写真と記事は関係ありません

常識が通用しない世界
富山県教委が、おもに新聞から拾った全国のケースは、聞いて仰天するものが多い。
・給食が必要だと言った覚えはないので、給食費は払わない
・登下校時に友達とトラブルになるので、学校が送り迎えしてほしい
・クラスに気に入らない子がいる。その子を別のクラスに替えて欲しい
・写真の中央に自分の子供が写っていない
・喫煙を注意されたが、人に迷惑を掛けていないので、指導は必要な い
・参観日に授業を録音した親が「先生の授業は、ここがよくない」と指摘 した
・授業の妨害をした児童の母親に注意すると、「先生に魅力が無いか ら」と反論された
・不登校の子が家でストーブをけり倒した。学校が弁償して欲しい
・いじめに遭うわが子を転校させるので、通学の交通費を学校が出して 欲しい
・自分の子どもには自宅で掃除をさせていないので、学校でもさせない で欲しい
・ピアノはうちの子が一番なのに、学校での伴奏を別の子にさせるのは おかしい
・うちの子は足が速いのになぜリレーの選手になれないのか
土下座させられる先生たち
これらのことから、考えられる同種のクレームとして、富山県教委は2つを上げている。
・自分の子どもの担任は、新採教員でない先生にして欲しい
・子ども同士の口げんかで、うちの子どもが腹をたてて机を蹴って足を けがしたのは、相手のせいだ。治療費を払ってほしい
このほかにも、全国的にはこんなケースがある。
・運動会の練習で「気をつけ」と号令をかけたら「軍隊みたいな教育を するな」と言われた
・携帯を取り上げたら「親が買ったのだから親のものだ。教師が取り上 げるな」と言われた
給食の中身についてのものもある。
・子供はピーマンが嫌いなので、給食からピーマンを抜いてほしい
「モンスター」とは言えないが、宗教上の理由で「子供を騎馬戦に参加させて欲しくない」「学校のお茶は飲まさせないで欲しい」(いずれも富山県内のケース)といったものもある。しかし、当該児童と周囲の児童との関係は良好と言う。
このように、モンスターペアレントが持ち込む苦情や要求は尋常でなく、持ち込み方もあくどい。学校で担任教師をつかまえ、苦情を長々と訴え続けたり、時には恫喝、土下座を要求する場合もあるという。
例えばこんな具合だ。配られたプリントを子どもが親に渡すのを忘れていた。親は先生に「本当に配ったのか」と言い寄り、プリントが子どものランドセルの奥から発見されると、親は「先生の指導が悪い。おかげで、わが子の宿題の提出が遅れた」と、とんでもない、いいがかりをつける。
「正体」はモラトリアム人間
学校を「監視」している人もいるらしい。校庭を見下ろす高層マンションに住む親は、双眼鏡で体育などの授業の指導ぶりを細かくチェック、連絡帳に「ここはこういう指導法に変えるべき」などと「助言」してくるという。
こういうモンスター・ペアレントは、今は数は少ないものの、徐々に増えており、これからも増える可能性はある。なにしろ、この種の特に母親の多くはは、小さい時、かなりわがままに育てられており、それがモラトリアムのまま、今の常識なき「親」に育っているからだ。
富山県教委も含めて、そのような親とは「とことん、理解が得られるまで話す」と言っている。しかし、親と先生が1人で対峙した場合、このような親が相手では、そう簡単に話はつくのだろうか。学校では、何らかの「指針」を望んでいる先生が多いようだ。

校庭の隅の駐車スペースに停まっていた先生の車に、児童が石を投げガラスを割った。親は謝るどころか、こう、のたまった。「校庭に石なんかがあるのが悪い。学校の管理不十分」ー。これは富山県外の例だが、県内では、給食に難癖をつけて、給食費を払わないトラブルが起きている。教委は「督促状」を送るなど、事態は深刻だ。
このような、「モンスター・ペアレント」と名付けられた「困ったさん父母」が、学校を悩ませている。富山県では、父母が礼儀正しく先生も大人しいのか、表立っては「給食費」ぐらいしか見当たらないらしい。「モンスター」は、犯罪のように見えて犯罪とは言えないところが、親たちを増長させ、学校を萎縮させているように見える。
富山市内では給食費不払い
富山県教委は、「モンスターの定義がはっきりしていないので…」と、いまのところ、調査を始めるつもりはないが、全国の事例は把握しているという。「モンスター」が、周囲の父母から「村八分」にされるという例も出始めており、何らかの対策を考える時かも知れない。
富山市中心部にある小学校の教頭は、最近のテレビや新聞での「モンスター」の行為に、「富山県では考えられないこと」と言っている。「先生と父母とのちょっとしたトラブルは時折あるが、大抵、話し合いで事が済んでいる。雨降って地固まる、ということが多い」とさえ言っている。
富山市内の学校で起きている、給食費の不払い家庭は10件余りで、学校は、督促状を送り続けているという。父母側の理由について、学校側は特に聞いていない、というが給食内容に不満があるものもあるようだ。「母親が身にブランド品をいくつか着けており、払えるのは確か」と言っている学校もある。
この問題は、市議会でも取り上げられ、当局は「法的措置も視野に入れている」と答えている。