■契約取消通知の書き方■


クーリングオフのポイント
通常のクーリングオフ
内容証明郵便によるクーリングオフ
クーリングオフ以外での契約取消
[補足]消費者契約法の解釈



クーリングオフのポイント
クーリングオフ・チェックシート
特定商取引に関する法律(第9条)



☆通常のクーリングオフ
相手が紳士的であれば普通郵便でOKです。葉書の場合は表に受取人の住所・氏名を記載します。手紙の場合は封筒の表に受取人、裏に差出人の住所・氏名を記載します。一応、書留または配達記録郵便(どちらも郵便物の引受けと配達を記録。書留は損害賠償あり。簡易書留では損害賠償に限度あり)をお奨めします。

<縦書きの例>

クーリングオフ(縦書き)書き方のポイント

@契約締結日(署名・捺印した日)を明記します。

A商品名を明記します。

B善意があれば書いておきましょう。

C契約取消日、つまり書面を提出する日を明記します。契約日を含め8日以内でないと有効となりません。

D差出人(あなた)の住所と氏名を明記します。印は無くてもOKですが、念のため捺します。

E受取人(契約書記載の販売所)の住所・販売所名・代表者氏名(わかる場合のみ)を明記します。

※手書きの場合は、字が消えないように油性ボールペンで書きましょう。また、書いたものをコピーして保管しておくとよいです。


<横書きの例>

クーリングオフ(横書き)

印刷用(A4縦/横書き)はクーリングオフ・PDFファイルこちらです。Get Acrobat ReaderAdobe Acrobat Readerが必要となります。


☆内容証明郵便によるクーリングオフ
内容証明郵便とは、「誰が」「いつ」「誰に」「どのような内容の手紙を出したか」を、郵便局が謄本によって証明してくれるものです。とりわけ、クーリングオフには行使適用期間が定められているので、「いつ」を証明できる内容証明は非常に有効的です。内容証明自体には契約取消の強制力はありませんので注意してください。

内容証明郵便には配達証明を付けるとなお良いでしょう。配達証明とは、書留郵便物を配達したことを証明してくれるものです。この2つの証明により、「いつ出したか」と「いつ届けられたか」ということが公的に証明されます。

内容証明郵便は、相手に心理的なプレッシャーを与えますし、「無視すれば法的手段に訴えることも辞さないですよ」という意味合いもあります。相手がよほど非協力的・非紳士的な場合にのみ実行してください。法的に反撃されることもあります(クーリングオフの場合は問題ありませんが)。

<内容証明郵便での一例>
縦書きの場合は、1行20字以内、1枚26行以内にそろえてください。これらを破ると内容証明として無効となります。

クーリングオフ(内容証明郵便)

書き方のポイント

@「誰が」「いつ」「どこで」「誰と」「何を契約したか」を明記します。

Aクーリングオフの行使をすることを明記します。例ではねちねちと書いてますが、「契約を取り消します」だけでもOKです。

B景品を返還する場合は書いておきます。

C契約取消日、つまり書面を提出する日を明記します。契約日を含め8日以内でないと有効となりません。

D差出人(あなた)の住所と氏名を明記します。印は無くてもOKですが、念のため捺します。

E受取人(契約書記載の販売所)の住所・販売所名・代表者氏名(わかる場合のみ)を明記します。内容証明の場合は固有名詞をできるだけ正確に記入した方がいいです。例えば朝日新聞の販売所の場合は「ASA○○○」などと書きます。


横書きの場合は、1行20字以内、1枚26行以内あるいは1行26字以内、1枚20行以内(下図左)あるいは1行13字以内、1枚40行以内(下図右)にそろえてください。これらを破ると内容証明として無効となります。

内容証明・横書き字数制限

文書は同じものが3枚必要となります(相手先送付用、郵便局保管用、そして差出人返却用)。手書きの場合は1枚書いて残り2枚をコピーすればよいでしょう。ワープロの場合は文書を3枚印刷します。用紙に関しては紙なら何でもかまいません。文房具屋では、カーボン製の専用紙も販売しています。当サイト管理人製内容証明用紙の印刷(A4/20字×26字)は内容証明用紙・PDFファイルこちらです。Get Acrobat ReaderAdobe Acrobat Readerが必要となります。

2枚以上になったらホッチキス等で綴じて、綴じ目にハンコを押します(契印)。契印とは、ある書類が複数の用紙等で構成されている場合に、それらを 一つの書類として証明するために綴じ目等に押す印のことです。契印により、複数枚でも一通の内容証明郵便であることを表明できます。

