YMS-09 PROTOTYPE DOM
Based kit on BANDAI MOBILE SUIT VARIATION No.20
1/100 YMS-09 PROTOTYPE DOM

いよいよ始動いたしました、大風呂敷企画『PROJECT MSV』。
トップバッターを飾るのは、意外や意外。シリーズラインナップも中半の『No.20 1/100 YMS-09 プロトタイプ ドム』!!
そもそもはアニメ作品『機動戦士ガンダム』の企画段階において『ドムの準備稿イラスト』に過ぎなかった、このデザイン。
時を経て“第一次ガンプラ ブーム”の折、かの造形集団『ストリーム ベース』によって“試作型”として位置づけられ、再生するに至る。
新たに『YMS-09=プロトタイプ機』の機体番号を得て生まれ変わり、1/144はおろか1/100でもキット化に恵まれた、この『プロトタイプ ドム』。
更に今ここに21世紀の新素材&新技法によって、三度どのように生まれ変わったのか???
まずはご覧くださいませ。

 

かくて!! 『PROJECT MSV』トップバッターの『YMS-09 プロトタイプ ドム』!!
フタをあけてみれば、このとおり!!! 造った本人も正直ビックリ!!の、超スバラシイ作品として大完成です!!!!
溢れんばかりに“重厚感”みなぎるスタイリング!! まさに『大河原テイスト』なプロポーション!!!!!
いまや40歳を迎えんとする“オールド ガンプラ世代”の目には、たまらない“至高の宝石”と映ることでしょう!!!

今回制作にあたって目指したのは、ほかならぬ『ホビージャパン刊/HOW TO BUILD GUNDAM 2』に掲載されていたような作品を造ってみたい!! と思った“幼少期の自分自身の思い” そのもの。
あの頃、誰もが『いつか同じような傑作を造ってやる!』って熱い思いを胸に、日々模型修行に明け暮れていたんだよね。
それでも“自らの技術進歩”よりも“模型メーカー側の技術的進化”の方がずっと早くって、気付けば“改造”なんて行為に及ばなくても“出来のいい完成品”を手に出来るようになっちゃった............ 。
その事実『着け忘れていた決着』みたいなモノを、今あらためてやってみようとするのが今回のモチーフ。
果たして実践してみれば............ 予想を上回るレベルで『かつて欲しかったモノ』を、自らの手で生み出せた幸運!!!!
今ようやくにして『先人たち=ストリームベースの大先輩方』に追いついた感激でいっぱいです!!


 

正面画/左右。
今更ながらに、我ながら“目を疑う”ケド。今回使用したキットは、まごうことなく『旧 MSVシリーズ YMS-09 プロトタイプ ドム』。
別段“新ラインナップのプラモデルキット”が発売されたワケでもなければ、ガレージキットなワケでもない!!!!
これ正真正銘『旧キットのプロトドム』なんです!!!!
しかも改造箇所は、おおよそ『関節構造の新設』のみ!! スタイリング&プロポーションに関しては無改造なんです!!
そりゃまぁ、古いキット故“ヘロヘロな表面”やら“甘すぎるエッジ”ってな部分は、かなり根性入れて修正しましたが(笑)。
それでも、この“キット自体のポテンシャルの高さ”には脱帽!!!
現在主流の『マスターグレード シリーズ』とは“明らかに違った魅力”を放つ、これら『旧MSV キット』を今更ながらに探し出し(←発掘に近い?)、かつてとは比較にならない程に進化した“マテリアル&技法”にて、今あらためて造ってみる意義をひしひしと感じます。

 

 

背面画/左右。
背面的には、正面側以上に『キットそのまま』に造ったつもりなんだケド............. この『スキのなさ』は何だ!!?????
あからさまに見て取れる“追加ディテール”なんて、フトモモ部の“四角いスジボリ”だけのハズであって、あとはかなりノッペリとしたパーツの集合体であるハズなのに......... よく見れば、キットのままの“微妙な3次曲面構成のライン”が美しい!!
これが話題の『木型原型を元にした、金型職人による芸術的彫り込み技術』の成せる技なのか????????
更には、脚のバーニアに至っても市販パーツからのトレードはなし。キットそのままの形状の方がよほど“それらしい”!!!
なんだかもぉ.............. 現在主流の『マスターグレード シリーズ』が、やけに“単調にカッコイイだけ”のデザインに思えてきちゃいますなぁ。いまひとつ『血が通ってない』というか.............. やはり“旧作MS”はフィギュアに近い存在なのかも。

