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氷見の冤罪
 氷見市の、3`四方の狭い市街地。平成14年(2002)の正月、女生徒への強姦事件が発生、その2カ月後に未遂事件が起きた。
  新聞にも載らない、しかし、破廉恥なこの2つの事件の容疑で、無実の男性が刑務所に送られた。2年1カ月の服役…。富山県では恐らく初めての冤罪事件。「捜査のプロ」たちの不手際と、それをチェックする司法のメカニズムも完全には機能しなかった。
  犯人の手口は極めて特徴的で、滑稽なものもある。日中、女性が1人でいることを確認。女性をナイフで脅して部屋に押し入り、帰り際には「100数えろ、警察に言うと殺す」「指切りげんまんしよう」。
  被害者の話をもとに似顔絵が作られた。大きめの目、口にマスク、額に鉢巻きのような白い布。これといった特徴のない「顔」。それがきっかけとなって、まもなく同市内の男性が強姦・同未遂の2件の容疑で逮捕され、起訴。懲役3年の実刑判決を受けた。事件からわずか10カ月後だ。 
   だが、これで、「1件落着」とはいかなかった。
   強姦・同未遂事件は、公判が始まってからも続発していた。男性は17年の正月、仮出所したが、男性の犯行とされた2件の他に7件。発生場所は氷見市内の同じ地域で、手口もほとんど同じだ。
  大半の氷見市民は、多発する事件を知らなかった。当然、無防備のまま。
  本物の犯人が捕まった。18年夏。島根県松江市の無職の男(52歳)だ。犯した強姦・未遂は14件に上り、うち9件までが氷見市内だった。  
  「捜査方法に問題はなかった」
  翌19年の正月、県警が“屈辱の結末”を「誤認逮捕」として記者発表、「捜査方法に問題はなかった」と強調した。3年もの懲役をもたらしながら「誤認」という言葉は軽い。いくつかの新聞、テレビは「誤認逮捕」と報じた。
  捜査のプロたちは、穴があったら入りたい気持ちだったろう。どこかの段階で、「このやり方は間違っている」ーそう思った捜査員も多くいたに違いない。
“証拠”に合わせ自白誘導か
Yさん服役後も同種犯罪が7件
「捜査の常道」見失った?富山県警