脱線授業「UFOと宇宙人の話」と

それに対する質問・感想

2001年度 生物TA ・物理TAで実施

鈴木健夫

 授業の脱線として「UFOと宇宙人の話」という題のプリントを配布し、数十分ほど解説しました。そして、そのプリントに設けてある「質問欄」と「感想欄」に記入させ回収しました。「質問欄」は「質問書方式」という授業方法の一環として行っているものです。ただし、このプリントの質問については得点化はしませんでした。話そのものをまったく聞いていない生徒も多い状況なので、出てきた質問も、おかしなものが多いのですが、生徒達がUFOに関してどのようにとらえているか、参考になるので、Webに公開することにします。

この項の目次
 プリントのテキスト部分
 生徒の質問とそれに対する私のコメント
 生徒の感想

プリントのテキスト部分(後半の実例は、皆神龍太郎著「宇宙人とUFOトンデモない話」日本実業出版社から引用させていただきました。)

余談:UFOと宇宙人の話
 宇宙には、1000億の銀河があり、その中にそれぞれ1000億の恒星(星)がある。その恒星のうち、1万個に1個の割合で人類と同じような生命が住む惑星があるとしても、我々の銀河系の中には1000万種類の宇宙人がいることになる。天文学者の中にはそれより多いと考える人もいるし、少ないと考える人もいる。しかし、地球で生命が生まれたのなら、同じような条件のほかの星で生命が生まれるのはほぼ確実である。いずれにしろ、宇宙に我々以外の知的生命がいるのは確実だというのが今の常識である。宇宙人はいる!
 しかし、その宇宙人が地球に来ることは可能だろうか。銀河系の半径は5万光年(光の速さで5万年走る距離)なので、1000万個の星がバラバラに分布しているとすると、お互いの距離は30光年ほどになる。ただし、これはそれぞれの知的生命が長い時間存在した場合である。1つの文明が何年続くかわからないが、人類が数億年生き延びるのはかなりむずかしいだろう。たとえば宇宙人が宇宙船を打ち上げることができる期間が、1つの星について1万年だとすると、今現在銀河系に存在する宇宙人は100種類に減ってしまう。そうなるとお互いの距離は3000光年近くになってしまう。そんなに遠い距離を飛んでくる宇宙人がいるだろうか。
 では、UFOは何なのだろうか。実はUFO目撃証言のほとんどが見間違いで、自然現象として説明できないものはほとんどない。UFOの写真として雑誌などに出ているものはほとんどイカサマである。宇宙人に会った、という人もいるが、すべて幻想を見ているか、うそをついているか、どちらかである。
 こんな例がある。1967年10月20日午前4時36分、アメリカ・ジョージア州のミレッジビルで同僚と二人でパトロール中だった警官がUFOを発見した。「最初は町の明かりかと思ったが、フットボールのような形の明るい赤色の物体が飛び去っていった。」この警官はUFOを追跡したが、結局見失った。
署への帰り際、振り返ると再びUFOが出現、追いかけてきた。非常に接近され、腕時計が読めるほどまで車内が明るく照らし出された。「UFOに追跡されている」と無線連絡を入れ、車を止めたが、UFOはそのまま森の中に隠れた。
 二人の警官は一度署に戻り、もう一人の警官を連れて現場に戻ったところ、UFOは木の高さの2倍ほどの位置におり、赤からオレンジ、白と色を変えて徐々に上昇して消えてしまった。
 次の夜にはUFOはあらわれなかったが、翌々日にはまた出現した。ハイウェイで車がUFOに追いかけられているという連絡が入り、その時は2機のUFOが空中に出現した。
 UFOに近づこうと、森林パトロールの飛行機が発進し、追跡をはじめたが、UFOはどんどん高度を上げて逃げられてしまった。パイロットは近くの空軍基地に無線連絡を入れた。その結果、基地のレーダーがUFOを追跡中の飛行機の映像をとらえ、1分間だけそのUFOもレーダーに映った。はたして、この正体はいったい何なのだろうか。
結論:UFO発生の報告を受けたコロラド大学は、二人の学者をジョージア州に行かせた。UFOを追いかけた警官と現場に行き、空に停滞していたUFOを見上げた。学者がそこに見たのは、単なる明るい金星だった。