 

 

 

制作途中の画像。
これでおおよそ『どこをどう改造したか』の経緯は判るハスですが、完全に新造しているのは“手首”と“動力パイプ”加えて“頭部の内部メカ”程度。
あとは“幅増しした足首”の都合上、サイズを変更した“カカトのモールド”をはじめ、ヒジ・ヒザを“ポリキャップ可動”にしたが故の修正など。
あとはパッケージ イラストを参考に、全身にスジボリをはじめとしたモールドを追加.................. って、あれ? なんだかんだといじってるなぁ(苦笑)。
んでもまぁ、現行『マスターグレード』キットの内部フレームを組み上げる労力よりも、こうした“省略されたディテールの追加”の方が、人によっては精神的に“楽”で、かえって楽しかったりするんですよね。

特に“航空機モデル”好きな輩なんかにすれば、現行最新キットでさえ充分に『モナカ キット』であるのも事実(←プラモとして進化していないワケじゃなくって、ホンモノの航空機自体がモナカ構成なの!!)なワケで。その“省略された内部パーツを再現”だとか、キットには存在しない内部フレームを“表面ディテールにて想像させる”なんて演出は、ごくごく“普段からつきまとう作業”なんですな。
但し、そこにはそれ相応のスキルは必要となるワケで................. そうした『自信のスキルの再確認』をおこなううえでも、この類いの“旧キット”は最適であって『蓄積したスキルを発揮すればする程、完成品の魅力が増す』的な“好循環”になってくる。
で....... あれば、昨今の模型雑誌等で『今や旧キットの方が面白い!』なんて意見が出てくるのも、充分に頷ける気がしてきます(←納得)。

 

 

もとい、完成作品の頭部はこんなカンジ。
モノアイ シールドはキット状態で『モノアイ メカの再現を考慮して、あらかじめ開口しておきました』的な良心的設計になっているので、素直に“挑戦”を受けて立ちました(笑)。

当初、頭部の内部メカは『マスターグレード キット』よりのパーツ流用も考えましたが、やはりトータルなデザイン的(←懐かしのロボット的)には“なんだかギアとレールでギシギシ動いてそう”なディテールが欲しかったので、プラ材細工でスクラッチ。
いやぶっちゃけ、私個人的には『MSってモノを未来のメカと思ってない』んです。むしろ『1940年代あたりのメカ』だと思ってたりする(笑)。
特にMSVなんかは、キット パッケージがもろに『第二次大戦中的な情景』を描き出しているワケで、そうした“1940年代的な場面”にモチベーションを高められちゃった結果、全体的に追加するディテールもやはり“1940年代的”になっちゃう。
ただそれが“似合う”ガンプラはやはり、唯一『MSV』であるワケで............ ほとほと面白いですなぁ『MSV』って。

ちなみに、キットではモノアイ シールドが“別パーツ”化されていますが、残念ながらクリアパーツではないので、もぉ十数年ぶりに“エンビ板のヒートプレス”にてクリアパーツを自作ています。

 

 

制作中の頭部、の画。
今回作品では、ボディ前後パーツを接着後(←たった2パーツでボディ完成なのが驚き!)頭部ユニットを切り離し、真っ正面を向いていた顔を、やや下向きになるように調整・再接着しています。これ通常のMSなら『アゴを引いたカンジに修正〜』とか書くトコなんですが、なにせドムって“アゴ”ないから(笑)。
また頭部の角度を変更したついでに、頭部そのもののラインを若干修正。大河原 氏のイラストにあるような“微妙なライン”を削り込みで再現してみてあります(←このへんもマスターグレード キットを流用した方が早かったよね・苦笑)。

 

 

