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1975〜76年製 Greco EG-1200 prototype (probable)




2008年2月に入手したギター。

出品された商品を見た瞬間『あれ,これってプロジェクトシリーズのEG-1200じゃないの?』と思ったのだが,なんだか茶色が強いし画像だけではなんとも自信がなかった。しかし,他のシリーズにこの色があると聞いたことはないし,グローバーペグ,ストライプドエボニー指板,フレットエッジバインディングという高級機仕様,グレコのプロジェクトシリーズだと判断し入手した。

このギターにはシリアルナンバーが打刻されておらず,またピックアップも交換されていた。

古い時代(いわゆるグネコ時代)のGrecoのレスポールはヘッドが大きく,このギターのようなスモールヘッドモデルの起源は1975〜76年に発行されたカタログVol.4に掲載されたEG-700に遡る。1976年のカタログVol.5ではEG-1200(この時期はまだプロジェクトシリーズではない),EG-900,EG-700がスモールヘッドになり,その後スモールヘッドは樹形図の枝葉を広げ,ラージヘッドはネアンデルタール人のように絶滅していった。

私の得た情報の範囲で,スモールヘッドのレスポールモデルでシリアルナンバーがヘッド裏に打刻され始めたのは1976年後期からで,1975〜76年生産の個体はノンシリアルで,ピックアップスタンプによって製造年が同定されている。

このギターはノンシリアルなので1975〜76年前半の製造されたものだと思われる。この時代に製造されたスモールヘッドモデルはEG-1200,EG-900,EG-700だが,このギターのように白蝶貝のポジションマークインレイが確認されているのはEG-900だけでEG-700はパーロイドセル仕様になっている。プロジェクトシリーズになってからのEG-1200はパーロイドセル仕様になっているがこの時期のEG-1200については情報がない。

ここまでをまとめると,このギターはEG-900のセミオーダー的特殊カラー仕様かEG-1200かどちらかだということになろうか。しかし,塗装の手間はEG-900などよりずっとかかっていて,同じ価格の製品に採用されたとは思えない,しかしかといってEG-1200というには色が違いすぎる気がする。私の推察はここで行き止まってしまった。

ここで,グレコに対する深遠な知識を持ってサイトStudio Grecoを運営される狛江のグレコマニア氏に質問してみた。

氏はこのギターがEG-1200とはあまりにかけ離れた印象があることを指摘,習作品ではないかと推察,さらに1978年の音楽雑誌にこれと同様の塗装のFender系コピーモデルが『バイオリン仕上げ』として掲載されていると指摘(参照写真)しさらに説を固めた。

おそらく1975〜6年頃までにグレコはこのような塗装法を開発しながら量産品及び特注品レスポールモデルへの適用は見送った可能性が高い。正直いって見栄えが悪いし納得がいく。その後かのプロジェクトシリーズのカシュー塗装を採用したのだろう。


重量は4.3kg,ボディーは綺麗だがヘッドのロゴの周囲の白変が強い。以上の推定が正しいとすれば,これはかなりレアなギターということになる。

2008年6月20日,入手後にScreamin'に換装していたピックアップを1981年製Z-DRYに再換装した。実は私はDRYの音については今まで全く経験がなく,Screamin'でも十分いい音がするじゃないかとそれなりに満足していた。しかし,Z-DRYに再換装してみて,その認識が私の経験不足によることを痛感させられた。D-DRYはまるで高級なボルドーワインのよう,ナンバードPAFよりも高音が煌めいていてU3000の血が多少混じっているのかなと感じさせるが,素晴らしい音で弾いていて陶酔してしまう,名前はDRY(乾いた)だが,音には艶も潤いもある。Z-DRYが高級なボルドーワインなら,Screamin'はボジョレーヌーボー,若々しいがZ-DRYの音を聞いた後では含まれた倍音成分の単調さが耳についてしまう。Z-DRYが高値で取引されているのに納得してしまった。









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