今、いのちがあなたを生きている

東本願寺では、2011年にお迎えする宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌に
向けて御遠忌テーマ「今、いのちがあなたを生きている」を発表いたしました。
このテーマは、閉塞感あふれる現代社会において、私たち一人ひとりに何を問
いかけているのでしょうか。
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「自分がなりたい 自分になろう」
なんだろう なぜなのか
問いに自分がかくれてる
答えに明日がひそんでる
自分がなりたい 自分になろう
(作詞 谷川俊太郎)
これは生徒と毎週全校集会の場で歌っている本校校歌の一節である。しかし、実生活の中では、私たちはこの歌詞のように容易に自分がなりたい自分になれず、また自信を持って行動するということがなかなかできないでいる。現代社会における多種多様な問題に追われ、自分の本当にしたいことが見つからないままに過ごしているのが日常である。そうした状況にあっても、私たちの心の奥深くには、本当に自分が自分になって生きたいという願いが流れているのではないだろうか。
私は宗教の授業の中で、この願いの意味を尋ねながら、「生きるとは何か」ということを、生徒と共に学び合うように心掛けている。生徒は一見、無関心を装いながらも授業に耳を傾け、家庭の問題や友人関係、人間関係といった、様々な自分自身が抱える問題と重ね合わせ、このことを深く受け止めている。そうした生徒の姿に出会い、彼らの語る言葉を聞くことによって、私自身が「生きるとは何か」ということを、再び考えさせられるのである。
「今、いのちがあなたを生きている」という今回の御遠忌テーマは、日頃、様々な問題に振り回され、世間の価値観に流され、自分自身を見失っている私たちに対して、どこに身を置いても自分を飾らず、偽らず、自分を本当に信じ、自分が自分になって生きたいという願いを尋ねていこうという呼びかけではないだろうか。
高山耕 (昭和学園高等学校講師(大分県)[同朋新聞5月号]
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