後頭部〜背面の画。
頭部の動力パイプは、手首と同様に“ど〜しても造り直したい”部分だっただけに、パイプスプリングと市販のパイプパーツ(プラ製)で新造してあります。こ〜した“改造用素材”が、いとも手軽に入手できるようになったのも、プラモ文化の進化のお陰。
このキットの発売当時ぢゃ、どうにもならなかった部分だものなぁ、この辺って.............(感涙)。
頭頂部&ランドセル上面のディテールについては、1/144キットのパッケージ イラストを参考に追加。このあたりもやっぱり“1940年代”的な仕上がり(笑)。そもそも“通信器を担いだ兵隊”みたいだもんね、このMS。

 

 

 

バックパック、もとい“ランドセル!!!”の制作途中画。
基本的にはキットのままで、細かい部分(フィン状のモールド等)のみ追加工作しています。
この角度だと“アタマの付け根”あたりの修正具合もよく見えます。エポキシパテにて“下すぼまり”なアールが付けてあるのが判るかな? このへんは『マスターグレード』でも再現されていない“大河原ライン”だよね(喜)。

 

 

 

完成体のランドセル。別段パーツの合いの悪い部分もなく、ワリと苦労なくにカッチリとしたラインに仕上がりました。
塗装色はずばり“ニュートラル グレー”。かつての“ガンプラ プーム”の際、よく使った色だなぁ.......... (郷愁)。
ちなみに“ヒート剣”は、プロトタイプ ドムでは このように“横刺し”にするのが正しいらしい。しかし横に長過ぎて....... 。
もし実在する兵器だったら不便だろうなぁ........ とか思う以前に、カメラのフレームに収まらなくって(←どの角度から撮影しても上手く収まらない:怒)困ったもんだ。
ちなみにヒート剣の刀身は、メタルコート/アイアンを塗装した上から、タミヤ/ウェザリング パステルの“青焼け色”をこすりつけて色味をつけてあります。単なるメタル色より“深み”が出るのでオススメですよ。

 

 

ボディ/腕周辺のディテールを見てみる、の画。
追加したスジボリ ディテールについては、先にも述べたとおり“パッケージ イラスト&1940年代テイスト”なカンジ。
またマーキングについても同様で、特に“追加したデカール”については『なるべく新しいデザインは避ける』よう気をつかってます。最近の市販デカールには“カトキ版デザイン”の印象が強いモノも多かったりして、それは個人的にも大歓迎なんだケド、こと『MSV』に使うには“デザインセンスが良すぎる”んだよね。
もっとダサいもの......... というかやはり『1940年代のメカに付いていそうなモノ』を選んで使ってみてます。。
加えてウェザリングについても、また同様だったりして。各部に施した“スレハゲ塗装”だけど、これってどう見ても『鋼鉄の装甲』での塗装のハゲ方だよねぇ........ MSが“鋼鉄製”なワケないし(苦笑)。 表面の塗装がハゲる→下地のプライマー塗装面が露出する→更にハゲて“黒っぽいメタル色”の地肌が現れる........... ってな具合にね。ここから“サビが浮き出す”ようなら、もぉ完全に“未来メカ”ぢゃないんだケド(苦笑)。さすがにそこまではやらずに留めてます。

 

 

ヒジ関節を“ポリキャップ化”したことで『360mm ロケット バズーカ(←ジャイアント バズと言わないのがMSV!)』も、ガタガタと不安定になることなく、しっかりとホールドできるようになりました。
キットのままの関節だと、バズーカ単体の重みに負けて“腕が上がらない”なんてコトになっちゃったりするんだよね。
しかも今回は“手首”も換装!! 表情豊かな“懐かしのロボット指”にて、しっかりとバズーカを握らせてあります。
塗装データ的には、手首もバズーカも同じ“メタリック グレイ”を塗装。これもまた数年ぶりに『Mr.カラー/黒鉄色』なんてのをベースに調合しましたが、懐かしかったなぁ(微笑)。最近じゃ不思議と使う機会もないもんね、この色って。

 

 

その“手首”なんですが......今回作品には、当“英国雑貨店”のオリジナル商品『ロボット ハンド』(現在は販売していません)を使用してみてあります。
もともと『懐かしのロボット用』にデザイン→原型制作しただけあって、 1980年代ロボットたる『MSV』にピッタリ!!
手首のデザインに関しては、現行『マスターグレード キット』の“指まで可動の手首”がベストだと思ってはいますが、やはり旧作キットの『MSV』には、こちらの“懐かし系のライン”を推奨したいです。

