限定カラーのEG-1000,初めて所有するカラー。黒とチェリーレッドの個体は所有していたが,このようなカラーが存在すること自体を知らなかった。 ヘッドの裏にはシリアルナンバーはなく,マウントされたU-3000ピックアップ裏側にスタンプされた数字の二桁目が'5'であることから1975年のものと判断。回路はバージンハンダの封印が残り電気系統に手が加えられてはいない。 出品されたときの商品の状態は酷いもので,フレットは完全に錆びた釘のように赤さびで埋まり,ピックアップのポールピースは先端が錆び,ハードケースの内張に6つの連続した赤褐色の軌跡を残していた。テールピースもブリッジもなし,ダイヤモンドインレイも割れていた。この時代のEG-1000はダイヤモンドインレイの部分が弱いように感じる。私が所有するチェリーレッドの固体は全体的に非常によい状態でありながらこの部分が割れ気味になっている。 状態の良いギターだけが人を惹きつけるわけではない。悪い状態のギターでも,いや場合によっては悪いからこそ人を惹きつける。年月が作り上げた凄みのようなものが見るものを圧倒する。 ジャックの内側を軽く研磨したあとアンプに繋いでみる。PUは生きている,しかしジャックから生じる接触ノイズとポッドのガリも酷いものだ。 あとはプロに任せることにした。いつもお世話になっている佐藤氏,彼は秋田市で輸入ギターパーツ販売・リペアショップ"First Touch"を営んでいる。彼にお願いした。全体的なクリーニング,ポッドの洗浄,ジャックのリペアを終了,料金はなんと4000円!!,なんとリーズナブル。個人でやっている強みだろう。 生き返ってきたギターは素晴らしい音で歌った。 年月はまるでワインを醸成するようにギターの音までも醸成していく,いくら人工的に乾燥させても決してでない音,これだからオールドギター発掘はやめられない。 この時代ならではの太くて力強いGrecoのロゴ,そのロゴに負けない素晴らしいギター。
|