるサビがあるなど、これまでになかったアプローチをとっている。曲はどれもコンパクトにまとめられた粒ぞろいばかり。これはこれでよい。アルバムを制作後、ドラムのブラント・ビョークが脱退、ソロで活躍している。
追記: 右のジャケットは 「Squash That Fly」 (第7曲) のみが収録されたプロモーションCD。
・ ライヴ・アルバム
・ Stoner / Desert
・ 2003年 アメリカ
・ SPV GMBH / SPV 089-74792 DCD
・ 評価 09/10 ■■■■■■■■■□
Scott Hill ヴォーカル / ギター
Bob Balch ギター
Brad Davis ベース
Scott Reeder ドラム
Fu Manchu プロデュース
[ Disc 1 ]
01. Hell On Wheels 04' 46"
02. Laserblast ! 03' 28"
03. Asphalt Risin 03' 23"
04. Mongoose 03' 53"
05. Downtown In Dogtown 03' 56"
06. Boogie Van 04' 31"
07. Tilt 02' 55"
08. Ojo Rojo 03' 52"
09. Strato - Streak 04' 01"
10. King Of The Road 04' 42"
11. Anodizer 07' 30"
Total Running Time 47' 01"
[ Disc 2 ]
01. Evil Eye 04' 45"
02. Hang On 03' 36"
03. Wurkin' 03' 47"
04. California Crossing 03' 33"
05. Over The Edge 05' 32"
06. Regal Begal 02' 49"
07. Godzilla 05' 37"
08. Superbird 04' 15"
09. Weird Beard 04' 35"
10. Squash That Fly 03' 03"
11. Saturn III 08' 28"
Total Running Time 50' 05"
CD2枚組、全22曲のライヴ・アルバム。2002年1〜10月におこなわれた 「California Crossing ワールド・ツアー」 の模様がパックされている。ドラムのブラント・ビョーク Brant Bjork が前作 「California Crossing」 (2002年) 制作後に脱退。かわりにスコット・リーダー ( The Obsessed や Kyuss のベースとは別人) が加入した。公式のライヴ盤とあって、さすがに音質・演奏は申しぶんない。よけいなMCもいっさい入らず、曲が次からつぎへ演奏される。アルバム第3〜6作 (1996〜2002年) からの選曲がめだつが、ディスク1の第7曲 「Tilt」 や 「Wurkin'」 (ディスク2 / 第3曲) は第2作、また 「Ojo Rojo」 (ディスク1 / 第8曲) や 「Superbird」 (ディスク2 / 第8曲)は第1作からチョイスされており、古参のファンへの目配りもわすれない。サイケ / スペース全開のジャム演奏 「Saturn III」 (ディスク2 / 第11曲) でラストを飾っているのが意外だ。好盤。
・ シングル
・ Stoner / Desert
・ 2004年 アメリカ
・ Elastic Records / ELS-021
・ 評価 07/10 ■■■■■■■□□□
Scott Hill ヴォーカル / ギター
Bob Balch ギター
Brad Davis ベース
Scott Reeder ドラム
Brian Joseph Dobbs プロデュース
01. So Far Behind 02' 42"
02. Something Beyond 03' 47"
03. Six Pack 02' 51"
Total Running Time 09' 22"
3曲入りシングルCD。ドラマーがブラント・ビョーク Brant Bjork からスコット・リーダー (The Obsessed や Kyuss のベースとは別人) に交代してから、はじめてスタジオ録音された音源。前作アルバム 「California Crossing」 (2002年) において、以前までのガレージ・ブギー・ロックから、よりメロディアスでポップなロック・バンドへ移行した。まず耳をひくのが、脱力系ヴォーカルのスコット・ヒルの歌いかたの変化だ。かなりストレートに、はっきりしたメロディー・ラインを 「歌って」 いる。声のトーンもいくぶん明るくなっているようだ。そのように音づくりもしている。新作アルバムは、同様の路線で突きすすむにちがいない。新メンバーのスコット・リーダーのドラムは、以前までの Fu Manchu らしさをうしなわせることなく、自然にバンドの音にとけこんでいる。ルーズな音像をもとめる古いファンは多いが、バンドは変化をとげている。
・ 7th アルバム
・ Stoner / Desert
・ 2004年 アメリカ
・ DRT Entertainment / RET 00424
・ 評価 08/10 ■■■■■■■■□□
Scott Hill ヴォーカル / ギター
Bob Balch ギター
Brad Davis ベース
Scott Reeder ドラム
Brian Joseph Dobbs プロデュース
01. Written In Stone 03' 21"
02. I Can't Hear You 01' 27"
03. Understand 03' 16"
04. Make Them Believe 03' 46"
05. Hey 02' 28"
06. I'm Gettin' Away 02' 33"
07. Out To Sea 03' 34"
08. Open Your Eyes 02' 32"
