インデックスページに戻る
1980年代製 YAMAHA LP-600




LP(Studio Lord)シリーズはヘッドのロゴ周辺が白変しているものが多く,この個体のそれはやや強い。

当時カタログにはボディー材質はバック,トップ,ネックともにマホガニーと記されている。LP-600はブラックモデルが多く出回って いるようで他のカラーを見かけることが少ない,というか私はブラック以外のLP-600を見たことがない。ブラック以外が不人気だったのはなにか理由があ るのだろうか。可能性として,マホガニートップを透過塗装にした場合に色彩やテクスチャーがオリジナルの雰囲気を大きく壊してしまうのかもしれない。

このLP-600,このLPシリーズの中にあってかなり特殊なギターであることが判明した。それは,ボディーがオールマホガニーだという点だけでなく作り そのものが違うのだ。

他のLPシリーズはLP-1000の写真で示したように2プライのマホガニーバックの上にさらにメイプルトップが乗っていて,ボディーは合計で3層構造である。しかしLP-600は2プライのマホガニー(表裏それぞれ3ピース)からバックとトップを同時に掘り出しているのだ。つまりボディー全体としては2層構造を維持しているのである。

最後の写真が示すように,マホガニーのプライ部分の境目はエッジバ インディングの6mmほどバック側にある。通常ならトップ材とバック材の境目はエッジバインディングだが,このギターの場合はそこが境界になっていないの だ。この事実はピックアップキャビティーからも確認できた。つまり,メイプルを使わない代わりに厚さのあるマホガニーをより贅沢に使っているのである(とはいっても全部で6ピースも使っているから全然贅沢ではないんだけど,少なくとも上位機種よりはよいという意味)。

SLシリーズよりもスペックダウンしたLPシリーズの中にあって,こいつだけは多少気を吐いている。貧弱なエビ天を乗せ既製のゆで麺を使用しているのに値段だけが高いエビ天蕎麦がLP-1000だとすれば,こいつは生そばを使ったかけそばだ。


アルニコVピックアップは高出力で元気がよく,ディストーションをかけて弾くと気持ちがよく, 腰痛持ちの中年オヤジをハードロック少年に変身させてくれる。ネックのジョイントががっちりしていて,サスティーンが素晴らしい。私の手元にあるレスポールの中でボディーとネックを含めた剛性感はこのLP-600が一番だ。

一般的にヤマハのレスポールはリアピックアップの音が痩せて高音成分がやや耳障りなのだが,このLP-600はそういう点でヤマハらしくない。オールマホガニーボディー
からくる倍音が少なめなキャラクターをもった音とやや乾燥した音を作るヤマハのピックアップと相性がよいのではなかろうか。また,マホガニーボディーの音はメイプルトップのように出しゃばりすぎないので,バンドで他のセクションと合わせるときなどはむしろ使いやすいのではないかと思う。

ギターの値段と性能は必ずしも比例関係にはない。安価なギターの中に掘り出し物を探すのは楽しい。因みにギターの入手価格は1万円台。








イ ンデッ クスページに戻る

当ホームページに対するご意見,ご 感想は,maillot_jaune_yamauchi@yahoo.co.jp
©2004-2006, Copyright(c) Yamauchi Otorhinolaryngology All Right Reserved.