生徒の質問とそれに対する私のコメント

Q1:いつごろからUFOと呼ばれるようになったのか/UFOはなぜUFOと言うのか。/何でUFOって言われてるんですか/UFOって何?/なぜUFOっていうんですか?(誰が考えたんですか?)
→UFOは、Unidentified Flying Object(未確認飛行物体)の略だ。1952年にアメリカの空軍の中にUFO調査機関が作られたが、その責任者だったエドワード・J・ルッペルト大尉という人がつけた名前だ。この調査機関は、アメリカ空軍がUFOが宇宙人だと信じていたから作っていたのではなく、正体不明のUFOについて情報を集めようとして作られただけのものだ。

Q2:「UFOをみた」っていう人は、いつくらいからいたの?/UFOというものが発見などということが起きたのはいつからなのか。/UFOとか宇宙人っていつごろからみんなに知られるようになったんですか?気づいたらみんないってたから。/何年前からUFO見たんだろう/円盤はなぜこんな形なのか、誰が言ったのか、どうしてこんな話になったのか?
→おそらく昔から、空を飛んでいる不思議なものを見たという人はいたと思うが、今言われているような「円盤」型のUFOを目撃したとして大騒ぎになったのは、1947年が最初だ。もっともその時には「UFO」という名前はまだなくて、宇宙人の乗り物のようなものを見たと言って騒がれた。1947年6月24日に、アメリカのアイダホ州のセールスマン、ケネス・アーノルドが、自家用の飛行機で飛んでいるとき、不思議な物体が9機空を飛んでいるのを発見した。そのとき、彼は「投げたお皿が水面に飛び跳ねていくような飛び方をしていた」と話したのだが、その「お皿」と言う言葉が、いつの間にか「空飛ぶ円盤」という言葉になってしまった。(英語では(丸い)皿と円盤は同じ言葉。)この話が大きく新聞に載って、「宇宙人の乗っている空飛ぶ円盤」というイメージが人々に植え付けられて、似たような目撃証言が次々と出てくることになる。有名なロズウェル事件は1947年7月4日に起きているが、それはこのケネス・アーノルド事件のすぐあとだ。ちなみに、宇宙人解剖ビデオは、このロズウェル事件の時に回収した宇宙人の死体を解剖したことになっている。

Q3:KGBが宇宙人を隠しているなどとTVでよく言われていますが、ロシアのKGBとは何ですか。今はSVRと言われているらしいのですが。
→KGBはソ連の秘密警察のこと。正式名は「国家保安委員会」。アメリカのCIAと同じように、秘密にいろいろな工作などを行っていた。

Q4:UFOがおりたところにミステリーサークルっていうのができてるって本当ですか?/よくTVとかで草むらとかに左右対称とかの絵が書かれたりするのはにせものなんですか?
→ミステリーサークルは、地元の二人組のおじいさんがいたずらでやっていたということがわかっている。全部その二人がやったのではないかもしれないが、(つまりほかにも何人もやった人がいる可能性はあるが、)それまで「これは絶対に人がやったものではない」と科学者が言っていたものも、実はそのおじいさん達がやったものだ。だから、「本物」のミステリーサークルはないだろう。全部、いたずらで作られたと僕は思う。

Q5:何でUFOは円盤のものばかりなのですか?
→上の答えに書いたが、最初に目撃されたUFOが「空飛ぶ円盤」と新聞に書かれて大騒ぎになったので、人々は「宇宙人は円盤に乗っている」と思いこむようになった。そういう思いこみがあるから、そのあとにいろいろ見間違いで出てくるUFOが円盤ばかりになってしまうし、イカサマで作るUFOの写真も、円盤型のものになったわけだ。

Q6:UFOはいったいどこから来てどこに帰るのか/UFOはどうして地球にやってくるのか?/UFOはいったい何しに来るのか?/宇宙人は何をしに地球にくるの?/UFOは本物か/UFOは誰が運転しているんですか、どうやって飛んでいるんですか
→ちゃんと話を聞いてプリントを読んで欲しいな。UFOは宇宙人の乗り物ではない。宇宙人は地球には来ていない。UFOは飛行機や金星の見間違いだ。と言う話をしたはずだが。

Q7:本物のUFOを見た人はいるのですか?
→この質問も、上と同じ。「本物のUFO」が宇宙人の乗り物という意味なら、見た人はいない。「本物のUFO」が本当の未確認飛行物体という意味なら、最後まで正体がわからないものと言う意味だから、それはあり得る。

