Welcome to our Homepage  2009/12/06

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平成21年6月 注目した様々な質問 

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 「市長出馬要請」 猪股美恵(無所属) 市長周辺の空気

 「道徳副読本の個人購入指示」 市古映美(共産党) 文科省のいいなりでミス

 「待機保育児童」 斉藤隆司(共産党) 背景の本質を突く

「市長出馬要請」 猪股美恵(無所属)

 09年5月29日に下記(1)の団体が阿部市長に市長選への出馬要請を要請したと報じられた。後援会が要請しても誰も驚かない。しかし、地域団体で単なる連絡協議をする会である。特定の人に「市長出馬要請」する機能があるとは思えない。川崎市全町内会連合会、各区全町内会連合会が含まれており、猪股議員は質問の中でそんな話は町内会員である自分も聞いていないと言っている。このように一般的に公正中立であるべきと見られている個人・団体が含まれており、質問は機を得ている。


 「…市の選挙管理委員会事務局は、各区の委員を集めて行う研修会では選挙に関する中立公正を言ってきたわけであります。私は選管から中立と公平を除くと選管の機能はないと思っております。本当に市の選管としてよいのかどうか、改めて伺います。
 それから、保護司、民生委員のところは、民生委員法の中に、政治目的活動が第16条で禁止されています。特定の人に選挙に出てほしいという積極的な要請を本当にしてもいいのか、もう一度伺います。」


 選挙管理委員会事務局長「…関係規定上直ちに違法となるものではない…ただ、選挙管理委員の職責上、誤解を受けるおそれのある言動等には十分留意すべき…」
 健康福祉局長「…保護司及び民生委員・児童委員は特別職の公務員でございます。公職選挙法第136条の2には、公務員等の地位利用による選挙運動の禁止の規定がございます。また、民生委員法第16条にも同趣旨の規定がございますが、具体的な内容等を承知しておりませんので、お答えしかねるところでございます。」
 両者共に知らないと答えたが、調査するとは言っていない。これでは職責を果たしているとは言えない。グレーであるが、限りなく「黒」に近いと考えざるを得ない。
 これを受けて猪股議員は最後に以下のように結んだ。至言であり、現時点(9月下旬)の市長選候補者の状況変化を暗示しているかのようである。
「…今の体制の中でよくないことはよくないと言えない体質そのものが、私は今の問題だと思っております。…」
 
(1)市内の64団体でつくる「川崎市地域団体連絡協議会」が阿部市長に市長選への出馬要請をおこなった。以下の団体が含まれる。
 ・幸区選挙管理委員会の委員長職務代理
 ・保護司会協議会、民生委員児童委員協議会、社会福祉協議会等、公平中立な団体
 ・川崎市全町内会連合会、各区全町内会連合会、子ども会連盟などの団体
 ・市の補助金を受けている団体
 ・指定管理者が加盟している団体

 「小学校の道徳副読本の個人購入指示」 市古映美(共産党)

 今まで小学校の道徳副読本は、ほとんどの学校が複数備えつけ、共用または貸し出し用として使用していた。ところが、2008年度末、突然教育委員会から著作権上問題があるとして個人購入が指示された。
 教育長の説明によれば「小・中学校全国指導主事連絡協議会道徳部会」における行政の上記説明をうけ、教育委員会として「合同校長会議」へ流し、「各校」対応を指示したという。購入した学校、市内85校、5万2,598人、合計約5万3,000冊、1冊540円、総額2,840万円
 市古議員「学校で複数備えつけ、共用または貸し出しして使用するということ、これはどこから見ても著作権法に違反をするということは見出すことができませんでした。」
 著作権(法)に対して少しでも教養を持っていれば、“おかしい”と思うはずである。そう思わなくても市古議員が言うように、「根拠法をきちんと調べれば今回のことは起きなかった」のである。何があったのか?
 市古議員は問い合せに答えられない当局の様子を次のようにリアルに表現する、
 「私が著作権法違反の根拠の文書を出してほしいと何回言っても、(市)担当課からまともな答えはありませんでした。
 …文科省の道徳部会で説明するに当たって、その根拠になる文書、法令があるのではないかとの問い合わせに、文科省は開口一番、えっ、うちがそのような説明を…そして、もう一日待ってほしいということでした。文科省がびっくりして混乱をしている状況、こんなことってあるのでしょうか。」
 「…著作権を持つ教材出版社が共用で使用してもよいですよと言えば、この時点でも公費購入は可能でした。しかし、教育委員会は著作権法違反だとの一点張り。その上、勝手な解釈までして違反するわけにはいかないと繰り返す。どうして疑問も持たず…個人購入するように指示を出したか伺います。」
 「文部科学省からやっと返事をもらいました。…説明が間違っていましたとあっさり認め…。文科省の一言がどれだけ地方に混乱を招くことか、間違っていました、の一言で済まされる問題ではない…」「…川崎市も被害者と言えるかもしれません。(しかし)…どうしてもっと慎重に判断できなかったのでしょうか。」
 最後に次のように結ぶ。
 「文科省の指示どおりにやりましたということに終始をして、市教育委員会としての説明については言及をされませんでした。…今回、文科省の言うことをそのままうのみにしていったらどうなるのか、その象徴的な出来事だったというふうに思います。…現場にしっかりと目を落とし、声を聞き、自分の力で判断する見識のある教育委員会になっていただきますように切に希望いたします。」
 市古議員は市議会としての品格を保って穿った見方はしなかったが、筆者などは文科省役人が暗黙に出版社へ間接的利益供与をしていたと想像を逞しくしてしまう。