文字の削除や訂正の場合は、該当箇所に2本線を引きます。該当箇所は線を引いた後でも読めるようにしておく必要があるので、塗り潰したりしてはいけません。削除であれば線を引くだけです。訂正の場合は該当箇所の右横(横書きの場合は上)に正しい文字を書き加えます。文字を挿入する場合は、該当箇所の右横(横書きの場合は上)に追加したい文字を書き、「く」(横書きの場合は「V」)で挿入箇所を指定します。最後に、余白欄に「○行目△字訂正」、「○行目△字削除」、「○行目△字加入」と記載して、そこにハンコを押します。ワープロで作成する場合は、印刷前に校正すればよいだけの話ですね。

書き終えたら、郵便局へ行きます。内容証明を受け付けている郵便局は「○○中央郵便局」などの大きな郵便局だけですので、事前に確認の上、向かってください。ポストに投函してはいけません。

持ち物としては、内容証明郵便として出したい文書3枚、差出人と受取人の住所・氏名が記載された封筒、そして印鑑(文字の訂正等に必要)の3点です。もちろん、内容証明郵便の代金も必要です。

郵便局の内容証明郵便の窓口へ行き、3枚の文書を提出します。あとは基本的に担当局員の指示に従うだけです。配達証明を付けたい方は、それを忘れずに言いましょう。まず、担当局員によって文書がチェックされます。これは字数や行数、訂正の仕方等が正しいかをチェックしているだけであって、内容自体に訂正を求められることはありません。チェックが終わると、局員立会いのもと、差出人(あなた)本人が文書の1枚(相手先送付用)を封筒に入れて封をするように促されます。封筒を局員に渡すと、局員が文書の1枚(差出人返却用)を「謄本」として差出人に返却します。料金を支払い、最後に「書留郵便物受領証」を受け取れば、これで手続きは完了です。

「謄本」は、「誰が」「いつ」「誰に」「どのような内容の手紙を出したか」 を郵便局が証明した文書ということになります。

配達証明を付けた場合は、発送後しばらくすると、自宅に「郵便物配達証明書」(葉書です)が到達します。これは相手に内容証明郵便が配達された証拠となります。

「書留郵便物受領証」は、「謄本」を紛失してしまって復元したい場合や、「郵便物配達証明書」を新発行または再発行したい場合に必要となります。

最終的に差出人に行き渡る書類は、「謄本」、「書留郵便物受領証」、そして「郵便物配達証明書」(配達証明を付けた場合のみ)となります。郵便局での内容証明郵便の保存期間は5年間(配達証明は1年)ですので、それまではこれらを大切に保管しておきましょう。

郵便に関する詳細事項はゆうびんホームページを参照してください。郵便料金だけ紹介します。

基本料金…80円(25gまで)
速達…270円(250gまで)
配達記録…210円
簡易書留…350円
書留…420円
内容証明…420円(2枚目以降1枚増すごとに+250円)
配達証明…300円(差し出し後の請求は420円)
謄本の閲覧…420円

内容証明・配達証明は書留のみ可能です。内容証明郵便に配達証明を付けるとすると、費用は最低でも、書留420円+内容証明420円+配達証明300円=1140円かかることになります。

ちなみに電子内容証明郵便というのもあります。詳しくはこちら


☆クーリングオフ以外での契約取消
解約したいが、クーリングオフの行使期間は過ぎている・・・。そんなときは、まずは販売所に電話して、状況などを詳細に伝えて解約してもらえるように努めます。できなければ消費者契約法(または民法)&内容証明郵便の出番です。内容証明やら法律やらで相手を萎縮させる効果があります。しかし、確実に解約できるわけではなく、店との関係を悪化させること必至です。逆に訴えられる可能性すらあります(新聞の契約程度では平気だと思いますが・・・)。自分に非がないと思うのであれば実行してみるとよいでしょう。書面内容については専門家(弁護士・行政書士等)や消費生活センターに相談・確認してもらうことをおすすめします。

<内容証明郵便による消費者契約法の取消権行使の一例>

クーリングオフ以外での契約取消


[補足]消費者契約法の解釈
消費者契約法の概要
  • 「誤認」類型として、不実告知、断定的判断の提供および不利益事実の故意の不告知によって締結された契約を取消すことができます。
  • 「困惑」類型として、不退去・監禁又は退去妨害によって締結された契約を取消すことができます。
  • 事業者の責任免除上の効力、過大な違約金条項の無効、消費者が一方的に不利益な条項の無効など、契約書に規定された不当条項を規制します。
  • 取消権の行使期間は、追認可能時から6カ月以内、または契約締結時から5年以内です。追認可能時とは、「誤認」に気付いた時点、又は「困惑」が終了した時点を指します。
  • クーリングオフ等とは違い、原状回復に関する特別な規定はありません。民法と同様、当事者間(契約書)での合意が優先されます。
  • 平成13年4月以降の契約についてのみ適用されます。それ以前の契約には適用されません。
消費者契約法・チェックシート
消費者契約法