Q8:もしいたらどうなるの?
→質問は「もし宇宙人がいたら(来たら)どうなるの」という意味なのかな。もしも来ていたらどこかで人間を誘拐したりなんてことはしていないと思う。世界中で一番人が集まっていそうな、ニューヨークとか東京とかに降りてきて、人類代表と会いたい、と言ってくるだろう。または、地球を侵略するつもりなら、とっくに攻撃をしてきているだろう。そうなっていないのだから、まだ来てはいないと僕は思っている。これから先、来る可能性はものすごく低いが、ゼロではない。侵略されるのは困るが、友好的に来るのなら、ぜひ見てみたいと思う。そうなったら、人類の歴史はそこで大きく変わるだろう。その宇宙人からいろいろなことを教わり、人類は大きく変わっていくことになると思う。

Q9:UFOをどうすれば見れるか
→UFOは見間違いなのだから、見るコツなんてない。「宇宙人の乗り物」という意味なら、見るのは無理。

Q10:UFOはいつ頃私たちは作れるんだろう。
→「空飛ぶ円盤」と言う意味なら、意味のない質問だ。そもそも「空飛ぶ円盤」は存在しない。

Q11:おばけはいるの/テレパシーができるとかいう人はやっぱりデマなんですか?
→これについては、いつか別の機会に話をしよう。

Q12:スカイフィッシュって何ですか。あれも未確認飛行物体じゃないのですか?
→僕は、よく知らない。テレビなどでよく出てくるようだが。インターネットで調べたが、空を飛ぶと言っても、飛行機が飛ぶほどの上空ではないのでは? 一種の「未確認生物」だろう。昆虫か何かだと思うが。

Q13:では、夜空に急に光って動くのは何??  UFOじゃないの?
→と言われても、見てみたいとわからない。よく、サーチライトが雲にあたって何かが飛んでいるように見えたりすることがある。それじゃないの?

Q14:どのようなCGでごまかしているんですか、どういう特撮なのですか/マイヤーの写真は模型なのにそんなに自然に見えるものなのですか
→イカサマのUFO写真はCGではない。1950年代に撮られた写真が多く、模型をつるした単純なイカサマがほとんどだ。マイヤーやアダムスキーという人の写真は、本物のように見えるが実はイカサマ。いろいろ写真を撮って、一番自然に見えるものを発表しているのだろう。

Q15:なぜ宇宙には1000億の銀河があるといえるのか、それよりも多いかもしれないし、少ないかもしれないのに。星も同じ。宇宙は成長しているというのは本当ですか。
→銀河の数は、推定だ。地球から観測できる銀河の数から推定している。宇宙は、「成長」と言っていいかどうかわからないが、膨張している。

Q16:なぜ宇宙人がいるといっているのに今までしっかりとした宇宙人を見た人がいないんですか?
→宇宙人はいる。(と僕は思う。)しかし、地球には来ていない。授業ではそう強調したはずだ。だから、宇宙人を見た人がいるはずはない。

Q17:宇宙人とか確認できるものは何か見つかっていないんですか
→遠い星から、宇宙人が出した電波がないかどうかは、真剣に探している。しかしまだ見つかっていない。

Q18:宇宙には地球以外に生物が住める星は何個くらいあるんですか/宇宙人ってどんな種類があるのだろう(地球人の想像の種類)/宇宙人の種類は何種類ぐらいですか
→わからない。いろいろな科学者が研究して、推定しているが、宇宙中に何億もあるという人もいれば、2,3個だという人もいる。中には、地球だけだと言っている科学者もいる。これはまだまだ謎だ。

Q19:宇宙人とか言ってるけど、そんな物本当にいるの?
→上に書いたとおり、宇宙人がいるかどうかは証明できないし、いないとも言い切れない。僕はいると信じている、としか言えない。

Q20:宇宙人がいるとしたら、宇宙人はどのようにして存在したのですか?宇宙人はいつから存在したのですか?/宇宙人って何年前からいたのかな/宇宙人ってどこからうまれてるのか、どこに住んでるのか
→それもわからない。地球の人類は、数万年前から今の人類のようになって文明が始まった。宇宙が始まって100億年以上たっていると言われているが、今までにもっと前に文明が高度に発達して、とっくに絶滅した星もあるのかもしれない。

