文人に愛された老舗旅館


◇ 塔之沢温泉 〜福住楼(ふくずみろう)


泉質 アルカリ性単純泉(約63℃)
お風呂の種類 岩風呂(男女時間交替) 1 
大丸風呂(男女時間交替) 1 
家族風呂 1
日帰り入浴料金 夕食付き6000円−
営業時間
問い合わせ先 0460-5-5301
お気に入り度 ★★★
場所
入浴日 02年2月2-3日

 
 箱根は、川崎の自宅からは近すぎて、なかなか泊る機会のない場所です。
 でも、その箱根には、ずっと気にかかっている老舗旅館が何軒かありました。今回は、その中の「福住楼(ふくずみろう)」に泊ってみました。ここは、古くから多くの文人に愛されきた和風旅館です。
 玄関を入ると、火鉢には炭が熾され、よく磨かれて黒光りした廊下、小さいけれど素敵なお庭、細工の入った木の窓枠など、仲居さんにお部屋に案内されながら、「うわぁ〜!素敵!」と、独り心の中で叫ぶのでした。
 
 わたしが宿泊した部屋は、川端康成が好んだ「桐三」というお部屋でした。宿は川沿いに建つのですが、この部屋は、中庭に面していて、川の音は聞こえません。川端康成は、川沿いの景観よりも、その静けさを好んだのでしょう。
 こじんまりして、落ち着くお部屋でした。
 奥に細長い廊下のあちらこちらにある階段に沿って、お部屋が2−3室ずつ点在しているので、それぞれが独立した感じで、ちょっぴり離れっぽい気分を味わうことができます。
 また、ここの宿は、昔ながらの造りなので、ほとんどのお部屋には、トイレ、洗面所は付いていなくて、共同のものを使います。
 浴室は、岩風呂と大丸風呂、家族風呂の3つの内湯があり、岩風呂と大丸風呂は、時間で男女交替になります。
 昭和の始めに造られた岩風呂は、一見地味なものではありますが、レトロモダンなタイル絵があったり、丸い窓があったりして、雰囲気があります。湯船の淵の方にある岩は、巨大で、自然な肌触りが気持ちよかったです。
 お湯は、無色透明無味無臭ですが、肌になめらかな感じがします。
 洗い場は、最近増設されたと思われるシャワーが、川沿いに2組ありました。

 
 
  そして、何と言っても有名な大正7-8年に作られた大丸風呂は、素晴らしいものでした。
 丸い木の湯船の内側は、一本の赤松を刳りぬいたものなんだそうです。すごいと思いませんか?湯船の大きさよりも太い松ですよ?!20年に1回くらい張り替えなければならないそうですが、「今度は、もうこんな大きな木はないでしょうねぇ」と、お風呂で一緒になった女将さんが話していました。木の湯船の縁は銅の枠がはめてあり、これは、造られた当時からのものだそうです。
 新緑の頃、早朝入浴すると、湯船に緑が映り込んで素晴らしいこと、紅葉の時期は、落ち葉が窓から吹き込んで、湯船の中に舞っていることがあること。。。。他の季節にも、是非、訪れてみたいと思いました。
 女将さんから、古いものの維持が難しいことを聞いた後、凝った造りの浴室を愛でながら、いつまでもこんな素敵な浴室が残されることを祈るのでした。
 小さいけれど、家族風呂も、風情があって気に入りました。
 2人も入るといっぱいの小さな湯船に、シャワーが一つ。
 大理石の煉瓦を積んだような浴室の壁や、磨かれた石造りの洗い場、半地下っぽい造りなど、すべてが新しいものとはちょっと違う「上質」を感じさせるものでした。

 
 
 そして、お食事は、夜も朝も満足できるものでした。
 海に近いので、お刺身などが新鮮なのはもちろん、前菜は、「節分」をモチーフにした、細かな細工や演出も心憎いものでした。3cm四方にくらいに小さく切ったカブを刳り抜いて作ったかわいい「枡」の中に、「田楽味噌」が入っていて、その上に「お豆(大豆)」がちょこんと2,3粒のせてあったり。その隣には、鬼の顔の生麩があって、「鰯の頭」をイメージしたのか小さなお魚の隣には、「柊の葉」も配してありました。
 海鮮サラダ、フグの唐揚げ、紙鍋などなど、見た目にもきれいで、季節感のある楽しいお食事でした。
 夕食も朝食も、お部屋に出してもらえます。
 これで、1泊17000円+税金です(川沿いのお部屋は、19000円から)。箱根という場所を考えると、リーズナブルだと思います。ゆっくりまったり、たまった疲れを取った週末となりました。
 あまりに気に入ってしまって、絶対また来ようと、帰りに次回の予約もしてしまったのも初めてのことでした。

福住楼のオリジナルHPは、こちら!







地元の方々の憩いの場。素朴な共同浴場です


◇ 塔之沢温泉 〜上湯大衆温泉


泉質 単純泉
お風呂の種類 男女内風呂各1
日帰り入浴料金 300円
営業時間 9:00〜21:00(水曜休み)
問い合わせ先 0460-5-7683
お気に入り度
入浴日 98年5月10日

 
  箱根湯元から国道1号線を登って行くと、間もなく左手に現れるのが、共同浴場上湯です。
駐車場は、浴場から国道を渡った斜め向いに3台くらいの車を停められるスペースがあります。
  扉を開けると、プーンと田舎の玄関の臭いが・・・別料金で、2階で休憩をすることもできるようです。
  受付けには、「お湯の量が少ないので、お湯の持ち帰りはしないで下さい」というような貼り紙がありました。分析表を見ると、ここの温泉は、源泉が39℃で、少し沸かして浴槽に入れているようでした。

 
 
  お風呂場は、ピンク色のタイル貼り。本当に昔ながらの風呂場、って感じです。浴槽は、5〜6人入るとそれ以上はきついな、って感じの大きさです。
  わたしが行った時には、お風呂の床におばあさんが、べったりと寝そべっていました。
  お湯は、無色透明。でも、なんとなく肌に優しく、あたたまる感じがしました。お湯がぬるめなので、長めに入浴していることができます。
  面白味はないかもしれませんが、地元の方の日常に密着した温泉なんだな、って言う感じがしました。



 
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