1984年頃製 Bill Lawrence BC1D-62 Challenger-1D 3TS
ビルローレンスBC1D-62,62年製ストラトキャスターをモチーフとしていることをヘッドのある"MODEL Black '62"が示す。指板を除いて基本的にBC1D-57と同じだが,11点止め3plyピックガード,ブリッジ駒が異なる。この個体のボディーはアルダー1pcで当時の65000円という定価を考えるとかなり贅沢な作りになっている。 PUはブラックラベルを3機搭載してる。ブラックラベルの外見的な特徴はボビン中央にある穴,これが3,4弦間に1つだけならブラックラベルで,1,2弦間,5,6弦間も穴があって合計3つの穴があればブラックトレーサーであるらしい。ややこしいことに外見がブラックラベルPUであっても裏面にバーマグネットがあるものとないものがあり,私の所有するBC1D-62,BC1D-57はいずれもバーマグネットつきのものを搭載している。ビルローレンス研究の嚆矢ともいえるサイトThe Study Of Bill Lawrence Guitarsによると,ブラックラベルを搭載したChallenger-1Dは資料上1984年6月〜12月まで販売されていたことが確認されているがその後PUはブラックトレーサーに変更されているらしい。ブラックトレーサーはボビンに3つの穴があるため外見から容易に判断できるという。 「裏面にバーマグネットのない普通のブラックラベル”はゴリゴリジャリジャリという感じの音がするが,マグネットがつくと音が大きく変わる。良くいえば角の取れた音,悪く言えばブラックラベルらしい音の粒立ちがなくなったよくあるシングルコイルPUの音である。」と以前私はこのHPに記載したが,その後試聴を繰り返したところ実際には2つのブラックラベルの音はかなり似通っていると感じるようになった。ほかの一般的なシングルコイルとは明らかに違うブラックラベル色の音色の傾向を感じ取れる。 同時にブラックラベルはちょっと問題のあるPUである。コイルの断線が原因と考えられるトラブルが多発している。荒っぽく扱ったら断線したとか,手入れが悪かったから断線したとか,どうやらそのようなレベルではないようだ。 私が他に所有するブラックラベルを搭載したストラトにもコイル断線起こしたものがある。外見は綺麗なのに断線している。通常コイルの端付近で断線すると音が全くでなくなるが,コイルの中程で断線した場合にはコイルがキャパシタンスをもっているので交流的にはつながっていて音が出る。この場合には低音が抜けたカリカリした音になり,フロントやミドルであればトーンを絞ると音が殆どしなくなる。このように「突然死」あるいは「仮死状態」になったブラックラベルの報告は結構多いようである。ネットオークションなどで入手するときには音が出るか出ないかだけでなくトーンを絞っても音量が落ちないかどうか確認する必要がある。やられているPUは結構多く「生きていればラッキー」と考えた方が良さそうだ。現在私の所有するギターに載っているブラックラベル(バーマグネットがないタイプ)15個のうち,完全に生きているのが10個,仮死状態が5個,死んでいるのが0個(死んでいるのがPUがあるのが分かっていれば手に入れようと思わないから当然だが)。同社のL-500やL-250が頑丈なだけにこのPUの脆さには釈然としないものがある。 PUの座刳りの深さをバーマグネットのないPUに合わせてルータリングしたからだと思われるがPUの下がクリアランス不足でミドルPUを充分に下げられない。そのためミドルPUキャビティー底部に若干の修正作業を要した。 このギターはいわゆる”激鳴り”である。生音がアコギのようで,ある特定の周波数は日光東照宮の鳴き竜のようにフラッターエコーを形成してボディーに共鳴する。
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