Q21:宇宙人って何語?
→宇宙人が話す言葉は、当然我々人類の話す言葉と全然違うはず。もしも通信できたり、会ったりしたとき、どうやって人類と会話するのか、難しい問題だ。

Q22:宇宙人には男と女は分けられているんですか
→おそらく、高度に発達した生物は、有性生殖をしている可能性が高い(なぜなら進化の効率を考えると無性生殖では進化が遅い)ので、性別はあるだろう。「男」「女」という分け方かどうかはわからないが。

Q23:宇宙人は何年前ぐらいから存在しているんですか。UFOは宇宙人が作っているんですか
→UFOは宇宙人の乗り物ではない、と言ったはず。この質問の前半は、上に答えてある。

Q24:宇宙人解剖って本物なんですか?解剖したら宇宙人はいるってことですよね?
→これも授業中にさんざん話をしたつもりだったが。宇宙人解剖ビデオは全くのデッチアゲ。イカサマ・トリックだということがすでにわかっている。

Q25:宇宙船があるとすると、それは何の材料でできているのだろうか?
→そもそも「宇宙人の乗り物」は来ていないと思っているから、この質問には答えられない。

Q26:遠いだけの理由で来ないの?(私は信じてないけど)
→それが一番大きいと思う。遠いのに、来る意味があるだろうか。何をしに来るのだろうか。人類も近い「月」には行ったが、それ以上は今のところ行く計画もない。宇宙人も同じでは?

Q27:何でそんなにまでしてでっち上げるのか
→一番大きな原因は、それでみんなが騒いで、有名になれるし、お金ももらえるからだ。とくにお金が大きいだろう。

Q28:何でテレビで見る宇宙人はみんなこういう形(グレイタイプという)なのですか?
→1950年頃にアメリカで放送されたテレビドラマの影響だという話を聞いたことがある。

Q29:火星人はなぜタコの形が多いんですか
→今から100年以上前に、望遠鏡での観察で、火星に運河があり火星人は文明が発達している、と真面目に考えられていた。火星の重力は地球よりも小さいので、知能が発達して大きくなっている頭と、軽く移動できるタコのような足というイメージができあがった。

Q30:関係ないけど遠心力で空は飛べるの?
→「空を飛ぶ」ということの意味がよくわからない。雨の日にぬれた傘をくるくる回すと、水滴が飛び出して行くが、これだって、遠心力で飛んだと言っていい。ただ、自分がぐるぐる回ることで浮力が生じるかというと、そういうことはありえない。

Q31:空を飛ばない未確認物体はあるんですか
→UFOは「未確認飛行物体」だから、空を飛ばないUFOはありえない。

Q32:今でもUFOや宇宙人は存在するのですか
→何度も言っているが、宇宙人は存在するけれども、地球には来ていない。UFOは「未確認」と言う意味では存在するが、宇宙人の乗り物ではない!

生徒の感想
・UFOと金星を見間違えるなんてとてもおもしろいと思いました。最初は本当かと思ったけど先生の話を聞いて「なーんだ」と思いました。
・UFOのTVをやってるのを見るとすごい楽しいから、でっちあげでもなんか面白い。
・UFOや解剖の話は疑ってたけど、うそが証明されるとちょっとガッカリする。
・こんなことでさわぐなんて結構ひまだなあと思った。     ・おもしろかった
・たまにはこういうプリントもいいと思いました。
・テレビとかでやっている宇宙人のことすべてがウソだと思う。しかしこの広い宇宙にほかの星の人がいないはずがないと思う。
・宇宙人がいようがいまいがあまり関係ない。
・宇宙人はいると思う。
・宇宙人は信じないけどUFOは見たことがあるからUFOは信じる。
・宇宙人は本当にいると思います。ってゆーかいてくれると面白いです。
・今まで宇宙人はいないと思ってたけど、この話を読んでちゃんと根拠があるとわかりました。
・思いこみってすごいと思う。ナイものをアルと思ってしまうほど人の思いこみが激しい!!
・私はUFOとか宇宙人とかに興味あるからちょっとわくわくした。私は宇宙人はいると思う。TVでは見たことあるけど生では見たことはない。
・私はUFO見ましたよ!!あれは絶対UFOでした。
・私は絶対にいると思います。科学じゃ証明できないことたくさんあるからUFOぐらいあると思う。