Selamat datang Extrusion 13

○ マガジンケース
  
  インドネシア ブキットインダーのS社から舞い込んだ話。
呼ばれて、訪問し、見せられたサンプルがBのような
形をした、透明塩ビのパイプだった。
ところが図面を見せてもらうと、原料はPS
と書いてある。また、物性として、帯電防止
となっていた。用途は高周波小型トランス
の梱包と自動装着機への送りパイプである。
いわば、ICケースのようなもの。

 1 問題点
  
  ここから話が始まった。まず、サンプルはPS
ではなく、明らかにPVCだ。それを言ったら、
そんなはずはない、間違いなくPSだという。持っ
ていったPSのサンプルを燃やして臭いをかい
でもらった。先方のサンプルも燃やして、臭いを
確認した。明らかに違うし、塩素ガスのつんとした
臭いも明らか、彼らはうろたえた。10年前から
現在中国で作って日本へ輸入している、という。
確認せず、確認できず、誰もが信用し、また、客先は大企業のN社、そこも確認せずPVCをPSと信じきっていた。
失礼だが、大変滑稽である。
  もう一つ、帯電防止のこと、現在、一般的には、界面活性剤を使う。これの効果は永久ではないことが知られている。

 Engineering Plastic extrusion molding と Indonesia

マガジンケースB

射出品で半年程度、押出品ではほとんど効果はなく、あって、一ヶ月しか持たない。インドネシアからの製品なら日本へ着いたころには、全く帯電防止ではなくなっている。こんな話しも、相手は勿論初耳。
  私からの条件は、HIPSの透明で帯電防止はなしだった。それでOKというので、製品と金型の見積もりを出した。しばらく何の音沙汰もなかった。どうも、PVCのことで日本の本社が大騒ぎになったらしい。

  一ヵ月後に今度はAの図面が来た。これに変更という。とんでもない変更だ。何故こんな形にしたのだろうか、説明を求めても説明なし。本社の設計担当者がこれで行くということで、変更できないらしい。成形が出来るかどうかわからない形状だ。Bなら、丸のノズル・マンドレルからD,C,Dieに通せばいいが、Aでは製品と相似形の隙間を持った、ノズル・マンドレルを付けらなければならない。セット、偏肉調整も難しい、何より、内側の両方の出っ張りの長さや厚さの規制がないので、コントロールは出来ない。出たままである。
  出来るかできないかわからない時でも少しでも可能性があれば出来るといってしまうのが私。金型の見積もりは説明して高くした。しばらくして、これでやってくれといってきた。
  ここからがまた大変、金型はこちらで図面を書き、金型屋へ持っていった。こちらの金型屋は射出やプレスの金型しか作ったことがないので、半信半疑、こちらからは製品の形状に付いては責任はこちらにあることを説明し、とにかく、図面通りの金型を作って欲しいと頼む。何処の部分が重要か、それほどでもないところはどこかを説明する。
  原料探し、PSといってもGPPSとHIPSとまたそれらを混合すれば無限大の種類ができる。透明と衝撃に強いことが条件なので、HIPSしかない。透明があるか?ラッキーでした。エプソンの下請けが射出製品用に日本から大量に輸入していた。頼み込んで、それを融通してもらうことにした。

2 トライアンドエラー
  ノズル・マンドレルとキャリブレーションダイが出来上がり、早速トライした。案の定、両手が真っ直ぐにならず垂れてしまう。また、垂れ具合が一定しないので、両手の間隔が一定しない。また、上辺の内側からの幅が何処を基準にするか見当が着かない。その上、両手の長さが流すたびに違う。予想通りどうしようもなくなった
。でもあきらめるわけにはいかない。まず、両手の長さが流すたびに違うことは、チューブの金型の時、出方が真っ直ぐの場合と、内側が早くラッパ状になる場合と、逆に外側が早く閉じてしまう場合とあることに着目した。
  両手の長さが変化するということはノズルとマンドレルの温度調整が出来ていない。温度差がポイントだということに気が付いた。長さをチェックしながら何回か調整すれば公差内に入れることが出来ることがわかった。
 肝心の垂れについては赤線のように根元を厚くした。そのことによってほとんど垂れなくなった。製品はOKになった。S社は厚くしたことを何も言わない。図面を改定するようにこちらから提案したが、改定しない。図面は未だに前のままで、受入検査はOKになっている。 
 図面の通りの製品を収めると不良になる。こういうお客さんはいくらでもある。インドネシアでもあそことあそこ、要するに、日本の本社の設計者の説得がめんどくさいからである。
 また、原料が暗黙の了解を得ることがある。手に入りやすくて、安くて、物性が満足していれば、製品価格が安いことが大優先である。客先の担当者は、日本に内緒で原料のメーカー違いやグレード違いは黙認する。
  引継ぎの時はそれをしっかり伝えなければならない。

マガジンケースA

2008年1月チェック
 ICケースやマガジンケースで永久(持続性)帯電(制電)防止の原料の要求が多くなっているのでしょう。ですから、現在は、PS原料メーカー各社とも、、透明で持続性帯電防止のHIPSを売り出している。しかし、価格は通常の透明HIPSの二倍以上はする。
 また、HIPS以外でABSなどでも持続性制電性、表面低効率
10の10乗くらいの原料はある。

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インドネシアに関する何でも質問、エンプラ押出に関する何でも質問はE-mail kota02@y6.dion.ne.jpまでどうぞ。   静岡市 (株)太田化工  太田勝夫

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3 その後
  S社のタイから、また同じようなPVCの違う形のサンプルが届いた。しかし、今度はBの様な形で作ることになった。原料については以前と同じように説明し、納得してもらった。S社さん、社内の意思統一や情報網はどうなっているのでしょうか?サンプルを出してOKをもらったところまで進めて、私は帰国してしまった。その後、どうなっているのでしょうか、多分、知る由もありません。
  永久帯電防止の原料についてはBlaind Slatのページで書いているが、現在、透明の条件付であるかどうか確認していない。