静謐の森 - ドゥーム / ストーナー / スラッジ・コアのアルバム・レビュー

静謐の森 - ドゥーム / ストーナー / スラッジ・コアのアルバム・レビュー
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ディスコグラフィ

Karma To Burn

「Karma To Burn」  1997年 1st アルバム
「Wild Wonderful Purgatory」  1999年 2nd アルバム
「Almost Heathen」  2001年 3rd アルバム
「Live In London And Chasing The Dragon」  2009年 ライヴ・アルバム&過去作品集

Karma To Burn
Karma To Burn

Karma To Burn: Karma To Burn ・ 1st アルバム
・ Stoner / Metal
・ 1997年 アメリカ
・ Roadrunner Records / RR 8862-2
・ 評価 07/10 ■■■■■■■□□□

Jason "J.J." Jarosz ヴォーカル
William Mecum ギター
Dickie ベース
Nathan Limbaugh ドラム
Chuck Nicholas ドラム
Daniel Wise / Karma To Burn プロデュース

01. Ma Petite Mort  04' 09"
02. Bobbi, Bobbi, Bobbi - I'm Not God  03' 00"
03. Patty Hearst's Closet Mantra  05' 13"
04. Mt. Penetrator  04' 26"
05. Eight  04' 39"
06. Appalachian Woman  03' 50"
07. Twenty Four Hours  05' 01"
08. Six-Gun Sucker Punch  04' 10"
09. Thirteen  03' 48"
10. ( Waltz Of The ) Playboy Pallbearers  03' 37"
11. Twin Sisters And Half A Bottle Bourbon  03' 57"
12. Six  14' 04"

Total Running Time  60' 01"

バンドが残した3枚のアルバムのうち、唯一ヴォーカルが入っている作品、アルバム第1作。個性の一端を示す数字タイトルのインストゥルメンタル (第5・9・12曲) 以外には歌パートが入っているが、J.J.の歌声はエフェクターで汚くゆがめられ、抑揚のない一本調子で進行するか、あたかも楽器の一部のように、アレンジにワンポイントをくわえるためのオブリガートふうのあつかいをうけている。歌の巧拙は当ジャンルではあまり問題にはならないまでも、歌う気満まんのシンガーだったならばさぞかしストレスが溜まったことだろう。興味の焦点はおのずと器楽アンサンブルに向く。ウィリアム・メカムはリフ創作の巧者であり、さまざまな音色を使いわけて編曲の小技にも長けている。インスト曲 「Eight」 (第5曲) は結成当初のコンセプトと、その後の展開を物語る良曲。第12曲 「Six」 は3分50秒ほどで終わり、あとには長い空白。最後に曲ではないおまけがつく。

Karma To Burn
Wild Wonderful Purgatory

Karma To Burn: Wild Wonderful Purgatory ・ 2nd アルバム
・ Stoner / Metal
・ 1999年 アメリカ
・ MIA Records / 657674-1011-2
・ 評価 09/10 ■■■■■■■■■□

William Mecum ギター
Rick Mullins ベース
Rob Oswald ドラム
Garry Rindfuss / Daniel Wise / Karma To Burn プロデュース

01. Twenty  03' 30"
02. Twenty Eight  04' 22"
03. Thirty  03' 26"
04. Thirty One  05' 23"
05. Twenty Nine  03' 03"
06. Thirty Two  05' 00"
07. Twenty Five  04' 40"
08. Twenty Six  04' 13"
09. One  04' 05"
10. Three  03' 57"
11. Seven  04' 40"
12. Eight  04' 45"

Total Running Time  51' 08"

1999年リリースのアルバム第2作。ヴォーカルのジェイソン Jason "J.J." Jarosz を排除し、リズム隊を総入れかえし、新メンバーによる3ピースで再スタートを切った。 本来のコンセプトどおりインスト・バンドに生まれかわるために、バンドはギターのウィリアム・メカムを残していったん解体した格好だ。 好き放題できるようになった環境を反映してか、きわめてストレートで、開放的でのびのびした作風となった。 全編がメタル寄りのヘヴィ・リフに敷きつめられた好作品であり、バンドの最高傑作といえる。あまりに開放的になったため、内ジャケットのメンバー写真ではドラムのロブ・オズワルドが自身の一物をつかみだしている。勘弁してほしい。本作には第12曲 「Eight」 の再収録をはじめアルバム第1作 (1997年) の歌除去ヴァージョン (トラック10・11) が入っているが、ヴォーカルがないことがかえって曲の印象を強めているという希有な例を示す。

Karma To Burn
Almost Heathen

Karma To Burn: Almost Heathen ・ 3rd アルバム
・ Stoner / Metal
・ 2001年 アメリカ
・ Spitfire Records / SPT-15203-2
・ 評価 08/10 ■■■■■■■■□□