 

 


 

 

 

 

キットより大幅に変更改造された部分、その2。
手首に続いて、実はこんなトコロもデザイン修正改造しちゃってます。脚の裏???????
設定的には『基本的な構造は量産型MS-09と同じ〜』というコトなので、やはり足首は“ホバーユニット”でなければいけない。
ここも本来ならば『マスターグレード ドム』の“足裏パーツ”を流用改造すべきトコロなんですが、あれほどまで『一見してホバーユニットだと判る説得力』を有するパーツを付けてしまうと............... 旧キットベースの作品として破綻しませんか???
そんなワケで、どこか『大河原センセが描きそうなホバーユニット』を造形してみましたとさ。いかがなもんでしょ???
ちなみにこのアングルだと、腰スカートの“フチの厚さ”もよく見えますでしょ。キット状態だとこの部分“単にプラの厚み”で処理されてるんですが、やはり“適度な厚み”が欲しかったのでプラ材にて改造してみました。イイカンジでしょ???

 

 

 

関節部を可動としたことで、少ないなれどもイメージ的なポージングも可能となりました。
そもそも今回作品は『旧キットのスタイリングを煮詰めたかった』ので、方向性としては『可動主体』ではないのでこの程度動けば充分なんですが............. ちょっと方向性を変えて『完全可動モデル』を制作してみてもいいカモ。
もともと“中身カラッポのモナカキット”なんだから、いっそ中に『マスターグレード ザクVer 2.0』なんかを入れてあげて“フル可動”にしちゃうのも一案ですな。
あ.......... 『マスターグレード ドムVer 2.0』なんてのが発売されたら、きっとやるなオレ(含笑)。

 

引き続きイメージポーズの画、ながらに塗装のお話。
キット付属の組立て説明書では『ブラック→つや消し黒』『フトモモ等のグレー→ジャーマングレー+白少量』とされていますが、 今回はちょっと“ドム系MSらしく”見せたかったので、それぞれ『パープル』を基調とした色彩でまとめてみました。
ブラック部は『Mr.カラー/ウイノーブラック:85%+パープル:15%』。
グレー部は『Mr.カラー英国空軍機セット/オーシャングレイ:95%+パープル:5%』。
各部のレッドは『ガンダムカラー/レッド(1)』ってな具合になってます。
ここでひとつ“余談”ですが、 キット付属の組立て説明書どおり『ジャーマングレー+白少量』の調色を行わなかったのは、現在のジャーマングレー(Mr.カラー)と、当時のそれとでは“同じ色”ではない為。
旧『MSVキット』発売当時の1980年代のジャーマングレーは『青っぽいダークグレー』だったんだケド、最近のは『緑っぽいダークグレー』なんですよね。こと“AFVモデルの世界”では、それが“正解の色”なんだケド、1980年代のガンプラに使用するには“違う色”になっちゃうので、お気をつけくださいませ。
とはいえ........ よりにもよって“英国空軍カラーセット”を使用するとは、恐るべし“英国雑貨店”だわね。

 

 

 

はてさて、いかがでしたでしょうか『プロトタイプ ドム』。
いま一度書いてしまいますが、正直なところ“造った本人もビックリ”な、驚きの出来映えでした。
かつての『第一次ガンプラブーム』時に比べたら“格段にスキルアップした自分”が居て、工作や塗装に関して“おおよそ狙った仕上がり”を施せるようになったとはいえ、ここまで『理想的なプロトタイプ ドム』が出来上がるとは思ってもみませんでした。
余りにも嬉しいので、上画像の“特大版”をご用意いたしました。よかったら見てみてくださいな。


特大画像を見る

ともあれ、無事完成いたしました『プロトタイプ ドム』。
ぶっちゃけこれまで『ガンプラ 旧キット』には何度かトライしていたものの、皆“失敗”していただけに、今回の完成(大完成)は、ちょっとした“自信”にも繋がりました。
そしてなによりも、旧『MSVキット』のポテンシャルの高さをあらためて再認識。
今後の『PROJECT MSV』の展開も楽しみになってきました。
と、そんなワケで次回はなにかな? ま、気長におたのしみにね。


All Copyright(C)2009. Shinsi Eikoku All rights reserved.