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1985年頃製 Bill Lawrence BL3-01R PW


ネック側とミドルにL-250,ブリッジ側にL-500を搭載するBL-3。L-500を2個搭載するBL-1がダブルハンバーグセットならL-250を3発搭載したのBL-2がトリプルジャンボエビフライセット,そしてBL-3は差し詰めハンバーグとエビフライの店長お勧めコンボセットといったところだ。

純正ではメタルノブが使われているがこの個体では目盛り付きのものに交換されている。また前オーナーの音質面の好みからだと思うがブリッジはブラス製のものに交換されている。

ストラトを改造してフルサイズのハムバッカーを載せるというのはいつ頃からあったのだろう。それはストラト改造の第一歩でありその延長上に1980年代後半に繁栄したネオストラトがあるという点で重要なポイントだが,偶然というよりも必然的に生じたと思う。シングル3発のストラトを所有していて手元にハムバッカーがあれば誰でも載せたくなる,そう思うから。

アメリカでは古い時代から本家Gibson PAFがあったから1960年代にはハムバッカーに換装され始めたと考えられる。日本において1960年代にPAFだけ単独に手に入れるのはとても困難だっただろうし,その後まともなリプレイスメントPUが出現したのは1970年代末だからおそらくその頃かと思う。しかし一般的なものになるにはさらに相当な年月を要している。なぜなら殆どのギターキッズは独自のギタースタイルをもっていた訳ではなく単に好きなギタリストもデッドコピーを目指していたに過ぎないから,いくらサウンド面でアドバンテージが大きくても人気ギタリストそのようなギターを使っていなければ改造しようとも思わないしそのようなギターを買いたいとも思わないからだ。リッチーブラックモアやイングウェイのファンがストラトにハムバッカーを載せたりはしないということだ。当時ハムバッカーを載せたストラトを弾いていた人気ギタリスト……誰かいたかな,思い出せない。おそらくはそのような理由からだと思うがS-S-Hのネオストラトが商品化されたのは1980年代半ばからだった。

さてBLシリーズの3機種はそれぞれどのような人達に購入されただろう。

L-500を2個搭載したBL-1はBLシリーズの最人気機種でBLシリーズの中で最後まで生き残っていた。これは明らかにハードロック・ヘビメタ系だろう。傷んだ個体が多い点から見てもそれが窺い知れる。いい音で鳴るがサウンドバリエーションの幅が狭い。

L-250を3個搭載したBL-2は万能選手。ヘビメタ系の重い音は出ないが,それ以外ならどんなジャンルにも対応できる。大人しく理性的なギタリストに使われていたであろうことが個体状態の良さから想像できる。

BL-3は,いろんな音楽に使いたいがここぞという時には前に出る派手な音が欲しい人。S-S-H構成のギターを買う人は大抵はそうだろう。リアのL-500の音の存在感は他のPUではなかなか出せない。ハードなリフやソロも使うが優しいクリーンサウンドも入れたいポップス系ギタリストやスタジオミュージシャン系ギタリストか。個体の荒れ具合はBL-1とBL-2の中間程度。

このギターには初期型のL-250が搭載されている。初期型はバーポールピースのブレードがほぼ完全にフラットなので容易に区別できる。もう1台のBL-3はほぼ同時期のものだがこちらは中期型のL-250が搭載されている。

このBL-3というギターにはちょっと悲運が漂う。とても良いギターなのだが当時絶頂にあったS-S-H構成でFlyod Roseを搭載した黄金コンビネーションのネオストラトの影に隠れて売れなかったからである。

ボディーはアルダー2pc,ネックにはフレイムが表出されており材の良さが窺い知れる。



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