William Mecum ギター
Rich Mullins ベース
Rob Oswald ドラム
Michael Barile プロデュース

01. Nineteen  04' 01"
02. Thirty Eight  05' 50"
03. Thirty Four  04' 12"
04. Thirty Seven  05' 19"
05. Thirty Nine  05' 34"
06. Thirty Six  04' 28"
07. Thirty Three  04' 50"
08. Thirty Five  05' 14"
09. Five  04' 50"
10. Forty  03' 39"

Total Running Time  48' 00"

米国ウェスト・ヴァージニア州出身のストーナー・ロック・バンド Karma To Burn が、2001年に発表したアルバム第3作。ヴォーカルなしで、全10曲すべてがインストだ。アルバム第1作 「Karma To Burn」 (1997年) こそレコード会社の意向を反映して歌手を入れたが、その後はヴォーカルを排除して、数字をタイトルとした器楽曲を発表していった。70年代スタイルの音楽性をもちながら、リズム感やリフのエッジはメタル寄り。ジャムや即興演奏ではなく、メインのリフとその展開、グルーヴによって曲をかっちりと構成してゆく。アグレッシヴで、テンポもそれほど遅くない。本作を発表後メンバーは分裂。非公式ながらすでに解散状態となっている。唯一テンポの遅い第7曲 「Thirty Three」 がテンポアップし、ノリノリのロックンロール曲 「Five」 (第8曲) に流れこむアルバム後半が聴きどころだ。第10曲 「Forty」 は後期 Kyuss ふうのエキセントリックなブルース。

追記: 2007年にアルバム第1〜3作をまとめたCDボックス・セット 「Mountain Mama's 」 をリリースした。

Karma To Burn
Live In London And Chasing The Dragon

Karma To Burn: Live In London And Chasing The Dragon ・ ライヴ・アルバム&過去作品集
・ Stoner / Metal
・ 2009年 アメリカ
・ DRP Records / DRP 031
・ 評価 09/10 ■■■■■■■■■□

William Mecum ギター
Rich Mullins ベース
Rob Oswald ドラム

[ Disc 1: Live In London ]
01. Twenty  04' 18"
02. Thirty Eight  05' 45"
03. Thirty One  08' 51"
04. Thirty  04' 38"
05. Thirty Four  04' 26"
06. Thirty Seven  05' 30"
07. Thirty Nine  05' 24"
08. Eight  04' 56"
09. Thirty Five  05' 39"
10. Thirty Two  05' 17"
11. Twenty Eight  05' 03"

Total Running Time  59' 52"

[ Disc 2: Chasing The Dragon ]
01. Twenty  03' 32"
02. Thirty Nine  05' 33"
03. Eight  04' 42"
04. Thirty Two  05' 00"
05. Twenty Nine  03' 03"
06. Five  04' 47"
07. Twenty Eight  04' 21"
08. One  04' 04"
09. Thirty  03' 25"
10. Three  03' 47"
11. Nineteen  04' 01"
12. Twenty Six  04' 12"
13. Thirty Six  04' 26"
14. Thirty Four  04' 11"
15. Twenty Five  04' 38"
16. Seven  04' 40"

Total Running Time  68' 30"

事実上、解散していたバンドは2009年に活動を再開。 同年リリースされた未発表のライヴ音源11トラックと、アルバム第2年 (1999年)、および第3作 (2001年) からピックアップした計16曲をCD2枚組にまとめたコンピレーション・アルバムだ。 ライヴ音源は2001年12月5日、ロンドンの 「The Underworld」 でおこなわれたステージにて録音されている。数字がそのままタイトルと化した器楽曲 (もはやトレード・マークのようなもの) でまとめられ、MCはほとんど入らず、タイトルの抽象性とは真逆の、じつに肉感的なストーナー・メタルでグイグイたたみかけてくる。観客の反応も非常によく、さぞかし楽しい夜だったにちがいない。 第3曲 「Eight」、第6曲 「Five」 のような弛緩ナンバーもまじえつつ、 起伏に富むセット・リストで飽きさせない。 曲、演奏ともによいので、再結成のご祝儀として購入しても、きちんと見あうお返しがもらえる内容になっている。

追記: ディスク2 「Chasing The Dragon」 はスタジオ音源の選曲集となっている。 内訳は以下のとおり。アルバム第2作 「Wild Wonderful Purgatory」 (1999年) からは計11曲 (トラック1、3、4、5、7、8、9、10、12、15、16) がえらばれており、 「31」 をのぞいたすべての楽曲が収録されていることになる。 アルバム第3作 「Almost Heathen」 (2001年) からは全5曲 (トラック2、6、11、13、14) が選曲されている。 曲の配列は任意のようだが、アルバム間の音質のちがいなどは気にならない。

・ 未聴作品
「30. 33. 32. 20」  1998年 ミニ・アルバム 全4曲
「Appalachian Incantation」  2010年 4th アルバム CD2枚組 全15曲
・ 公式 Web
http://www.geocities.com/SunsetStrip/Studio/5511/k2bindex.html

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