私のコレクションもそれなりの一貫性を感じていただけるとは思う。私のコレクションにはオーソドックスさが感じられると思う。発展型モデル,前衛的モデルともいうべきギターはないことがお分かり頂けると思う。 今後その一貫性の基準が多少変化することを予めお知らせしたいと思う。 今までサイトに掲示したギターの基準は「中学校〜高等学校時代に欲しかったけど手に入れることができなかったギター及びそれと関連したギター」という感じだろうか。つまり「憧憬を感じさせるギター」である。今後それに,「懐古を感じさせるギター」というのが加わっていく予定である。こんなギターを弾いたなあ,こんなギターもあったなあ,というような印象が私のなかに殊更強く残っているようなものを加えていきたいと思う。なかには「へえ,こんなギターもあったのか,知らなかった」というギターもある。今後のギターにも期待していただきたい。 1980年代初頭から音楽のハイファイ化が顕著になった。多くのエレクトリックギターの中で特にブラッシュアップや改造に対する柔軟性が高く,軽量で外力による破損に強いストラトキャスターが注目され,いわゆるネオ・ストラト化が進んでいった。 当初はいわゆる"SSH"に代表されるPUのリプレイスメントやピックガードやブリッジ駒のブラス化のみであったがチューニングの狂いを最小限にし,激しいアーミングを可能にしたFloyed Roseトレモロユニットの登場によってストラトの進歩は急激に加速した。しかし別の側面から見るとその時点ですでにストラトキャスターではなくなったということもできる。エレクトリックギターの系統図から新しい枝が分岐したのだ。 このようないわばネオストラティゼーションに強く影響を及ぼした二人のギタリストを言及しておきたい。 ひとりは誰もが認める天才ギタリストEdward Van Halen,彼の影響が最も強かったと思う。彼独自のギター改造がネオストラトの道を拓いたといってもいいだろう。彼はピックガードを外しPUをボディーにダイレクトマウントしたが,そのような構造の既製品が生まれ,ヘッド形状の変化も彼が道筋をつけたといっても過言ではないだろう。彼はまさにネオストラト教の教祖様だった。 もうひとりはTOTOのギタリストSteve Lukather,高性能・ハイファイデリティー化という面では彼の影響が最も大きい。ノイズを抑えたアクティブPUであるEMGの採用は彼がスタジオミュージシャンであったからという理由付けは納得できるだろう。 その後前者はヘビメタ・ビジュアル系ネオストラトへと進化し,後者はスタジオミュージシャン&フュージョン系ネオストラトへと進化していった。 私が興味を持っているのは後者である。私自身がバンド活動で使ったのがこのタイプのギターであることがその理由である。昨今生存しているネオストラトはかなり少なくなった。特にヘビメタ・ビジュアル系ネオストラトは絶滅寸前,スタジオミュージシャン&フュージョン系ネオストラトはSuhr,Tom Anderson,Valley Artsなどの高級カスタム物は生き残っているが量産品はすでに絶滅してるといってよいだろう。オークションでも人気は低い。 このギターはFernandesのFST-135,1985年のカタログに記載されている。1986~1987年のカタログがないためその時期については不明,1988年のカタログからは消えている。当時の定価は13.5万円,量産品としては高級品だ。当時の売りはEMGピックアップだが今は恐ろしいほど人気がない。3トーンサンバーストにブラックピックガード,メタルノブは明らかにSteve Lukatherモデルを意識している。カタログ上はアルダーボディーということになっているが,センかアッシュのようでセミオーダーシステムが利用された可能性もある。トレモロユニットは自社製のHeadCrasherというモデル,オリジナルFloyed Roseと異なり弦を切る必要がなく便利である。ピックガードは3plyだが,他に3mm厚の1plyブラックの設定もあった。 PUがシングルコイル本来のクリスピーさに欠けているが,アッシュボディーとトレモロユニットによって音に硬めの味付けがなされるのか出来上がった音は意外にバランスがとれている。でもやはりストラトを弾いているという気分からはほど遠い。
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