彩繕会テストリポート・・・遮熱・断熱塗装の効果をみる
                                     
                                               06-08-25 
                                               彩の会企画
■始めに
     
最近、室内温度を低くする目的で、屋根や壁に塗る遮熱・断熱塗料が商品化され、各社
競ってその有効性をアピールしています。当会では有効を証明する適切なデーターが少な
い事などから、お客様にすすめていませんでした。
     
しかし、今回お客様から夏、部屋が暑いので屋根の温度を低くしたいとの相談が有り、
この機会にテストをして効果を確認してみる事にしました。
     
貧乏組合ゆえ、試験設備等に予算をかけられず、ささやかでアナログ的簡易実験を選択
した事情から、明確な結論とメーカー・商品名等の公表は差し控え、客観的な考察と結論
を報告します。
    
又、簡易テストによる迅速な測定を意図し、蓄熱等の影響を避けるため、基材にブリキ
板を選択し、裏側に温度計を固定して表面温度とする単純な方法で行いました。
    
なお、塗材は遮熱顔料等を配合して日射の熱線(赤外線)を反射させる塗料メ―カー系
のものと、セラミック等を配合して、熱線反射・断熱効果を得る断熱タイプの2種類に分
類されますが、今回はその代表的な2種類を選定し試験に供しました。
    
   
■実験
    
●場所  千葉県柏
     
●試験板 ブリキ板 300×200mm   
     
●対象塗材                         
      
 A社(塗料メーカー):2液型シリコン樹脂
   屋根用遮熱塗料と普通水性シリコン屋根用
      
 B社:セラミック配合アクリルシリコン
    エマルション遮熱・断熱塗料
     
●塗装条件
      
 ◆塗り板
       
  A社:テスト趣旨を伝え代理店からA社に依頼
          
     遮熱塗料:茶  灰  白  各1枚
         
     普通塗料:茶  灰  白  各1枚
       
  B社:遮・断熱塗材を入手し作成 白 1枚
      
 ◆塗布量
       
  A社の塗り板 130g/u×2回塗り 260gと推定?
       
  B社の塗り板 標準塗装仕様 270g/u×2回刷毛塗り 540g/u見当(下塗省略)
     
●試験方法
       
 太陽直射下の合板台上に各塗り板を水平に並べ置き、塗り板裏面にアルコール温度計
 を固定、裏面側で測定し表面温度とする。
■結果

     測定表面温度 ℃
     ……………………………………………………… …………
                    A社               B社
     
         濃色茶色    中間灰色     白色      白色
        普通  遮熱  普通  遮熱  普通  遮熱   遮・断熱
        塗料  塗料  塗料  塗料  塗料  塗料    塗料
     ………………………………………………………  …………
     T1… 63   59    60   56    50   49     50
     ………………………………………………………  …………
     T2… 50  47    47   44    42   41    41
     ………………………………………………………  …………
     
     注− T1…試験日06.08.10 13:30 直射外気温38℃(直射下比較的中温域)
        T2…試験日06.08.19 11:00 直射外気温36℃(直射下比較的低温域)
          
       
■考察
   
 1、T1に於いて、A社の普通塗料間の差、茶〜灰は3度、茶〜白は13度、遮熱塗料間の差
   では茶〜灰3度、茶〜白は10度である。普通塗料〜遮熱塗料の差、茶と灰4度、白1度。
 
   T2では同上と同様の傾向も、この低温域になるとその差は少なくなる。逆に考えれば
   T1より高温域ならば更に温度差が多くなることが推定される。
    
   以上から、遮熱塗料に効果有り。しかし白が顕著に良い事から有効最大要因は明度か。
   
 2、T1に於いて、A社の白色遮熱塗料〜B社の白色遮・断熱塗料間差、僅差の1度。T2の
   低温域でも同様に差は認められない。
   
 3、濃色〜白色で最大13〜14度低くなるデーターを評価すれば、現状色が濃色、中間色な
   ら白色塗り替えが最も有効である。折板等鋼鈑屋根の塗り替えは意匠的に明色、白色でも
   違和感無い場合が多いので、効果が期待できる。
     
   
■結論
   
 1、遮熱塗料は屋根等の表面温度を低くする遮熱効果が期待出来る。しかし、遮熱・普通塗料
   共最も有効 な方法は、明色とりわけ白色にすることである。
   
 2、A社、B社に於ける白色遮熱塗料の遮熱効果、今回のテストでは効果僅少、両社同等。
   
 3、折板等、鋼鈑屋根の塗り替えは、遮熱・普通塗料共条件によっては効果が期待できる。

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 テスト後記・・・彩繕会代表 吉田勲
    
  今年の夏は雨や曇りの日が多く、天気次第のテストとなり、順調にとはいきませんでした。
  特に、より高温域でのデーターを取れなかった事が残念です。高温域では更に温度差が多くな
  り、遮熱効果が際立ったかもしれません。
    
  でも、今回は盛夏の普通の条件下で行っており、従って極端な条件に惑わされない、公平で
  冷静な判断材料を提供することが出来たと考えます。
     
  又、本塗装テストを公開したのは、多くの方達に見て頂き、それぞれが何かを感じ取って頂
  ければとの思いからです。
     
  何かご意見、ご感想、ご質問などお寄せ頂ければ幸いです。