※拡張員と消費者契約法
  「第5条 媒介の委託を受けた第三者及び代理人」における、内閣府の見解として以下のような記載があります。

  事業者が第三者に対して消費者契約の勧誘行為をすることを委託した場合、これが当然に媒介の委託をしたことにはならない。
  事業者の委託を受けて勧誘した者がした行為の場合については、まず「媒介」に当たらない「勧誘」とは、そもそも如何なる行為であるかという問題があり(果たして「尽力」しない程度の勧誘はあり得るかとい う問題。)、仮にそのような場合があるとして、媒介に当たらない程度の勧誘という行為のみによって、取消しという効果を生じさせることによる他の規定による取消し原因とのバランスの問題もある。また、現実 に行われている取引に与える影響に比べて妥当であるかという政策判断の問題、更には、取消し原因とする必要があるような深刻なトラブル事例が果たして顕著に存在しているのかという問題もある。
  したがって、媒介に当たらない程度の勧誘という行為のみによって、消費者が消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をした場合については、取消し原因を与える必要はないと考える。


  仮に媒介に当たらない程度の勧誘という行為が存在するとして、新聞拡張員による勧誘が新聞販売所の媒介に当たらない程度の勧誘であると考えられるかという問題があります。販売所は如何なる理由(発行本社からの圧力)であれ、拡張団を入店させ、拡張員から契約を買い取り、部数として計上し、経営の存続を果たしている以上、拡張員の勧誘が販売所の媒介に当たらない程度の勧誘であるとは客観的に認められないと考えられます。そして、

ある取引において、事業者の代理人たる代理商が消費者に対して行った不適切な勧誘行為の影響を受けたことによって、消費者が自らの欲求の実現に適合しない契約を締結した場合、事業者は、消費者が望めば、消費者との間の契約を取り消されることになる。

という見解もあるので、拡張員との間に締結した、如何なる不適切な契約にも消費者契約法の取消権が適用されることになります。


※監査で嘘をついた場合はどうなるか
  拡張員がとってきた契約に対して販売所は通常、監査を行いますが、その際に消費者が特別に拡張員と交わした契約の内容を告げなかった場合を考えてみます。この場合、あとから消費者がその契約内容が虚偽のものであることを理由に契約の撤回を求める時に、消費者は販売所から詐欺で訴えられる可能性があるでしょうか。
  仮に事業者の代理人が消費者と結託して事業者を陥れるというケースを事実として考えるならば、消費者が事業者の代理人を「事業者の代理人」であると認識し、かつ事業者の代理人が消費者に対して事業者を陥れる旨を説明することが前提となるべきです。
  新聞の勧誘において、まず消費者が拡張員を「店員」であると誤認してしまうことがあります。拡張員と店員(又は専業)の違いを知らない消費者も多く、それらの消費者は何が何だか分からず、目の前の拡張員の言うことを信じる他ないという状況に追い込まれます。拡張員が「自分は販売所の人間ではなく拡張団に所属していて……また、拡張団とは……」と説明することは考えられません。
  また、拡張員が消費者に対して明確に新聞販売所を陥れる旨の説明をするでしょうか。例えば、「いつでも解約できる。でも販売所にはこのことは言わないでくれ。」という発言だけでは、販売所を陥れる旨を説明したことにはなりません。これだけでは消費者が誤認する可能性が高いからです。これに加えて、「一緒になって販売所を騙しましょうよ。」と告げることが果たしてあるのかというと、これも考えられません。
  従って、この場合、消費者が販売所を陥れたとは言えないことになります。拡張員の不実告知等による契約撤回の責任はあくまで販売所にあります。


※消費者契約法における立証の問題
  残念ながら基本的に立証責任は消費者側にあるとされています。しかし、例えば行使期間における消費者の追認月日の証明等、一部については事業者側に責があります。
  そもそも立証というのは一般の消費者が行うことは非常に困難であり、現状のままでは消費者契約法の立法目的を果たせなくなってしまいます。従って、事業者の行政処分や罰則の規定を設けるなど、事業者側に対してより厳格な規律を促す方策が求められます。平成13年4月施行の比較的新しい法律ですから、今後の判例の蓄積も重要なポイントです。
  とはいえ、裁判以前の、書類交渉に関しては実質的にそこそこの効力をもたらします。例えば、立証責任を補完する名目で、内容証明郵便と共に利用し、相手に心理的影響を与えるというものです。


