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1982年製 Tokai LS-120 #2012690




2008年2月,初めて手に入れたLS-120。

実はこのギター,落札して手元に届くまではLS-80だと思っていた。オークションに提示された写真を見る限りでは,おとなしい上品な杢が多少入っているなという程度にしか見えず,私は多少の杢が混じったLS-80だろうと思って入札していた。ボディーバックにやや傷が多かったし(とはいっても私にとっては全くの許容範囲,バックの傷なんて殆ど気にしない),時を同じくして出品されていた美品・フルオリジナルの1981年製LS-100が参加者達の目を引いていたようで,傷の多いLS-80と思われるギターは売り手にしてみればどうやら分が悪いようだった。そのLS-100は19万円弱という高値で落札されたが,このギターはその半値以下,LS-80の相場価格程度で落札できた。落札価格からみても多くのオークション参加者達がLS-80とみなしていたか,あるいはLS-120かもしれないが危険な賭けに出ることを躊躇した結果だと思う。

オークションは楽しい。届くまで期待と不安に満ちた気分もまたいい。さらに手元に届いてからギターの細部を調べるのも実に楽しい。何が出てくるか,当たりか,はずれか,わくわくしてしまう。

梱包を解いてまずこの杢に驚いた。なんともダイナミックな,積乱雲がもりもりと湧き起こるような綿のような杢,しっかりとフレックも入っていて上質なハードメイプルであることが分かる。指板はハカランダのように見える。ピックアップを外してみる,LS-80に標準搭載のGOTOH PAFではない,これはDimarzio PAF,コントロールボックスを開けてみると基盤仕様でハンダを剝がした跡はない,ということは,これはLS-80ではなくフルオリジナルのLS-120 だということだ。ヘッド裏のシールを剥がした跡をよくみると"120"という数字が見える,間違いない。


ラッキー!!,美品のLS-100が19万円弱で落札されている時に,多少の傷はあってもこの美杢のLS-120がその半値以下!!。

この記事を読まれた方は『山内ってヤツは本当に運のいい野郎だな』と思うかもしれないが,現実はそんなに甘くはない,自制心を欠いた感情的入札,商品の価値判断を間違えた入札ミス,今までにもう相当な勉強料を払っているし,最近でも相場の3倍も払ってしまったものだってある。たまに運がいいことがあれば殊更に強調したくなる気持ちがお分かり頂けるだろう。

オークションの楽しさは『賭け』の要素によって大きく膨らむ。自分だけその商品の価値を知って,他の参加者には『大した品じゃない』と思わせれば勝ちだ。 下手に商品の高い価値が他の参加者にばれてしまうような質問をしたら負け,しかし質問をしないと目当ての品かどうか確認できない,ここに賭けが働くのだ。 たとえばこのギターであれば『ピックアップの銘柄を教えて下さい』とか『指板の材質はなんですか』『拡大写真の提示してもらえますか』などという質問に出品者が応じてしまえば,高値入札の乱戦になることは必至だ。目を肥やして,僅かな情報から商品の価値を判定できるようになればオークションマスター,しかし,そこに至るまでには相当な勉強料を払わなくてはならない。

ちなみに,くだんのLS-100は間もなく落札価格に10万円ほど上乗せされてeBayに出品されていた。この手のオークションブローカーによってオークションは荒らされ良いジャパニーズ・ヴィンテージはますます高値になっている。彼らは高価なミントコンディションのギターばかり狙って入札するので,ウオッチリストにいくつか登録すれば同じIDが出てくるので分かる。個人の自由なんだろうけど,正直,ブローカーのオークション参加は迷惑だね(私も相当に迷惑がられていると思うけど)。

運良くというか,ブローカーは海外に出品しても決してクレームがつかないような良品ばかりを狙うので,使い込まれたギターが好きな私と入札合戦になることはまずないが,ミントコンディションのギターが欲しい人はブローカーとの熾烈な戦いを覚悟しなければならない。













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