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・演歌のいばら道 |
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電車の中でこらえきれず泣いている人を むかいの座席から見た。 電話で泣いて謝る人を改札へ向う途中で見た。 国道沿いのマンションの前で 恋人に泣きながら訴える人を 走るバスの窓から見た。 ブラウン管では、 お代官様に濡れ衣を着せられたと町娘が泣いている。 おばあさんがひとり煮物を つついてる古いアパートの一室は 玄関扉が開けぱなしになっていて 客のいない床屋の主人はソファのヒジかけに座って スポーツ新聞を広げてる。 何も知らない妻は夫の帰りを待ち続け、 友達にホントの事を聞かされた女学生は 部屋でふさぎこんでいる。 街のどこかから子供の泣き声が聞こえる。 ブラウン管から威勢のいい声が聞こえる。 いつのまにか お代官様は良いお侍さんに悪事をあばかれて ぐぅの音も出ない様子でヒザをついていた。 町娘は、もう泣いていなかった。 2004,3,03 |