09. Today's Too Soon 03' 29"
10. It's All The Same 03' 30"
11. Tunnel Vision 02' 05"
12. I Wanna Be 03' 27"
Total Running Time 35' 34"
2004年発表のアルバム第7作。同年先行リリースされた3曲入りシングルCD 「Something Beyond」 (2004年) で予想されたように、かつてのガレージ・ヘヴィ・ブギー路線とは一線を画した仕上がりとなった。直情的な爆走ナンバーは第2曲 「I Can't Hear You」 にとどまり、おおむねミドル・テンポのヘヴィ・リフ・ロックが展開する。ヴォーカルのスコット・ヒルの歌唱はあかるくなり、ハモりをふくむコーラス・パートがふえた。一般的な意味でのメロディアスとは異なるが、これもメロディを聴かせるためのアレンジの工夫のひとつだろう。曲構成はさらに整合性をくわえ、よりコンパクトになり、2分台のナンバーが12曲中4曲ある。ジャム演奏的要素は見あたらない。第7曲 「Out To Sea」 はこれまでにないタイプのメロウな器楽曲。第8曲 「Open Your Eyes」 のリフは成功している。波乱がないので全体がサクッと聴ける。
・ 8th アルバム
・ Stoner / Desert
・ 2007年 アメリカ
・ Century Media Records / CENTURYMEDIA 8335-2
・ 評価 07/10 ■■■■■■■□□□
Scott Hill ヴォーカル / ギター
Bob Balch ギター
Brad Davis ベース
Scott Reeder ドラム
Fu Manchu / Andrew Alekel プロデュース
01. We Must Obey 03' 12"
02. Knew It All Along 03' 11"
03. Let Me Out 03' 08"
04. Hung Out To Dry 03' 25"
05. Shake It Loose 04' 12"
06. Land Of Giants 03' 56"
07. Between The Lines 01' 32"
08. Losson 03' 20"
09. Moving In Stereo 02' 42"
10. Didn't Really Try 02' 51"
11. Sensei VS. Sensei 04' 56"
Total Running Time 36' 29"
2007年に Century Media Records からリリースされたアルバム第8作。前作の 「Start The Machine」 (第7作,2004年) はいくぶん地味ながら落ちついた作風に貫禄も感じられたが、本作ではさらに音楽性が変化してきた。第1曲 「We Must Obey」 を聴いてすぐに、エッジのきいた攻撃的な音づくりにおどろく。ギター、ベースともにぶ厚い音圧で、ドラムも重量感がある。厚みはあったが、あたたかみもあった過去作のレトロなサウンドが懐かしいが、バンドは進化をつづけているということだろう。爆走ブギーが基調にあることはかわりない。ただしアクセントとしてフィル・インにアクの強い半音進行を織りこんだリフを多用しているのは、あたらしい装いといえる。そのため持ち前の底抜けのあかるさが陰り、曲の印象は暗い。メンバー交代もなくコンスタントにアルバムを発表して健在ぶりをアピールしているが、幸いの時は去ったという感をぬぐうことはできない。
・ 9th アルバム
・ Stoner / Desert
・ 2009年 アメリカ
・ Century Media Records / CENTURYMEDIA 9979502
・ 評価 09/10 ■■■■■■■■■□
Scott Hill ヴォーカル / ギター
Bob Balch ギター
Brad Davis ベース
Scott Reeder ドラム
Fu Manchu / Sergio Chavez プロデュース
01. Bionic Astronautics 03' 43"
02. Steel. Beast. Defeated 03' 47"
03. Against The Ground 03' 19"
04. Webfoot Witch Hat 04' 31"
05. El Busta 03' 18"
06. Signs Of Infinite Power 04' 11"
07. Eyes x 10 02' 22"
08. Gargantuan March 03' 40"
09. Take It Away 03' 19"
10. One Step Too Far 02' 12"
Total Running Time 34' 27"
アルバム第9作。決定力に欠いた前2作では古いファンをやきもきさせたが、 本作はそうした停滞感を粉みじんに吹きとばすパワフルな内容をそなえており、離れかかったリスナーの心をわしづかみにして引きもどす会心作となった。開始直後、まず驚かされるのは胸骨を振動させる深いベースとタム音、そしてギザギザした感触のギター音だ。鋼鉄管からひねり出してきたような野太さもある。かなり攻撃的な音づくりで、脱力系を期待する耳には違和感があるだろう。 しかしいったん受けいれてしまえば曲そのものは自信に満ちており、粒ぞろいだ。 疾走するばかりでなくドゥーム的な遅テンポ、暗黒フレーズが自然に織りこんであるのも特徴。 第2曲などは Cathedral が使いそうなリフだ。ストーナーとドゥームの相似関係にいまいちピンとこない聴き手にもよい参考となる。ボブ・バルチの弾くソロは飛躍的に存在感が増し、今後も楽しみな新兵器となった。
・ 未聴作品
「Return To Earth 91-93」 1998年 過去作品集 全9曲
・ 公式 Web
http://www.fu-manchu.com/