※事例集
消費者契約法の解釈により契約を取り消せる事例には、取り消せない事例には×、微妙な事例にはがついています。
  1. 勧誘員に「○○新聞は素晴らしい内容の新聞ですよ。」と勧められたので契約した。しかし、実際に購読してみたところ、素晴らしい内容だとは思えなかった。

    ×
    「素晴らしい内容」と告げることは、主観的な評価であって、客観的な事実により真実又は真正であるか否かを判断することができない内容であるので、「事実と異なること」の告知の対象とはならない。


  2. 勧誘員に「新聞購読は大学受験や就職活動に役立ちますよ。」と言われたので契約した。しかし、実際には新聞購読は大学受験や就職活動に役立たなかった。

    ×
    「大学受験や就職活動に役立つ」と告げることは、主観的な評価であって、客観的な事実により真実又は真正であるか否かを判断することができない内容であるので、「事実と異なること」の告知の対象とはならない。
    また、「将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項」ではなく、第4条第1項第2号の要件にも該当しないので取消しは認められない。


  3. 毎日確実に配達するように勧誘員に念を押させて契約したが、新聞が届かない日があった。

    ×
    「毎日確実に配達する」ということは債務の内容になっていると考えられる。従ってこの事例は債務不履行の問題であり、「事実と異なること」を告げる行為には当たらない。


  4. 勧誘員に「取る気はないので、帰ってください」と言ったが、帰らなかった。結局、勧誘員の粘りに屈して契約してしまった。


    消費者が、その住居から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず(「「取る気はないので、帰ってください」と告げたこと)、事業者が撤退しなかったので、第4条第3項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。


  5. 勧誘員に故意に脅されて仕方なく契約してしまった。クーリングオフの行使も報復が恐くて出来なかった。


    まず民法第96条(強迫)の要件に該当するので、契約の取消しは認められる。
    消費者契約法においては、消費者が困惑した時には、事業者に対して住居から退去すべき旨の意思を示した場合に限り、第4条第3項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。



  6. 勧誘員に「いつでも解約できるから、契約してよ。」と言われたので契約した。しかし、後に解約しようと販売所に連絡したところ、「中途解約はできない」と言われてしまった。


    重要事項(解除権の有無)について、真実と異なることを告げている(いつでも解約できると告げたこと)ので、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。


  7. 勧誘員に「私と契約すれば他の勧誘員は来させなくするから。」と言われたので契約した。しかし、その後も他の勧誘員の訪問があった。


    「他の勧誘員は来させなくする」ということは当該勧誘員の債務の内容になっていると考えられる。従ってこの事例は債務不履行の問題であり、「事実と異なること」を告げる行為には当たらない。
    しかし、そもそも一勧誘員が他の勧誘員を来させなくする権利や権力を有しているとは通常考えられない。「他の勧誘員を来させなくする」ということが、消費者の当該消費者契約を締結するか否かの判断に通常影響を及ぼすべきものと考えられるならば、重要事項(金輪際の勧誘停止)について、真実と異なることを告げているので、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。


  8. 勧誘員に「後からお金を送るから」と言われたので契約した。しかし、新聞が配達されるようになっても送金されてこない。


    重要事項(金銭の還元)について、真実と異なることを告げている(後からお金を送るからと告げたこと)ので、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。


  9. 勧誘員から景品を沢山貰えたので契約した。しかし、後から景品と新聞購読の必要性を感じなくなった。

    ×
    契約時点において、両者の合意の下に契約が締結されており、かつ、事業者の行為は消費者契約法の取消し条項に何ら該当しないので、取消しは認められない。
    なお、「不当景品類及び不当表示防止法」や「新聞業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」等は、事業者の不正競争を取締まるための法律とルールであり、契約の取消しを認めるものではない。


  10. 勧誘員が「私は○○新聞の者です。」と言っていた。しかし契約後に、その勧誘員は実際には□□新聞の人間であり、契約も□□新聞のものであったことが判明した。


    「○○新聞の者です」と告げることは、重要事項(職業上の身分)について、「事実と異なることを告げること」にあたるので、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。
    また、民法の詐欺に当たる可能性も高い。


消費者契約法は自己責任時代の到来に合わせて制定された法律なので、契約を理解してトラブルに巻き込まれないようにする消費者の努力義務を設けています。消費者契約法の取消権を多用しないようにすることも心掛けなくてはいけません。


 間違い等あれば御連絡を



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