1977年製 Greco EG-1500
Project Series #F776725
2008年5月,プロジェクトシリーズの最高峰EG-1500,以前から,もう中学時代から欲しかったギターをようやく入手できた。
直前に値が張るギターを無理に入手したので財政的にかなり厳しい状態になってしまったのだが,いくらお金があってもその時に欲しいギターがなければどうしようもない。この時を逃したらもう手に入らないと判断,来年の分まで買ったつもりと考えて出費を正当化することにした。もう暫く大物には入札できそうにない。
プロジェクトシリーズには意図的にプレーンなトップ材が選択されていると今まで思っていたのだが,このギターにはトラが出ている,仮説は否定された。
私はどうもこのようなさりげないトップに弱い。あからさまな自己主張を伴わずにちらちらと上品に浮かび上がるトラやバーズアイなどの杢模様を見てしまうと焼き鳥屋の煙に誘われるようにふらふらと吸い寄せられてしまう。半分だけうっすらとしたトラ,格好いいなあ。
バックを除いてとても状態がよいギター,とても大切に弾かれていたのだと思う。バックのバックル傷はやむをえない,パジャマやジャージを着て演奏しろとは言えない。このギターは塗装が繊細なので傷が残りやすいと思う。ノブ類はスピードノブに交換されている。
このギターは相当長い期間保管されたままで弾かれていなかったようで,フレットには淡緑色の錆が浮いていた。おそらく前の所有者は弾くためではなく所有すること自体を目的としてこのギターを所有していたのだろう。否定的に聞こえたかもしれないが私はそういう所有の仕方を否定しない。ギターを集め始めてから10年近くになるが,集め始めた頃に,滅多に弾かないギターをたくさん所有するのはギターが可哀想だと悩み,一度集めたギターのかなりの本数を処分したことがあった。
しかし昨今の異常とも言える蒐集ブレークを見ていただければ分かるとおり,最近は違う。盛者必衰,万物流転,私はこれらのギターを永遠に所有し続けることなどできない,次に所有する人にできるだけよい状態で残すことにだって重要な意味がある。長く弾かれないギターは確かに可哀想かもしれないが,なら徹底的に弾かれて天寿を早期に全うすることがギター冥利に尽きるとも思わない。ジャンク品を生き返らせることには当然意味が意味がある,同様に,弾かずに丁寧に保管しておくことにだって重要な意味がある,そう考えるようになってからコレクション速度が加速を増した。
指板の垢を落としてフレットを磨き上げるのは楽しい作業だ。スムーズな指板とフレットはギターの命といってもよい。
届いたギターの内部を覗いてみるのは最高にエキサイティングだ。ピックアップを確認,おや,1977年製ならU4000が搭載されているはずだが裏には"PAT No. 2,737,842"という刻印,リアPUには"Pat. Appl. For"のステッカーが貼られており,いわゆるGibson New PAFであることが判明,1980年頃からレスポール80などに搭載されていたものだ。スタンプはフロントが137980,リアが138183,私にはこの数字が意味する時期は分からないが,1977年製のギターに80年代のPUが搭載されているということは換装されているということだ。オリジナルでないというのはちょいと残念ではあるが,程度のよいNew PAFだとセットで4〜5万円程で取引されているから悔しがるほどのことではないのかもしれない。音は素晴らしい。
フロントPUキャビティーには手書きで○に『カ』の文字が確認された。○に『カ』のスタンプを押されたEG1200を所有しているし,ネットで同様のスタンプを押されたEG-1200を見たことがあるがこのような手書きのものは初めて見た。しかし,なんだか格好悪いなあ。
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