静謐の森 - ドゥーム / ストーナー / スラッジ・コアのアルバム・レビュー

静謐の森 - ドゥーム / ストーナー / スラッジ・コアのアルバム・レビュー
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ディスコグラフィ

Zoroaster

「Zoroaster」  2005年 (2006年) ミニ・アルバム
「Dog Magic」  2007年 1st アルバム
「Matador」  2010年 3rd アルバム

Zoroaster
Zoroaster

Zoroaster: Zoroaster ・ ミニ・アルバム
・ Doom / Sludge
・ 2005年 (2006年) アメリカ
・ Battle Kommand Records / BKR012
・ 評価 09/10 ■■■■■■■■■□

Brent Anderson ヴォーカル / ベース
Will Fiore ヴォーカル / ギター
Dan Scanlan ドラム

01. Mons Venus  08' 11"
02. Bullwhip  04' 04"
03. Honey And Salt  07' 39"
04. Defile  11' 12"
05. [ Untitled ] *  02' 11"

Total Running Time  33' 17"
* Secret Track

アメリカ、ジョージア州アトランタを拠点に、2003年から活動するスラッジ・ドゥーム・バンド Zoroaster のデビュー・ミニ・アルバム。2005年のリリース時には4曲入りだったが、翌年2006年に Battle Kommand Records から再発された際、シークレットのボーナス・トラックとして 「Heavy Heart」 (第5曲) のライヴ音源を追加収録。Grief や、Warhorse を彷彿とさせる、まっすぐなスラッジ・ドゥーム・スタイルがとにかく重い。単音のヘヴィ・リフはひとつの音からほとんど動かず延えんと反復され、アンサンブルはスカスカなのに音像は強靱だ。曲中、速いテンポに転じることがなく、曲展開もすくないが、気がつくといつのまにか1曲で10分ちかくが経過している。主ヴォーカルはデス寄りの低いだみ声で、時おり高低に差のあるもう一声がからむ。遅重インストの第3曲 「Honey And Salt」 から、強奏3連符で耳を連打する第4曲 「Defile」 への流れは気持ちよい。

Zoroaster
Dog Magic

Zoroaster: Dog Magic ・ 1st アルバム
・ Doom / Sludge
・ 2007年 アメリカ
・ Battle Kommand Records / BKR020
・ 評価 08/10 ■■■■■■■■□□

Brent Anderson ヴォーカル / ベース
Will Fiore ヴォーカル / ギター
Dan Scanlan ドラム

01. The Book  11' 23"
02. Brazen Bull  05' 50"
03. Tualatin  13' 25"
04. Terminally Charged  06' 01"
05. Algebra Of Need  14' 50"
06. Dog Magic  07' 59"

Total Running Time  59' 30"

2007年にリリースされたファースト・アルバム。殺気みなぎる徹底的な遅重スラッジ・ドゥームで度肝をぬいた前ミニ・アルバム 「Zoroaster」 (2005年 / 2006年) とはちがい、第1曲 「The Book」 は意外にもラッシュからはじまる。ブレイク中のドラム・ソロといい、その後の泥濘ぶりといい、 バンドの覇気が感じられて好印象の導入だ。ところが中途半端にキャッチーな第2曲 「Brazen Bull」 のかっこ悪さに驚かされる。第3曲 「Tualatin」 は濁音化された酩酊リフをかき鳴らし、木管楽器とからむなど雑食性を見せつける。油断できない相手とはこういうものだろうか。多少の色気が出てきたらしく浮遊感ただようSEやノイズ・コラージュなどもフィーチュア。アレンジに幅が出て展開性に富む点では聴きやすくなったともいえるが、 デス一歩手前のだみ声、殺気をはらんだ音像、迷いのない遅重魂に Warhorse の再来を期待した者としては期待のしどころを誤ったようだ。

Zoroaster
Matador

Zoroaster: Matador ・ 3rd アルバム
・ Doom / Sludge
・ 2010年 アメリカ
・ E1 Music / E1E-CD-2076
・ 評価 08/10 ■■■■■■■■□□

Brent Anderson ヴォーカル / ベース
Will Fiore ヴォーカル / ギター
Dan Scanlan ドラム
Snaford Parker プロデュース

01. D. N. R.  06' 25"
02. Ancient Ones  03' 34"
03. Odyssey  05' 37"
04. Trident  03' 38"
05. Firewater  04' 13"
06. Old World  07' 03"
07. Black Hole  03' 48"
08. Odyssey II  03' 00"
09. Matador  07' 33"

Total Running Time  44' 55"

アルバム第3作。 バンドにたいする従来のイメージをくつがえすことを身上としているかのように、アルバムごとに作風がかわり、正体不明の存在だ。本作はワン・コードをかき鳴らすミニマルなリフに、空間系のエフェクタとSEをふんだんにまぶし、たゆたう低音ヴォーカルが倦怠とトリップの世界へといざなうストーナー / デザート、あるいはサイケ / スペース・ロックの回といえる。 遅重プラス、ドスをきかせた強面の Kyuss のようだ。冒頭の第1曲 「D. N. R.」、第2曲 「Ancient Ones」、第3曲 「Odyssey」 のセットは、バンドのねらいとコンセプトがよく納得できる良曲。 第4曲と第7曲は、奈落に落ちこんでゆく意識をいったん引きもどすアクセント的な役割をはたす。 アルバム名にもなっている終曲 「Matador」 に圧倒的な存在感が欠ける点は惜しまれるものの、全体を損ねるほどではない。いずれにせよ、次作で葬送ドゥームに転じても驚かない心がまえはできた。

・ 未聴作品
「Voice Of Saturn」  2009年 2nd アルバム 全7曲
・ 公式 Web
http://www.zoroasterrocks.com/

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