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1989年頃製 Bill Lawrence BC2E Custom


オールウォルナットのストラト,機種名は断定できないがおそらく間違ってはいないだろう。BC2E-Customと呼ばれるカスタムメイドギター,ボディーはウォルナット1pcを贅沢に使っている。PUはブラックラベル。

このようなベッコウ柄のピックガードを使った機種は1989年11月のカタログに掲載されている。指板仕様の違いを除けばストラトは2機種,テレキャスターモデルには4機種にこのようなピックガードが採用されている。下のカタログ写真にあるBC2E-90Bと本体とネック材を除けば殆ど同じでほぼ同時期に作られたことが推察できる。これ以前の時代のウォルナットのストラトはレギュラーラインで製造されゴールドのミラーピックガードが使われていた。そのギターは13万円だったからおそらくこれも似たような価格だろう。

同じカタログの巻末にBC2E-Customという機種名だけが記載されている。ボディー材は"Special"ということで限定されていないし価格も決まっていない。もしかしたらマホガニーやメイプル等を使ったものもあったのかもしれないがウォルナット以外のものは確認できていない。

ネックポケットにはBC2E-Nとしか記載されていない。ネックポケットにある記載は当然ながら購入者に向けた情報ではない。作る側,つまりモリダイラ楽器の職人同士で交わされる情報でしかない。つまり彼らの間で必要なことだけが記載され必要でないことは省かれているということ。たとえばストラトボディーに固定型ブリッジを搭載した某アーティストモデルのネックポケットには機種名は記載されておらず塗装仕様だけが記載されている。また外観から明らかにその機種だとわかるようなユニークボディーを使った機種でも同様に機種名は省かれていて塗装の指示だけがネックポケットにあることを複数の個体から確認している。

"BC2E-N"が職人間の情報として意味するところは,"E"はエボニー指板のネックを使うということ,そして"N"はおそらくナチュラルフィニッシュを意味している。ウォルナットボディーのストラトはオールウォルナットという決まりがあれば指板材とフィニッシュを何にするのかさえ分かれば作業は進む。

エボニー指板は好みの分かれるタッチ。とにかく硬い。個人的には硬すぎる。エボニー指板のギターを手に入れたときの注意は指板の汚れ,黒くて目立たないがすこぶる汚れている場合が多い。垢のように溜まっているのは分かりやすいが実はそのように見えない部分も相当汚れている。このギターの指板を磨くのに20枚ほどのペーパータオルを要した。

音は普通のストラトに木魚と鈴を足したような音。暖かい音だが高音が曇らずむしろチリンチリンという綺麗な高音が出る。クリーンで使いたいギター。



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