「待機保育児童」 斉藤隆司(共産党)

 「代表質問総評」で書いたように、各会派が質問している。待機児童数が昨年度よりも増えているのであるからその対策が厳しく求められるのは当然である。
 認可保育所入所申請 1万6,384人
 入所不可児童数     1,954人(前年比416人増)
 待機児童数     713人(前年比130人増―2年連続増加)
 
 どの会派とも代表質問は各議員で分担して質問の草稿を作成している。共産党もそれぞれ分野で分かれているはず、ここでの追及は鋭かった。
 現計画の発端とその内容をレヴューし、その計画が3年で脆くも崩れていることを指摘する。予測以上の人口増と経済・雇用の悪化が背景にある。計画の見直しも遅々としていることを指摘する。
 「かつてゼロを目指したにもかかわらず、2007年の待機児童が465人に上ったため、緊急に保育緊急5か年計画を策定し、2012年4月には待機児ゼロを目指すとしましたが、策定した2007年よりも逆に248人増加しています。この計画では2012年4月の利用申請数を1万6,400人と見込み、5年間で2,600人の入所枠を拡大するという計画でした。」
 「しかし、この間の人口増加と深刻な経済危機を背景に、利用申請者数は3年も早く約1万6,400人に達したにもかかわらず、今年度の認可保育所の定員数は1万3,605人ですから、この差を埋める抜本的な受入枠の拡大を緊急に図るべきです。計画の前倒しを行い、認可保育所整備の規模とテンポを抜本的に上げていくべきです。」


 待機児は1歳児が最も多く、保育は家計の死活問題となる。これが少子化問題と密接に結びついていると政府白書を引用する。
 「待機児の最も多い1歳児の受入枠の拡充は当然必要ですが、同時にゼロ歳児の受入枠を減らすことがあってはなりません。ゼロ歳児も1歳児、2歳児に次いで待機児が多いのですから、ふやすことはあっても減らすべきではないと考えます。」
 「人口急増とともに経済危機の中、不安定雇用が増大し、働かなければ食べていけない状況がさらに広がると考えます。保育所は、まさに家計の死活問題でもあるわけです。こうした実態を確実に、的確に判断して利用申請予測を見直すべきです。」
 「内閣府の2008年度の少子化社会白書は、急激な少子化の進行の背景に、就労と出産・子育てとが二者択一となっていると述べています。」


 一転し、現実の社会におかれた非正規労働者の例を引いて、全体の課題が個人の問題へ影を落とす有り様を具体的に述べ、対応を迫る。
 「非正規労働者は、産休制度があったとしても実際にはほとんどとれないために、出産か、退職か、二者択一の厳しい決断を迫られています。第2子を妊娠した非正規労働の女性から、出産前には退職せざるを得ず、したがって、上の子も認可保育所の退園を余儀なくされる、産休後にまた働きたくても保育所の入所がこんなに厳しくては目の前が暗くなると、第2子の妊娠を心から喜べないという訴えが寄せられました。」


 「こんな状況は一刻も早く解消しなければなりません。希望すれば入所ができるという保育所の整備を緊急に行うと同時に、産休・育休制度がとれない非正規雇用者に対し、出産後働く意思を持つ女性には、その期間の保育所入所を継続する手だてが強く求められています」。
 起承転結にリズムがあり、本質を掘下げている。更に、待機児童の実態を明らかにしていけば問題の具体化が進むであろう。ここは代表質問であるからしかたないが。


 回答は一般論にならざるを得ない。
 「夏ごろまでには見直しの骨子等をまとめる。今年度は緊急対応策を講じ、さらなる保育受入枠の拡大を図る。保育需要については、社会経済状況とも深く関連するので状況を踏まえ対応する。このような回答である。」

以上