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1977年製 Greco EG-1200 Project Series "No.1" #H775818






ピックアップカバーのない状態で入手したが,2008年3月9日,カバーを装着した。

この年になると自分の保守性というものを素直に認めることができる。若い頃の奇抜さや革新性を過剰に意識した物言いは,実は自らの保守性を痛いほど感じているという認めがたい事実に対する反抗だった。ピックアップカバーを装着した保守的で端正なレスポールは,私が最も美しく感じるギターだと今だと素直に言える。

グレコのプロジェクトシリーズというのは,私の記憶の中では,いわば天上の存在だっ た。秋田の片田舎に住んでいた中学生には触れることはおろか実物を目にすることすら叶わなかったギターである。

当時のグレコのギターは最上位グレードでもバックはマホガニーの2層構造で集成されている。同じ時期のEG-1000を所有しているが,同様にバックは2層になっている。ギターの蒐集を始めて最初はこの安っぽいこの構造を笑ったが,これは耐久性を重視した宗家Gibsonの構造を摸した結果であり,最近ではギターの進化を辿る上で重要な構造だと捉えている,というかそうでもしないとちょっと腹が立ちそうだ。トップはハードメイプル,ネックはメイプル3ピース,指板はエボニー,ペグにはグローバーが奢られている
。ピックアップはU4000。

フロントピックアップキャビティーには○に『カ』のスタンプが押印されいる。プロジェクトシリーズ用ということを意味しているとは思うのだが,なんで『カ』なのかは不明,普通に考えると『P』とか『プ』だと思うのだが,それとも制作者の名前の頭文字だろうか。ならば他の制作者を表すマークもあっても良さそうなものだ,吉田さんの『ヨ』と か鈴木さんの『ス』なんかもあっても良さそうなものだ。単にチェック者の確認印ではなかろうか。キャビティー内面は毛羽立っていて高級機種にしては雑。接着剤もはみ出したまま。見えないところにまで手間暇かけてこそ高級機種だと思うのだが。


このギターの特徴はその塗装にある。バイオリンフィニッシュと呼ばれた塗装は,その名前が表すようにバイオリンを意識したことは間違いない。製品企画者はバイオリンの塗装の雰囲気をギターに再現したかったのだろう。この塗装は時間と共に退色しなんともいえない良い色へと変化していく。私の記憶では新品はずっと茶味が濃かったと思うが,すでにハニーバーストのような味わい深い色調に変化していて,
エスカッションに隠れていた部分に本来の色が残っている。私は退色のないEG-1200も所有している。2台は30年の時を経て全く違うギターになっている。 もちろん,こっちのギターの方がいい。

重量はかなり軽く3.6kgしかない。一般的なレスポールが4.2kg程 度あるのに,これは10〜15%も軽い。持ち上げるとちょっと驚いてしまう。ステージでの使用なら軽くて楽だったかも。セミホローでもないのになぜこんなに軽いのかは不明。ピックアップキャビティーは確かに深いが,これだけでこれだけの重量減になるとは思えない。材が相当に軽いのだろう。






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