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1980年前後製 YAMAHA SL-800S TS




1980年頃よりSLシリー ズは整理され,上位2機種(SL-1200,SL-1000)は製造ラインから姿を消し,関脇だったSL-800がSL-800Sとなって横綱の座に着いた。これを便宜上"後期SLシリーズ"と呼ぶことにする。型番の最後にS(スタンダード)あるいはC(カスタム)という付加されていることで後期シリーズの製品であることが分かる。この個体はインクシリアルで,初期物らしい。

トップはハードメイプル2ピース,バックはマホガニー2ピース,メイプルネック,指板はエボニー,前期SLシリーズのSL-800はバックが2層構造,指板がローズウッドだったので,グレードアップしていることになり,ネック材質以外はレスポールの基本条件を満たしている。
またSLシリーズでは唯一白蝶貝インレイが使われていてトップのピース数以外にもフラッグシップとしての差別化が図られている。

同じ時期,類似仕様の他メーカー品といえば,Fernandes RLG-50(5万円),Tokai LS-60(6万円),Greco EG-700(7万円)などがある。つまりヤマハのギターのコストパフォーマンスは最も悪かったということになる。つまりヤマハは上手に利益を上げていた ということだ。

このギターのトップにはうっすらと玉目とトラ目が出ていて,ハードメイプルの良材が使われていることがわかる。重量は4.6Kgとやや重量級。

後期SLシリーズの塗装皮膜は硬くポリウレタン塗装特有の鏡のような光沢をいまだに放ち続けている。特にヤマハのウレタン塗装は特に硬いようで,他社のウレタン塗装と比較しても表面のてかり具合が強くビンテージ感がさらに希薄になっている。私は1970年代の前期SLシリーズのものを3本所有しているが,最高級のSL-1200から最廉価のSL-380まで塗装は薄くラッカーのようで,素晴らしいビンテージ感がある。ヤマハとしてはギターの耐久性を考えてこのような塗装に変更したのだと思うが,古くならない物というのは不気味ですらある。失敗だったといえよう。

音は悪くない。サスティーンの良さは特筆すべきだが,レスポールの醍醐味とでもいうべき『ほど良いこもり加減』がない。おそらくピックアップの特性だろう,ミッドレンジが痩せている。よいボディーを持っているからPUを載せ替えればきっとよいサウンドが得られるだろう。

1982年のカタログにはLP(Lord Player)シリーズへの移行型と思われるスモールヘッドのSLシリーズが記載されているが,最上位機種のSL-550Sでもバック材はアガチスで情けない過渡期モデルになっている。






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