「県の監査委員は、一体どうしていたのか」。富山県の事務費の不正経理が、最近5年間で2億8千万円に上ることが分かったが、これは県の監査でではなく、昨年の会計検査院の指摘がきっかけだった。
監査委員は4人で構成、トップの代表監査委員は代々、県庁のOBが占め、2人は県議、1人は有識者だ。このシステムでは、「全てに厳正」を貫けるのだろうか。
富山県信用保証協会。日ごろ、あまりマスコミにも載らない県の外郭団体だが、金策に駆けずり回る特に中小企業には、時に銀行より頼りになる存在だ。ここのトップが、平成2年から20年も、退職した副知事クラスの再就職先の“指定席”になっている。
最近、特に市町側の職員が気にしているのが、県の幹部職員が早期退職して、副市(町)長に就職するケース。15市町村の半数近くにも上っている。県は「市町側の依頼を受けてのこと」と言い、市町側の幹部は「県とのパイプをより強く」との思いのようだが、市や町の職員の心情は複雑のようだ。
天下りは、退職した公務員が勤め先と密接なつながりのある公団や公社、企業に再就職することだが、問題なのは、
そのことが就職先に便宜をもたらしたり、時に汚職にもつながることがあるからだ。組織のトップに上り詰め、さらに別の組織で格別の待遇と名誉を受けるのはどうか、という庶民感情もある。
政府の事業仕分けをきっかけに、糾弾のコールが強まっている天下りは、中央だけでなく、地方にもある。その典型的なケースをー。
監査のトップは県の元部長クラス
「監査委員は、知事から職務上独立した立場で、県の財務に関する事務や事務事業等が法令等に従って適正に執行されているか、経済的、効率的に行われているかなどを監査します」。県は、監査委員の使命について、ホームページなどでこう明記している。
監査委員のうち2人は「有識者」で、他の2人は地方自治法で定められている県議(任期は慣例として2年)。有識者の1人が常勤の代表監査委員で、いわゆる“大元”。このポストに平成12年ごろから、県の部長クラスが送りこまれている。任期は4年だが、それより短い期間の人や、再任された人もいる。
「行政に関する知識が豊富」、「他に適任者がいない」などが“内部登用”の理由だが、監査に求められるのは、行政知識にたけているということだけでなく、「これはおかしくない?」という市民感覚だ。
総務省も18年に、こんな指針を出している。「監査委員は外部の人材を登用することを原則とし、住民の支持が得られるような制度運用に努めること」。